※この記事の枠の数字は、2026年10月1日に財務省「令和8年度税制改正の大綱」の原文を開いて確認しました。金額の計算はすべて scripts/kodomo_nisa_sim.py で出し、前提を第7章にそのまま書いています。筆者は金融の専門家ではありません。証券外務員でもIFAでもなく、投資の助言はできません。どの商品を買うかの話もしません。
月額の天井は5万円です。そして月3万円を超えると、18歳より前に600万円の枠が終わります。
月5万円なら10歳0か月で打ち止め。だから月5万円と月3万円の差は、思うほど開きません。
月額別の早見表を見る月額を決める前に、上限が2つあることを確かめる
こどもNISAには上限が2つあります。1年ごとの上限と、一生ぶんの上限です。
大綱の原文はこうなっています。まず1年ごとのほう。
当該期間内の取得対価の額の合計額が60万円を超えないもの
次に一生ぶんのほうです。
前年末に受け入れている株式投資信託の受益権の購入の代価の額等の合計額が600万円を超えることとなるとき…を除く
年60万円を12で割ると5万円です。毎月の積立なら、月5万円が物理的な天井になります。
そしてもう一方の600万円は、買ったときの値段(簿価)で数えます。値上がりした分は枠を食いません。
この2つに、代表的な月額が当たるかどうかを計算しました。
| 月額 | 年額 | 年間枠60万円 | 18年の累計 | 600万円の枠 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000円 | 6万円 | 収まる | 108万円 | 当たらない |
| 10,000円 | 12万円 | 収まる | 216万円 | 当たらない |
| 20,000円 | 24万円 | 収まる | 432万円 | 当たらない |
| 30,000円 | 36万円 | 収まる | 648万円 | 16歳8か月で到達 |
| 50,000円 | 60万円 | ちょうど上限 | 1,080万円 | 10歳0か月で到達 |
← 横にスクロールできます
月額別の早見表(0歳から18年積んだ場合)
ここが本題です。0歳から18年(216か月)積んだ場合の、18歳時点の金額です。
年率は0%・3%・5%の3通りで出しました。0%は「増えも減りもしなかったら」という置き方です。
| 月額 | 積立元本 | 年率0% | 年率3% | 年率5% |
|---|---|---|---|---|
| 5,000円 | 108.0万円 | 108.0万円 | 143.3万円 | 175.3万円 |
| 10,000円 | 216.0万円 | 216.0万円 | 286.7万円 | 350.7万円 |
| 20,000円 | 432.0万円 | 432.0万円 | 573.3万円 | 701.3万円 |
| 30,000円 | 600.0万円 | 600.0万円 | 810.9万円 | 1,002.2万円 |
| 50,000円 | 600.0万円 | 600.0万円 | 890.2万円 | 1,162.1万円 |
← 横にスクロールできます
いちばん使われそうな月1万円なら、元本216万円。年率3%で286.7万円、5%で350.7万円です。
月額を2倍にすれば結果も2倍になります。月5千円から月2万円までは、きれいに比例します。
比例が崩れるのは、月3万円と月5万円のところです。月額が1.67倍なのに、18歳時点は1.1倍しか増えません。
月5万円と月3万円で、結果があまり変わらない理由
原因は600万円の枠です。どちらも途中で枠を使い切り、そこで積立が止まります。
つまり元本はどちらも600万円で同じです。違うのは「いつ入れ終わったか」だけ。
月5万円のほうが早く入れ終わるので、運用に乗る期間が長くなります。その差が3%で79.3万円、5%で159.9万円でした。
月額を増やすほど、1円あたりの効き目は落ちていきます。月2万円までは比例し、そこから先は枠が効いてくる、という形です。
始める年齢で、同じ月額でも結果が変わる
ここまでは0歳からの話でした。実際には、制度が始まるときに子は何歳かです。
投資できるのは大綱の言う「その年1月1日において18歳未満である年」まで。2027年1月1日の年齢で、積める年数が決まります。
年率3%で計算した早見表です。縦が始める年齢、横が月額です。
| 年齢 | 積める年数 | 月5千円 | 月1万円 | 月2万円 | 月3万円 | 月5万円 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0歳 | 18年 | 143.3万円 | 286.7万円 | 573.3万円 | 810.9万円 | 890.2万円 |
| 3歳 | 15年 | 113.8万円 | 227.5万円 | 455.1万円 | 682.6万円 | 813.7万円 |
| 6歳 | 12年 | 86.8万円 | 173.5万円 | 347.0万円 | 520.5万円 | 743.7万円 |
| 9歳 | 9年 | 62.1万円 | 124.1万円 | 248.2万円 | 372.4万円 | 620.6万円 |
| 12歳 | 6年 | 39.5万円 | 79.0万円 | 158.0万円 | 236.9万円 | 394.9万円 |
| 15歳 | 3年 | 18.9万円 | 37.7万円 | 75.4万円 | 113.1万円 | 188.6万円 |
← 横にスクロールできます
月1万円を見てください。0歳からなら286.7万円、9歳からなら124.1万円です。
年数が半分になると、金額は半分より少し下になります。あとから積む分には、運用の期間が足りないからです。
年率5%で計算すると、0歳・月1万円は350.7万円、9歳・月1万円は136.6万円でした。開き方の形は同じです。
600万円を使い切る月額は、始める年齢だけで決まる
「枠は使い切ったほうがいいのか」より先に、使い切れるのかを確かめます。
600万円を積める年数で割ると、必要な月額が出ます。ただし月5万円という天井があります。
| 2027年1月1日の年齢 | 積める年数 | 使い切るのに必要な月額 | 年間枠60万円 |
|---|---|---|---|
| 0歳 | 18年 | 27,778円 | 収まる |
| 3歳 | 15年 | 33,333円 | 収まる |
| 6歳 | 12年 | 41,667円 | 収まる |
| 8歳 | 10年 | 50,000円 | ちょうど上限 |
| 9歳 | 9年 | 55,556円 | 超える |
| 12歳 | 6年 | 83,333円 | 超える |
| 15歳 | 3年 | 166,667円 | 超える |
← 横にスクロールできます
境目は8歳です。600万円÷月5万円=120か月=10年。これより短いと、どう頑張っても入りません。
9歳以上なら55,556円が必要になり、年間枠の60万円を超えてしまいます。家計の努力ではなく、制度の形でそう決まっています。
同じ600万円でも、早く入れ終わったほうが多くなる
第3章の続きです。元本600万円を、2通りの入れ方で比べました。
片方は月5万円で10年。もう片方は月27,778円で18年です。どちらも合計600万円です。
| 年率 | 月5万円を10年 | 月27,778円を18年 | 差 |
|---|---|---|---|
| 0% | 600.0万円 | 600.0万円 | 0円 |
| 3% | 890.2万円 | 796.3万円 | 93.9万円 |
| 5% | 1,162.1万円 | 974.0万円 | 188.1万円 |
← 横にスクロールできます
年率0%だと差は0円です。差を生んでいるのは利回りが乗る期間だけだと分かります。
前倒しのほうが有利に見えますが、これは年率がプラスだった場合の話です。下がる局面で先にまとめて入れていれば、結果は逆になります。
どちらが正しいとは書けません。言えるのは、同じ元本でも入れる順番で結果が変わることだけです。
この早見表の前提(ここを読まないと数字を誤解します)
推測で埋めた数字はありません。前提はすべて書きます。
- 期間は18年(216か月)
毎月末にその月の分を積み立てた形で計算しています。実際に積める月数は誕生月で変わります。
- 年率を12で割った月利で、毎月複利
金融庁の資産運用シミュレーターと同じ考え方です。年1回の複利より、わずかに多く出ます。
- 手数料と信託報酬を引いていません
実際はここから差し引かれるので、表より下がります。信託報酬の差は銘柄の選び方の記事で計算しました。
- 年率3%・5%は仮定です
「もしそうだったら」の数字で、将来の成果を約束するものではありません。公式が示した見込みでもありません。
- 元本を下回る年もあります
右肩上がりの前提では計算していません。下がった場合も下に出しました。
年率がマイナスだった場合も計算しました。月1万円を積んだ場合です。
| 年率 | 5年後 | 10年後 | 18年後 |
|---|---|---|---|
| −2%の元本 | 60.0万円 | 120.0万円 | 216.0万円 |
| −2%の残高 | 57.0万円 | 108.7万円 | 181.2万円 |
| −5%の残高 | 53.0万円 | 94.2万円 | 142.0万円 |
← 横にスクロールできます
18年で34.8万円から74万円のマイナスになります。こどもNISAは増やす箱ではなく、税金がかからない箱です。
そして引き出しには制限があります。生活費や急な出費に使うお金を入れる場所ではありません。
公式ページでも確認できなかったこと
月額を決めるうえで、はっきりしていない点が2つあります。
1つは、18歳のどの時点で成人のつみたて投資枠に移るかです。大綱が定義しているのは払出し制限が解ける「その年3月31日において18歳である年」だけでした。
金融庁は「18歳に達した際に、特段の手続きを要することなく、自動的に成人後のつみたて投資枠へと移行する」と書いています。この2つが同じ基準日だとは、どちらにも書かれていません。
もう1つは、0歳から17歳に入れた分が、成人後の1,800万円の枠に含まれるかです。大綱に「1,800万円」という語はなく、金融庁の資料にも書かれていませんでした。
どちらも断定せずに置きます。公式のQ&Aが出たら書き足します。
よくある質問
こどもNISAは月いくらまで積めますか?
月1万円を18年積むと、いくらになりますか?
月5万円で積むと、途中で枠が終わりますか?
600万円の枠を使い切るには月いくら必要ですか?
元本を下回ることはありますか?
まとめ
月額を決めるときに見るものは、3つだけでした。
1つめは月5万円という天井。年60万円を12で割った数字です。
2つめは600万円の枠に当たる位置。月3万円で16歳8か月、月5万円で10歳0か月でした。
3つめは始める年齢。2027年1月1日に9歳以上なら、枠は使い切れません。それは家計の問題ではありません。
そのうえで、月1万円でも元本216万円になります。使い切れないことは、始めない理由にはなりません。
こどもNISAは原則として金融機関を変えられません。月額より先に、どこで作るかを決めておくほうが大事です。
なお「こどもNISA」は各社が使っている通称で、税法上の名称は「未成年者特定累積投資勘定」です。
出典(2026年10月1日に公式ページで確認):財務省「令和8年度税制改正の大綱」/金融庁「アクセスFSA」2026年2月号/金融庁 NISA特設ウェブサイト/金額の計算に使ったスクリプトは scripts/kodomo_nisa_sim.py(関数 hayami_hyo・hayami_nenrei・tsukaikiru・moto_wari)
