筆者は元アパレル販売員で、いまはブランド古着の買取業を営んでいます。統計の数字は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」で確認したものです。年齢・勤続年数以外の条件はそろえていない平均どうしの比較です。
男性がアパレルで詰まるのは店頭に居続けたときです。同じ業界でも、店を離れると金額が変わります。
産業(織物・衣服・身の回り品小売業)で切った男性の年収換算は639.6万円。ところが職種(販売店員)で切ると459.3万円です。同じ業界の中に、180万円ぶんの段差があります。
その段差を見る同じ業界なのに、切り方で180万円変わる
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。産業は中分類別(I57 織物・衣服・身の回り品小売業・男・一般労働者・企業規模計10人以上)、職種は小分類別(販売店員・男・一般労働者・企業規模計10人以上/産業計)。年収換算は月額×12+年間賞与その他特別給与額。
産業のほうには、本部やEC担当なども含まれます。対象の男性は全国で3万6,460人・平均40.3歳・勤続12.4年です。
つまり「アパレルは給料が安い」のではなく、「店頭に居続けると安い」というのが、数字から読み取れることです。
男性の販売員が、30代で行き詰まりやすい理由
アパレルの店頭は、役職の段が少ないのが特徴です。販売員 → サブ → 店長。そこから先が急に細くなります。
| 位置 | 次の段 | 詰まりやすさ |
|---|---|---|
| 販売員 | サブチーフ | 通る |
| サブチーフ | 店長 | 通る |
| 店長 | エリアマネージャー・本部 | 急に狭くなる |
店頭にいたころ、上が詰まっているのは見れば分かりました。店長の上は1人しかいない。問題は「上がれないこと」ではなく、上がっても金額が思ったほど動かないことでした。店舗手当が付くだけ、という話も普通にあります。
30代の男性が取れる道は3つ
- 業界に残って、店を離れる
本社・EC・バイヤー・MD。産業で切った639.6万円の側に移る動きです。服に関わったまま金額を動かせるのはここだけです。
- 業界を出て、売る相手を変える
その他の営業職業従事者(男)は689.0万円。販売店員との差は229.7万円で、平均年齢43.1歳と43.5歳、勤続13.2年と14.6年とほぼ同じです。
- 店頭に残ると決める
これも選択です。ただし金額の天井は上の統計のとおりだと知ったうえで決めてください。
動くなら、いつがいいか
3つ以上あてはまるなら、いま考える段階です
- 入社してから基本給がほとんど変わっていない
- 店長になっても、思ったほど金額が動かなかった
- 社販の出費が月2万円を超えている
- 5年後に自分が店頭にいる姿が想像できない
→ 勤続年数が武器として通用するうちのほうが有利です。同じ職種のまま年数を重ねても、上で見た職種間の差は縮みません。
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