※この記事は、2026年10月1日に金融庁・財務省・証券4社の公式ページを実際に開いて確認した内容だけで書いています。筆者は金融の専門家ではありません。証券外務員でもIFAでもなく、投資の助言はできません。どの商品を買うかの話もしません。
ジュニアNISAの残高はこどもNISAへ移せません。やることは3つに絞れます。
①移管をあきらめる ②持ち続けるか全額払い出すかを決める ③こどもNISAは別に申し込む。この順番です。
3つのやることを見るいまジュニアNISA口座は、どういう状態で置かれているのか
まず現状の確認です。ジュニアNISAは2023年で終わりました。
金融庁のページには、こう書かれています。
ジュニアNISAについても、つみたてNISAと一般NISAと同様に2023年で制度が終了となりました
終わったのは「新しく買う」部分です。すでに買ったものは、持ち続けられます。
2023年までにジュニアNISAで投資した商品については、非課税期間(5年)終了後、自動的に継続管理勘定に移管され、18歳になるまで非課税で保有することが可能です
この「継続管理勘定」が、いまの置き場所です。金融庁は注釈で定義まで書いています。
継続管理勘定とは、ジュニアNISA口座で保有する金融商品について、2023年末以降に非課税保有期間が終了する場合に、口座開設者本人が18歳になるまで金融商品を保有するための非課税の勘定のことです。この勘定では新規の投資を行うことができません
金額の上限もありません。値上がりした分がはみ出す心配は不要です。
楽天証券は「ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が80万円を超過している場合も、そのすべてを継続管理勘定に移すことができます」と書いています。
やること① 「こどもNISAへ移す」は、先にあきらめる
いちばん多い期待から潰します。ジュニアNISAの中身を、こどもNISAへ引っ越すことはできません。
公式の書き方は会社によって違いますが、結論は同じです。3社ぶん並べます。
| 会社 | 公式ページの書き方 |
|---|---|
| 大和証券 | 旧NISA口座で保有している商品は、現行のNISA(こどもNISAを含む)に移管(ロールオーバー)することはできません |
| 松井証券 | ジュニアNISA口座の株式等は、(成人の)NISA口座およびこどもNISA口座への移管はできません |
| 楽天証券 | ジュニアNISA口座の残高をこどもNISA口座にそのまま移すことはできません |
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「あとで移せるかもしれない」と待つ理由はありません。移管は選択肢から消して、次の判断に進んでください。
ただし、持ち続けることが不利になるわけでもありません。大和証券は枠の扱いをこう書いています。
旧NISA口座で保有している商品は、各制度に定められた非課税保有期間が終了するまで非課税で保有を継続することができ、現行のNISAの非課税保有限度額(総枠)とは別枠として管理されます
別枠です。ジュニアNISAに100万円あっても、こどもNISAの600万円が500万円に減ることはありません。
やること② 持ち続けるか、全額払い出すかを決める
ここが唯一、親が決めることです。2024年から制限が外れました。
2024年以降は、ジュニアNISA口座で保有している株式や投資信託等および金銭の全額について、年齢や事由に関係なく、非課税での払い出しが可能です
便利になった反面、条件が1つ付いています。
一部のみを払い出すことはできず、ジュニアNISA口座で保有する全ての金融商品を払い出したうえで、当該ジュニアNISA口座は廃止されます
つまり「半分だけ現金にする」はできません。動かすなら口座ごと終わりです。
選べるのは、実質この3つになります。
| 選択肢 | やること | 口座 | 売る必要 |
|---|---|---|---|
| そのまま持つ | 何もしない | 残る | なし |
| 課税口座へ振替える | 全残高を特定口座などへ移す | 閉鎖 | なし |
| 売って出金する | 全部売って本人名義の銀行口座へ | 閉鎖 | あり |
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真ん中の「売らずに移す」は見落とされがちです。松井証券が条件を明記しています。
ジュニアNISA口座または継続管理勘定から特定口座や一般口座へ振替えることができます。振替えにあたり遡って課税されることはありません
値下がりしている最中に売らずに済むので、覚えておく価値があります。
払い出す前に確かめること
- 出金先は子ども本人の名義か(親名義の口座には出せない)
- 特定口座へ移すなら、その会社に子どもの特定口座があるか
- 廃止の届出書を出す必要があるか(楽天証券は「非課税口座廃止届出書等のご提出が必要」)
→ 急いで使う予定がないなら、「そのまま持つ」がいちばん手間が少ない選択です。
やること③ こどもNISAは、あらためて申し込む
ジュニアNISA口座があることは、こどもNISAの申込の代わりになりません。
- 自動では開かない
楽天証券は「ジュニアNISA口座を保有していても、こどもNISA口座は自動では開設されません」。SBI証券も「あらためて口座開設のお手続きが必要です」としています。
- 会社は選び直せる
こどもNISAは1人1口座です。ジュニアNISAと同じ会社にそろえる義務はありません。
- ただし、あとから変えられない
大和証券は「こどもNISA口座についても、すべての金融機関を通じて1人1口座に限り開設することができます。なお、口座開設後の金融機関変更はできません」と書いています。
どの会社が受け付けているかは、15社を1社ずつ調べた記事にまとめてあります。
公式の説明が1点だけ分かれている。18歳のときの扱い
ここは注意して読んでください。調べていて、公式どうしが食い違っている箇所が1つ見つかりました。
18歳になったときの扱いです。従来は、大人のNISA口座が自動で開きました。
松井証券は2026年9月30日に公開したQ&Aで、これが終わると書いています。
2027年1月から開始するこどもNISA制度の開始に伴い、ジュニアNISA口座の取扱いが一部変更されます
お子様が「1/1時点で18歳になる年の前年12/31」にジュニアNISA口座を開設されていた場合は、(成人の)NISA口座が開設されますが、2027/1/1の移行をもって終了となります。それ以降に上記の基準に該当してもNISA口座は自動的に開設されないため、利用をご希望の場合は別途NISA口座の開設申込が必要となります
生年月日で線が引かれています。松井証券が載せている表がこれです。
| 子どもの生年月日 | 大人のNISA口座が自動で開くか |
|---|---|
| 2009年1月2日以前 | 2027年1月1日に自動開設される |
| 2009年1月3日以降 | 自動開設されない(希望するなら別に申込) |
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そして制度側はどうかというと、確認できませんでした。
財務省の大綱の「金融・証券税制」の項目を全部読みましたが、自動開設をやめるという記述は見つかりません。この項目の最後は「その他所要の措置を講ずる」で終わっています。
自分の子が2009年1月3日以降生まれなら、口座のある会社に直接聞いてください。各社の案内が追いついていない時期だと考えるのが安全です。
口座をどこで作ったか忘れた人がやること
10年近く放置していると、これが起こります。金融庁のよくある質問に答えがあります。
税務署にご相談頂くことにより確認できるほか、一定の要件を満たす方はe-Taxのマイページでも確認できます
e-Taxのほうは条件が2つあります。利用者識別番号を持っていること。そして過去にマイナンバーを書いた申告書を税務署へ出したことがあること。
確認できなかったこと
推測で埋めずに、そのまま書きます。
- ジュニアNISAの年間80万円は、制度側の現行ページでは確認できない
金融庁の現在のページから記載が消えています。証券会社の公式ページには残っていて、松井証券は「非課税投資枠は年間80万円です」、三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)も「年間80万円分の非課税投資枠」と書いています。
- 18歳での自動開設が終わるという説明は、1社でしか見つからなかった
松井証券のQ&Aだけです。他の3社のページには同じ記述がありませんでした。
- 課税口座へ移したときの取得価額も、制度側の原文は確認していない
「払出日の時価」は松井証券の記載です。大和証券も現行NISAについて「移管日の時価」と書いていますが、継続管理勘定の終わり方を定めた条文そのものは開いていません。
よくある質問
ジュニアNISAを持っていると、こどもNISAは作れませんか?
ジュニアNISAの残高は、こどもNISAの600万円から引かれますか?
半分だけ売って、残りは運用を続けられますか?
払い出すと、これまでの利益に税金がかかりますか?
ジュニアNISAの中で、新しく買い増せますか?
まとめ
ジュニアNISA口座を持っている人の作業は、整理すると短いです。
移管はできないので考えない。使う予定がなければ、そのまま持つのがいちばん楽です。こどもNISAは別の申込として扱います。
そして1つだけ、自分で確かめてほしいことがあります。子どもが2009年1月3日以降生まれなら、18歳のときに大人のNISA口座が自動で開くのか。公式の説明が分かれているので、口座のある会社に聞くのが確実です。
なお「こどもNISA」は各社が使っている通称で、税法上の名称は「未成年者特定累積投資勘定」です。
出典(いずれも2026年10月1日に公式ページで確認):金融庁「2023年までのNISA」/金融庁「よくある質問」/財務省「令和8年度税制改正の大綱」/大和証券「こどもNISA」/松井証券「こどもNISAが始まったら、ジュニアNISAはどうなりますか。」/松井証券「ジュニアNISA 取引ルール」/楽天証券「ジュニアNISAに残高があるお客様」/三菱UFJ eスマート証券「2024年以降のジュニアNISAについて」/国税庁 e-Tax「マイページ(個人)の各メニューについて」
