※筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、現在は古物商として買取業を営んでいます。この記事で扱う支援機関の対象・拠点数・できることは、すべて厚生労働省の公式ページとe-Gov法令検索を実際に開いて確認した内容だけを書いています。閲覧日は本文中に記載しています。
「第二新卒のサポート」は転職エージェントだけではありません。国が無料で用意している窓口が3つあり、そのうちいちばん第二新卒向きの窓口には「新卒」という名前が付いています。
名前のせいで、当の第二新卒が「自分は対象外だ」と思って素通りしています。対象は卒業後おおむね3年以内。まさに第二新卒のど真ん中です。
4つのサポートの違いを見る「サポート」と検索すると民間しか出てこない。無料の窓口は3つある
「第二新卒 転職 サポート」で検索すると、出てくるのは転職エージェントの比較記事ばかりです。どれも似た文面で、読み終わっても結局どれを選べばいいか分かりません。
そこに載っていないものがあります。国が無料でやっている就職支援の窓口です。3つあって、しかも対象の線の引き方が3つとも違います。年齢で引く線、卒業からの年数で引く線、いまの状態で引く線。自分がどの線に乗るかで、行くべき場所が変わります。

| 窓口 | 対象 | 費用 | 全国の拠点 | 運営 |
|---|---|---|---|---|
| 新卒応援ハローワーク | 卒業後おおむね3年以内 | 無料 | 56 | 国 |
| わかものハローワーク | 正社員を目指す おおむね35歳未満 | 無料 | 21 | 国 |
| サポステ | 働くことに悩みを抱えている15〜49歳 | 無料 | 179 | 国の委託(民間団体等) |
| 民間の転職エージェント | 各社が決める | 求職者は無料 (法律で定めあり) | ― | 民間 |
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出典:厚生労働省「新卒応援ハローワーク」/厚生労働省「わかものハローワーク」/厚生労働省「地域若者サポートステーション」(いずれも2026年9月29日に閲覧。サポステの179か所は令和7年度4月現在の数)
卒業3年以内なら、本命は「新卒応援」ハローワーク
この記事でいちばん持ち帰ってほしいのがここです。新卒応援ハローワークの対象は、在学中の学生だけではありません。
(厚生労働省「新卒応援ハローワーク」より引用)
卒業後おおむね3年以内。第二新卒という言葉が指す範囲と、ほぼそのまま重なります。22歳で大学を出た人なら25歳ごろまで、大学院を出た人ならその分うしろにずれます。
にもかかわらず、多くの人が使っていません。理由は単純で、名前に「新卒」と付いているからです。もう新卒ではない自分が行く場所だとは思わない。窓口の側はとっくに対象に入れているのに、当事者が気づいていません。
費用は無料、拠点は各都道府県に1か所以上。しかも担当者が「新卒者等の就職支援を専門にしている」人です。第二新卒の事情を毎日聞いている相手に相談できるという意味で、条件が噛み合っています。
出典:厚生労働省「新卒応援ハローワーク」(2026年9月29日に閲覧)
担当者が最後まで同じ人につく
民間のエージェントと比べたときの違いがここです。新卒応援ハローワークには就職支援ナビゲーターという担当者がいて、担当者制で相談に応じます。公式の説明では、キャリアコンサルティングの有資格者や企業の人事労務管理の経験者などが担当するとされています。
さらに、就職活動中の心理的な悩みや不安については、臨床心理士等の心理の専門家に相談することもできると書かれています。前の会社で消耗して辞めた人にとって、これは求人を紹介されることより大きい場合があります。
- 応募書類の作成支援
エントリーシートと履歴書。ナビゲーターが採用側の立場からアドバイスし、志望動機を一緒に考えるとされています。
- 面接対策
受け答えの練習に加えて、入退室などの面接マナーや面接全般の相談ができます。
- 全国の求人の検索・閲覧
求人情報は毎日更新。地元だけでなく全国の求人を見られるので、UIJターンの相談にも対応しています。
- 企業説明会・面接会
大規模なものからミニ説明会まで開催されていて、人事担当者から直接話を聞けます。
- 就職後の定着支援
「決まったら終わり」ではありません。就職後の悩みも相談できます。
3年を過ぎた人、正社員を狙う人は「わかもの」へ
卒業から3年以上たっている場合、次に見るのがわかものハローワークです。線の引き方が変わって、こちらは年齢で決まります。
(厚生労働省「わかものハローワーク」より引用)
おおむね35歳未満。30代前半までなら入ります。そして初回は予約不要と公式に書かれています。転職するかどうかも決まっていない段階で、とりあえず話を聞きに行ける相手としては、いちばんハードルが低い選択肢です。
ここにしかないもの:職業訓練の相談
3つの窓口を比べたとき、わかものハローワークだけが持っているのが職業訓練(ハロートレーニング)への接続です。公式には、職業訓練に関する情報提供と、訓練受講に向けた相談を、地域のハローワークと連携して実施していると書かれています。
「いまの経験だけでは次が狙えない」と感じている第二新卒にとって、ここは大きい違いです。求人を紹介してもらう前に、持っていく武器を増やすという選択肢が机の上に乗ります。
公式が挙げている「こういう悩みの人へ」という例も、第二新卒の悩みとよく重なります。自分に向いている仕事がわからない、就職に必要なスキルや資格を持っていない、履歴書の書き方が分からない、面接に自信がない、悩みを共有する人がいない。この5つです。
わかものハローワーク・わかもの支援コーナー一覧を見る(厚生労働省)サポステは「次の会社を探すだけの人」の窓口ではない
3つめのサポステ(地域若者サポートステーション)は、拠点数がいちばん多く179か所あります。全都道府県に設置されていて、名前に「若者」と付いているので、第二新卒向けに見えます。
ただし、ここは対象の引き方が年齢でも年数でもありません。
(厚生労働省「地域若者サポートステーション」より引用)
公式が挙げている対象者の例は、「働きたいけど、どうしたらよいのかわからない」「働きたいけど、自信が持てず一歩を踏み出せない」「働きたいけど、コミュニケーションが苦手で不安」「人間関係のつまずきで退職後、ブランクが長くなってしまった」といった状態です。
サポステは就労そのものへの一歩を支える窓口です。在職中で次の会社を探している第二新卒が行くと、支援の設計と自分の状況が噛み合いません。①か②、または民間エージェントのほうが合っています。
退職後のブランクが長くなった、働くこと自体に不安がある、という状態は公式が名指しで対象に挙げています。同じ第二新卒でも、そちら側にいるなら選ぶ窓口が変わります。
なお運営の形も他の2つと違います。サポステは厚生労働省が委託した、全国の若者支援の実績やノウハウがある民間団体などが運営しています。窓口の雰囲気や得意分野に地域差が出るのは、この仕組みのためです。
サポステの所在地を特設サイトで探す民間エージェントが無料な理由は、法律に書いてある
ここまで公的な窓口を3つ見てきました。では民間の転職エージェントはどうか。いちばん多い疑問は「無料なのはなぜか。あとで請求されないか」だと思います。
答えは法律にあります。職業安定法の条文はこうです。
(職業安定法 第三十二条の三第二項・ただし書きを省略して引用)
つまり、求職者からお金を取ってはいけないと法律が決めています。エージェントの収入は採用した企業側から入ります。サービスの良心ではなく、制度としてそうなっているということです。
もう一つ。エージェントには「実績を公表する義務」がある
あまり知られていない条文がこちらです。読者がエージェントを比べるときの、いちばん実用的な武器になります。
(職業安定法 第三十二条の十六第三項)
読み下すと、こうなります。エージェントは「何人を就職させたか」だけでなく、「そのうち何人が辞めたか」も公表しなければならない。この2つの数字は、厚生労働省職業安定局の「人材サービス総合サイト」で、事業者ごとに誰でも見られます。
広告に書かれた満足度やサポート時間とは、性質がまったく違う数字です。入れた人数だけでなく、入れた先に人が残ったかどうかが出ている。第二新卒が2回目の転職を避けたいなら、ここを見ない理由がありません。
- 候補のエージェントの運営会社名を正確に控える
サービス名ではなく、運営している会社の名前です。公式サイトの会社概要か、ページ下部の運営者情報に書かれています。
- 人材サービス総合サイトで、その会社を検索する
厚生労働省職業安定局が運営しているサイトです。職業紹介事業者を社名から探せます。
- 就職者数と、そのうちの離職者数を見る
就職者数に対して離職者数がどのくらいか。数字が大きいか小さいかより、2社以上を並べて比べると差が見えます。
- 出てこない会社は、その時点で候補から外す
職業紹介には国の許可が要ります。載っていなければ、紹介ではなく求人情報の掲載だけをしている会社かもしれません。それ自体は違法ではありませんが、「紹介してもらえる」という前提が崩れます。
出典:e-Gov法令検索「職業安定法」/厚生労働省職業安定局「人材サービス総合サイト」(いずれも2026年9月29日に閲覧)
公的窓口と民間エージェントは、どちらかを選ぶものではない
ここまで4つを分けて書いてきましたが、実際には併用できます。そして併用したほうが、第二新卒の場合はたいてい有利です。理由は、求人の出どころが違うからです。
公的窓口が強いところ
- 費用が一切かからない
- 担当者が同じ人で、急かされない
- 転職するかどうか未定でも相談できる
- 職業訓練という別ルートを出せる(わかもの)
- 就職後の定着支援まで続く
公的窓口が弱いところ
- 拠点まで行く必要がある
- 非公開求人のような仕組みはない
- 年収交渉を代わりにやってはくれない
- 企業側に推薦文を出す形ではない
3つ以上あてはまる人は、公的窓口から始めたほうが向いています
- 卒業して3年たっていない
- 転職するかどうか、まだ決めきれていない
- エージェントに急かされるのが不安
- 前職を短期間で辞めた理由を、どう話せばいいか分からない
- 資格や訓練で立て直す道も考えている
→ 3つ以上なら、まず無料の窓口で「自分の状況の整理」を済ませてから、民間に登録するほうが話が早く進みます。
新卒応援ハローワークとわかものハローワーク、両方に当てはまるときはどちらへ行くか
卒業3年以内かつ35歳未満なら、どちらの対象にも入ります。その場合は新卒応援ハローワークから見てください。担当する就職支援ナビゲーターが新卒者等の就職支援を専門にしているためで、卒業から日が浅い人の事情がそのまま通じます。合わないと感じたらわかものハローワークに移ればよく、どちらも無料なので試す費用はかかりません。
最後に、行く前にやっておくと相談が早く終わること
どの窓口を選ぶにしても、初回の相談は「いまの状況の説明」でほとんど終わります。ここを先に自分で整理しておくと、1回目から求人と条件の話に入れます。
- 卒業年月を確認する
①の対象かどうかがこれで決まります。年齢ではありません。手元の卒業証書か、前職の入社年から逆算してください。
- 前職を辞めた(辞めたい)理由を、待遇と仕事内容に分ける
「人間関係」でまとめず、どちらの話かを分けます。窓口が出せる打ち手が変わります。
- 譲れない条件を3つだけ決める
全部言うと絞れません。勤務地・年収の下限・働き方のうち、外せないものを3つに削ります。
- その3つで現実的な選択肢が何かを見ておく
条件を入れた状態で当たりを付けてから行くと、相談が確認作業になります。下の診断が使えます。
