※この記事で扱う花王の採用情報は、すべて花王株式会社の公式採用サイトを実際に開いて確認したものです。筆者は花王および紹介する転職サービスの運営に関わっていません。筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、現在は古物商として買取業を営んでいます。
花王の新卒採用は「卒業見込みの方」だけが対象です。既卒になった時点で、新卒枠にはもう戻れません。
第二新卒で花王を狙うなら、入口はキャリア採用のひとつだけ。そしてそのキャリア採用について、花王は「即戦力となりうるスペシャリティを持つ人財を募集する」と公式に書いています。ただし、実際にキャリア入社した人の26%は20代です。
20代がどれだけ入っているかを先に見るまず確かめる。花王の新卒枠に、既卒は入れるのか
「第二新卒」で大手を受けるとき、いちばん最初に確かめるべきなのは、その会社が新卒枠に既卒を入れているかどうかです。ここが空いているかどうかで、勝負の場所がまるごと変わります。
花王の新卒採用ページには、エントリー先が年度ごとに並んでいます。そして各年度の中に置かれている入口は、次の2つだけです。
出典:花王株式会社 採用情報「新卒採用」(記事作成時点でページに掲載されている内容)
どちらも「見込みの方」です。つまり、まだ学校に在籍していて、これから卒業する人が対象になっています。すでに卒業して働いている人が入れる入口は、新卒採用のページに用意されていません。
就活のときに落ちた選考を、社会人になってからもう一度受け直す——という戦い方は取れません。受ける場所そのものが変わります。次章からは、キャリア採用(中途)の話だけをします。
では、キャリア採用に20代は入れているのか
ここが本題です。中途しか入口がないと分かると、多くの人は「経験3年もない自分には無理だ」と考えて手を止めます。ところが花王は、キャリア入社した人が何歳で入ったかという内訳を自分で公表しています。

出典:花王株式会社 採用情報「花王のキャリア採用データ」/2021〜2023年入社者・花王就業1年以上(2024年調べ)。満足度と定着率は任意回答を含む。
20代が26%、30代前半が26%。合わせて半数を超えます。花王のキャリア採用は、ベテランだけを集めている採用ではないということが、花王自身の数字から読み取れます。
もうひとつ、花王はキャリア入社者が転職活動を始めた理由も出しています。ここを見ると、どんな動機の人が実際に入っているかが分かります。
| 順位 | 転職活動を始めた理由 | 回答者の割合 |
|---|---|---|
| 1位 | やりがいのある仕事がしたかった | 40% |
| 2位 | 自身の専門性を高めたかった | 33% |
| 3位 | 働き方を見直したかった | 28% |
| 4位 | 年収をアップさせたかった | 20% |
| 5位 | 職場環境の良い企業で働きたかった | 15% |
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出典:同上「前職在籍時に転職活動を始めた理由(上位/重複回答あり)」/2021〜2023年入社者・花王就業1年以上・任意回答(2024年調べ)
年収は4位で20%。上位に来ているのは「やりがい」と「専門性」です。面接で話す動機を組み立てるとき、実際に入った人たちが何を語ったのかを知っておく意味は小さくありません。
ただし、公式が使っている言葉は「即戦力」
ここは正直に書きます。花王のよくある質問には、キャリア採用についてこう書かれています。
出典:花王株式会社 採用情報「よくある質問」(採用について)
「実施することもございます」という書き方も含めて、常時大量に採る枠ではないことが読み取れます。そして求められているのはスペシャリティ、つまり職種として名前が付く専門性です。配属についても「各募集職種の求人票に記載の配属先で就業」と決まっていて、入ってから探す形ではありません。
第二新卒がここで詰まるのは、経験年数が足りないからというより、自分の経験に職種名を付けられていないからです。ここは元アパレル販売員として、身に覚えがあります。
店頭に立っていたころ、自分の仕事に名前が付くとは思っていませんでした。毎朝の在庫チェックも、常連さんへの入荷連絡も、ただの日課だと思っていた。買取の仕事に移ってから、あれは「在庫管理」と「顧客維持」だったと気づきました。即戦力かどうかを決めているのは経験年数ではなく、自分の仕事を求人票と同じ言葉で言い直せるかどうかです。
- 求人票の職種名から逆に引く
「自分は何ができるか」から考えると手が止まります。花王が出している職種の名前を先に見て、そのうちどれに自分の日常業務が当てはまるかを探すほうが早く進みます。名前が付いた瞬間に、経験1年でも書ける材料になります。
- 職種を変えずに会社だけ変える案を残しておく
即戦力を求められる採用では、職種と業界の両方を同時に変えるのがいちばん重い。今の職種のまま大手へ移り、社内で異動を狙うほうが通る確率は上がります。花王は上長との面談でキャリアプランを申告できる仕組みがあると公式に書いています。
- グループ会社も同じ土俵に入れる
花王は「グループ会社のキャリア採用情報は各社のホームページにて確認を」とし、グループ会社との併願も可能だとしています。本体だけを見て枠が無いと判断するのは早すぎます。
応募ルートは、公式には2つしかない
花王のキャリア採用ページには、応募方法が2通りだと明記されています。どちらを選ぶかで、動き方が変わります。
| ①キャリア登録 | ②人材紹介会社を通じて | |
|---|---|---|
| やること | 花王のサイトに経験・スキルを登録する | 転職エージェント等に登録し、紹介を受ける |
| 次に起きること | 登録内容にマッチする職種の募集があった場合に、採用担当者等から連絡が来る | 紹介会社が扱っている花王の求人を案内される |
| 注意点 | 連絡が来るかどうかは募集次第。自分から選考を進められるわけではない | 取り扱う花王の求人職種は紹介会社ごとに異なる |
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出典:花王株式会社 採用情報「応募方法・選考プロセス(一般の方向け)」
大事なのは①の性質です。キャリア登録は登録して待つ形で、応募ボタンを押せば選考が始まるものではありません。だから「登録したのに何も起きない」は失敗ではなく、そういう作りです。
①キャリア登録を先にやるべき人
- 今すぐ辞める気はなく、いい募集が出たら動きたい
- 職種がはっきり決まっている
- 連絡が来るまで今の仕事を続けられる
②紹介会社も併せて使うべき人
- いつ動くかの期限が決まっている
- 職務経歴書に何を書けばいいか分からない
- 花王以外の同業大手も一緒に見たい
選考の流れと、実際にかかる時間
在職中に動くなら、期間の見積もりが要ります。花王は各段階の目安をページに書いています。
- 応募
キャリア登録、または人材紹介会社経由。登録内容や履歴書・職務経歴書が次の選考の材料になります。
- 書類選考(2週間前後)
キャリア登録の内容、あるいは履歴書・職務経歴書から選考されます。
- 面接(1ヶ月前後)
個別面接。回数は1〜3回で、対面とオンラインのどちらもあり得ます。回数も形式も募集職種によって異なります。面接期間中に適性検査を受けます。
- 内定
予定回数の面接をすべて合格すると入社条件が提示され、同意すると内定です。
- 入社(内定日から約2か月後)
入社日は内定日のおよそ2か月後。日程の相談は受け付けているとされています。
出典:同上「応募方法・選考プロセス」。各期間は花王が「2週間前後」「1ヶ月前後」「約2か月後」と記載している目安です。
入ったあとの条件は、どう書かれているか
受けるかどうかを決める材料として、待遇も見ておきます。花王は正規社員の求人の場合の条件を公開しています。
出典:花王株式会社 採用情報「待遇・勤務条件(正規社員の求人の場合)」/年間休日は2024年実績。フレキシブルタイムは7時〜20時、休憩60分/日、所定時間外労働あり。
第二新卒にとって効くのは試用期間がないという一点だと思います。短期間で辞めた経歴があると、次の会社の試用期間中が精神的にいちばん重い。そこが最初から無い設計です。
いま動いていい人、1年待ったほうがいい人
ここまでの公式情報をもとに、自分がどちらかを判定してください。当てはまる数を数えます。
3つ以上あてはまるなら、いま登録して構いません
- 今の仕事に、求人票に載っているような職種名が付いている
- その職種で、任されている範囲を人に説明できる
- 在職中である(辞めてから探そうとしていない)
- 花王でなくても、同じ職種で大手を受けるつもりがある
- すぐ辞める気はなく、いい募集が出たときだけ動きたい
- グループ会社の求人も見る気がある
→ キャリア登録は「待つ」仕組みなので、早く登録するほど声がかかる機会は増えます。損はしません。
足りないのは在籍年数ではなく、求人票と同じ言葉で自分の仕事を説明できるかどうかです。今の会社であと1年、名前の付く仕事を取りに行ってから受けるほうが通ります。並行して、他社の求人票を読んで言葉を覚えておいてください。
受ける前に、企業側の中身を集めておく
花王が公開しているのは、ここまでに引いた採用ページの情報までです。実際に働いている人がどう感じているか、面接で何を聞かれたかは、当然ながら会社の採用ページには載りません。応募ルートに「人材紹介会社」が公式に入っている以上、そこも含めて情報を取りに行くほうが自然です。
ワンキャリア転職
企業ごとの年収・社員のクチコミ・選考体験談・転職体験談をまとめて見られる転職サイトです。「その企業へのキャリア」「その企業からのキャリア」という形で、入った人と出た人の経路が載っているのが特徴。面接で実際に聞かれた質問が職種別に投稿されているので、キャリア採用の面接(1〜3回・適性検査あり)に備えるときの下調べに向いています。会員登録は無料です。
企業の年収とクチコミを無料で見る 運営:株式会社ワンキャリア/新規会員登録は無料この記事の情報の出どころを確認する
花王に関する記載は、すべて花王株式会社の公式採用サイト(www.kao-recruit.jp)を直接開いて確認したものです。使ったページは、新卒採用(/fresh/)、キャリア採用データ(/career/data.html)、応募方法・選考プロセス(/career/process.html)、待遇・勤務条件(/career/treatment.html)、よくある質問(/about/faq.html)の5つです。
キャリア入社時年齢・転職理由・満足度は2021〜2023年入社で花王就業1年以上の方が対象、2024年調べ。満足度と転職理由は任意回答で、転職理由は重複回答ありです。定着率は2021〜2022年入社者が対象です。年間休日は2024年実績です。
年収の金額、第二新卒枠の有無、既卒何年まで応募できるかという明文規定は、公式ページに記載が見当たらなかったため、この記事では扱っていません。推測での補完はしていません。
紹介している転職サービスの説明は、公式サイトに書かれている内容だけを使っています。公式に記載のない求人数・成功率・利用者数は扱っていません。
