不動産

住宅を買う”タイミング”|今は買っても大丈夫か!?【住宅の買い時】

家は人生で一度あるかどうかの大きな買い物です。では、その一度のタイミングとはいつが良いと思いますか?

「そろそろマイホームが欲しい」と考え始めても、経済の動きや社会情勢などの影響で今後住宅の価格はどうなるんだろう?と不安に思う方も少なくないでしょう。

男性
男性
僕もマイホーム購入を考え始めたんだけど、オリンピックやコロナの影響が不安だなぁ。
宅地建物取引士 北口裕樹
宅地建物取引士 北口裕樹
人生で一番大きな買い物なだけに損をしたくないと思うのも無理はないでしょう。
男性
男性
家は高額だし少しでもお得に買える時期はないかな、って考えちゃうんだよね。みんなはどんなタイミングで買っているんだろう?
宅地建物取引士 北口裕樹
宅地建物取引士 北口裕樹
住宅購入のタイミングについて統計や社会情勢など様々な視点から確認していきましょう。

今回の記事では、みんなはどのタイミングで住宅購入しているのか、現状の経済的な買いやすさなど住宅の買い時について解説します。近い将来住宅購入を考えている方は、購入時期の見極めにぜひ参考にしてください。

みんなが家を買うタイミングはいつ?【統計から考える】

初めて住宅を取得した年齢

物件種別ごとに、「初めて住宅を取得した年齢」を比較しました。

最も多い年代
(全体に占める割合)
2番目に多い年代
(全体に占める割合)
平均年齢
注文住宅(戸建)30歳代(48.4%)40歳代(25.0%)39.1歳
分譲一戸建て30歳代(51.3%)40歳代(22.5%)36.8歳
分譲マンション30歳代(51.7%)40歳代(26.5%)39.4歳
中古一戸建て30歳代(38.1%)40歳代(33.9%)42.8歳
中古マンション40歳代(31.3%)30歳代(30.3%)44.8歳
初めて住宅を取得した年齢 国土交通省:令和元年度住宅市場動向調査より作成

住宅を購入する年代は、中古マンションを除き30歳代が最も多く、次いで40歳代が多い結果となりました。
また、住宅購入の平均年齢は、30歳代後半から40歳代前半といえます。

平均年齢に注目すると、マンションよりも一戸建てを購入した方中古よりも新築を購入した方の年齢が若い傾向があります。これは「マンションの方が幅広い年代から購入されている」、「年齢が若いほど物件が長持ちする新築を選んでいる」と考えることができそうです。

また、新築一戸建て・新築マンションを購入している人の半分以上が30歳代であることも確認できます。

住宅取得時の世帯年収

世帯年収とは、ひとつの世帯で収入がある人全員の年収合計です。ここでいう年収は、税金や社会保険料を引いたあとのいわゆる「手取り年収」ではなく、額面上の年収です。

最も多い世帯年収
(全体に占める割合)
2番目に世帯年収
(全体に占める割合)
平均世帯年収
注文住宅(戸建)400万〜599万(30.9%)600万〜799万(27.2%)731万円
分譲一戸建て400万〜599万(34.3%)600万〜799万(22.1%)641万円
分譲マンション600万〜799万(26.1%)400万〜599万(20.4%)752万円
中古一戸建て400万〜599万(31.2%)600万〜799万(21.7%)628万円
中古マンション400万〜599万(24.8%)600万〜799万(20.7%)656万円
住宅取得時の世帯年収 国土交通省:令和元年度住宅市場動向調査より作成

どの物件種別でも、平均世帯年収は600万~799万円という結果でした。
しかし、分譲マンションを除く全ての物件種別で、購入者の最も多い世帯年収ボリュームは平均世帯年収を下回っております。高年収の人たちが平均年収を引き上げている一方で、これから年収が上がっていく若い世帯が物件取得のボリュームになっていると言えるでしょう。

2021年は客観的(社会的)に買い時と言える?

マイホーム購入のきっかけは人それぞれありますが、「家が欲しい!」と思ったタイミングがちょうど買いやすい市場・社会情勢だと嬉しいですよね。

男性
男性
確かに。自分が家を買おうと思ったタイミングが買い時だったら、大きい買い物を決断する後押しになりそう。
宅地建物取引士 北口裕樹
宅地建物取引士 北口裕樹
今は買い時と言えるのかどうかを客観的(社会的)な視点で確認してみましょう。

今は「買い時」と言えるのか、客観的(社会的)な観点で「不動産価格相場」「住宅ローン金利」「税制優遇等」の3つのポイントに注目して解説します。

不動産価格相場

国土交通省が発表している「不動産価格指標」を見ると、2020年時点で住宅の不動産価格は61カ月連続して上昇しています。

特に価格が上昇している物件種別は「マンション」であり、「一戸建て」の価格相場は安定しています。マンション価格の上昇は、生活・交通利便を求めた都心需要が高まる一方で利便性の高い好立地の供給は減っていることや、建築費の高騰などが要因と考えられます。

不動産価格が上昇するか下落するかに関わらず、購入するまで家賃はかかり続けます。一般的には、賃貸で住み続けるよりも、同じ条件・規模の物件であれば購入した方が月々の支払額を抑えられるケースがほとんどで、固定資産としても残せます。

今後も上昇を続ける可能性高騰がひと段落し下落する可能性、どちらも考えられますが、基本的には、現在の家賃よりも購入後の支払いの方が安く抑えられそうなら購入を検討して良いと思います。

住宅ローン金利

住宅ローン金利は、バブル崩壊以降、低下局面が続いています。長期にわたって、変動金利・固定金利どちらも低い水準で推移しており、購入しやすい経済情勢と言えそうです。

今の政策や経済の動きからは急激に金利が上昇することは考えにくいため、しばらくは金利が低い傾向が続くでしょう。不安な方は、全期間固定が特徴の【フラット35】を選択して将来の金利上昇リスクを避けるのも手です。

税制優遇等

住宅取得を支援する様々な制度が用意されており、お得に購入しやすい状況と言えます。

「住宅ローン控除(減税)制度」を利用すれば、年末残高の1%が10年間に渡り所得税から控除されます。現状の変動金利は0.5%以下で借りられる水準のため、支払う利息よりも控除額の方が大きくかなりお得な制度と言えるでしょう。

そのほかにも、現金給付がある「すまい給付金」制度や「住宅取得資金のための贈与税の非課税措置」など、多くの制度が利用できるため、住宅取得時の負担を軽減しやすいでしょう。

主観的(個人的)な買い時は?

「現在の年齢」「健康状態」「心の買い時」の3つが揃った時が、住宅の買い時と考えます。それぞれについて解説しましょう。

現在の年齢

年齢は、住宅ローンの完済時年齢や返済期間に関係します。
住宅ローンを組んで住宅購入する場合は、月々の返済額負担を最大限抑えるために「35年」で組むことが一般的です。

30歳で住宅ローンを利用した場合、完済時年齢は65歳です。30歳で購入したとしても定年退職する頃にやっと住宅ローンが完済できるのです。
40歳で住宅ローンを利用するのであれば完済は75歳となり、定年退職後10年間は、その時点での蓄えや年金から返済をすることります。

また、35年の返済期間で住宅ローンを組むためには、45歳までに購入する必要があります。これは、多くの金融機関で完済時年齢を79〜80歳未満と設定されていることが理由です。

45歳を超えてから住宅ローンを組むと、返済期間が1年ずつ縮み、その分月々の返済額が増えていきます。
仮に4000万円・金利1%の住宅ローンを返済期間30年35年で比べた場合、月々の返済額は約1万円の差が生まれます。
もし、お子様がいるなら、ちょうど教育費が多くかかる時期と重なり家計を圧迫することも考えられるでしょう。

これらのことから、現在の年齢と住宅の取得時期は意識しておくべきと言えます。

健康状態

健康状態は、年齢同様に住宅ローンの利用に関わってきます。

住宅ローンを利用するには、自身の健康状態が良好であることが必須です。これは、団体信用生命保険(団信)の加入が義務付けられているからです。【フラット35】であれば、団信加入が任意ですが万が一の不幸があった場合に保障は受けられません。

団信は保険商品としても優秀なため、なるべくなら健康なうちに住宅ローンを組み、団信に加入することが望ましいと言えるでしょう。

当然、年齢を重ねるほど健康へのリスクは高まるものです。年齢同様、若く健康なうちの住宅購入は、買い時を考える上で重要なポイントと言えます。

心の買い時

買い時を決める一番の要因は、心の買い時ではないでしょうか。

旅行に行きたいと思った時に旅行するのが一番楽しめますし、食事にしても食べたいと思った時が一番美味しいものです。住宅購入についても、同じことが言えると思います。

「家が欲しい!」と思ったそのきっかけは、「結婚」「出産」「進学」など、それぞれのライフイベント次第で様々だと思いますが、共通して言えるのは「理想の住まいを実現して幸せになる」ことではないでしょうか。

先述の通り、「家賃よりも支払いを抑えられる可能性があり、低金利で、税制面の優遇も豊富」だったとしても、現状の住まいに不満が無ければ「住みたいと思わない町の物件を、高額な借金を背負ってまで購入する」という発想は生まれないでしょう。

あくまでも住宅を購入したいというきっかけがあり、そのきっかけを叶える(解決する)希望条件が揃った物件に出会えたその時が、最も満足度の高い「買い時」と言えるのではないでしょうか。

住宅の買い時|まとめ

住宅の買い時について、統計・客観的・主観的の三つの視点から観察してみました。

  • 統計から考える
    • 住宅取得時の平均年齢:30歳代後半から40歳代
    • 住宅取得時の平均世帯年収:600万~799万円
  • 客観的(社会的)な買い時
    • 不動産価格相場:△【不動産価格は上昇基調、月々の住居費との比較を】
    • 住宅ローン金利:○【変動金利・固定金利ともに最低水準】
    • 税制優遇等:○【住宅取得費用の負担を軽減する制度が豊富】
  • 主観的(個人的)な買い時
    • 現在の年齢:住宅ローンの完済時年齢や返済期間を意識する
    • 健康状態:団信が影響するため、健康リスクが低い若いうちに
    • 心の買い時:家が欲しいと思ったきっかけやライフイベントなどに応じて

そもそも「買い時」という言葉が多く登場するのは、投資などの金銭的損得の判断が必要な場面ではないでしょうか。
例えば、株式投資の場面では、売却を前提に今後値上がりが期待できる銘柄が底値となったタイミングが「買い時」と言えるでしょう。そして、その買い時を判断するのは儲けることが目的です。

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一方、住宅を購入する目的は儲けることではなく、理想の住まいを手に入れるためです。
「結婚」や「出産」などのライフイベントをきっかけに、「広いリビングが欲しい」「庭が欲しい」「通勤を便利にしたい」など様々な理想を叶える家に住むことが目的なのです。

また、「不動産価格が下落するかも」と二の足を踏んで買い控えることは、年齢・健康状態の面でデメリットに繋がりかねません。

今は、低金利や税制優遇など購入しやすい経済状況ではありますので、理想的な立地・条件で納得のいく物件に出会えた時は「買い時」と判断して良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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この記事の監修

北口裕樹
<宅地建物取引士 管理業務主任者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士>

大手不動産会社に新卒で入社。不動産営業を経験し、入社2年目から販売事務所長として近畿圏のマンション販売業務を担当する。現在は不動産仲介業・アドバイザーとして独立。
25歳でタワーマンションを購入し不動産投資家としても活動中。

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