第二新卒が1ヶ月で辞めると失業手当は出ない|例外は「前職がある人」だけ

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1ヶ月で辞めると失業手当は出ない

※この記事の日数と金額は、e-Gov法令検索で民法・労働基準法・雇用保険法の条文を、ハローワークインターネットサービスで基本手当の受給要件と所定給付日数を、筆者が実際に開いて読み取ったものです。転職サイトのまとめや他人のブログは使っていません。筆者は新卒で入ったアパレル会社を8ヶ月で辞めた元販売員で、その後は買取査定員を経て、いまはブランド古着買取「オーラリアン」とG-SHOCK買取「ShockMania」を運営する古物商です。社会保険労務士ではないため、条文とハローワークの公式ページで確認できるところまでを書き、個別の判断が要る部分は「ハローワークで確認してください」と明記します。情報の時点は2026年9月です。

CONCLUSION

入社1ヶ月で辞めること自体は2週間で成立します。詰まるのは辞め方ではなく、そのあとのお金です。

民法は「申し入れから2週間で雇用は終わる」と決めています。辞めるのは止められません。ところが失業手当のほうは離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月を求めるので、勤続1ヶ月では届きません。会社都合に振られても6ヶ月です。つまり「辞めてから落ち着いて探す」という選択肢が、制度の側で先に消えている。ただし前職がある人だけは話が変わります。

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1ヶ月で辞められるかどうかは、もう決着がついています

「入社1ヶ月で辞めたい」と検索する人がいちばん先に知りたいのは、たぶん辞められるかどうかではありません。辞めたあと何が起きるかです。辞められるか自体は、条文を読めば一行で終わります。

民法627条1項には、こう書いてあります。

補足:「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」(民法627条1項・e-Gov法令検索で条文を確認)

期間の定めのない雇用、つまり正社員なら、申し入れた日から2週間で雇用は終わります。就業規則に「退職は1ヶ月前までに申し出ること」と書いてあっても、この2週間のほうが先に効きます。試用期間中でも同じです。試用期間は「辞めにくい期間」ではありません。

ここまでは、誰にでも同じ答えが出ます。分かれるのはこの先です。

入社1ヶ月の時点で、効く制度と効かない制度

勤続1ヶ月という長さは、いくつかの制度の線をまたいでいて、いくつかの線には届いていません。まず全体を1枚にしました。

入社1ヶ月の時点で効く制度と効かない制度を並べた表。退職の申し入れは2週間で可能、年次有給休暇は6ヶ月必要、失業手当は被保険者期間12ヶ月が必要で1ヶ月では足りない
e-Gov法令検索の条文とハローワークインターネットサービスの記載から作成(2026年9月27日に確認)

表にすると、1ヶ月で辞める人が本当に困るのは4行目だけだと分かります。順に見ます。

有給休暇は、まだ1日も持っていません

「残っている有給を使ってから辞めよう」は、1ヶ月では成立しません。労働基準法39条1項が定めているのは「雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に、10労働日の有給休暇を与えなければならない」です。6ヶ月に届いていない以上、法律上の年次有給休暇はまだ発生していません。

会社が独自に前倒しで付けていることはあるので、そこは自社の就業規則を見てください。ただし「法律で当然もらえるもの」ではない、という前提で見ることになります。

逆に、会社のほうは14日を境に手続きが増えます

辞める話とは反対向きですが、知っておくと落ち着きます。労働基準法20条は、解雇するなら30日前の予告か30日分以上の平均賃金を求めています。21条4号はその例外として「試の使用期間中の者」を挙げていますが、ただし書きにこうあります。「第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない」。

つまり試用期間中でも、働き始めて14日を超えたら、会社は予告なしに明日で終わりにすることはできません。1ヶ月いる時点で、あなたはこの線の内側にいます。「試用期間だから何をされても仕方ない」ではありません。

○
VERDICT 辞めること自体は、制度の側から止められていません

申し入れから2週間で終わります。試用期間中でも、就業規則に1ヶ月前と書いてあっても同じです。迷う理由をここに置く必要はありません。

問題はここです。失業手当は、1ヶ月では出ません

ハローワークインターネットサービスの「基本手当について」に、受給要件が2つ並んでいます。ひとつは「失業の状態にあること」。もうひとつがこれです。

離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」より)

倒産や解雇で辞めざるを得なかった人(特定受給資格者)でも6ヶ月が要ります。自己都合なら12ヶ月です。1ヶ月ではどちらにも届きません。

しかも被保険者期間の数え方は、在籍した月数そのままではありません。同じページの注記に、離職日から1ヶ月ごとに区切って賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上(または時間数が80時間以上)ある月を1ヶ月と数える、とあります。入社日と退職日の切り方によっては、1ヶ月在籍しても1ヶ月ぶんに満たないことがあります。

注意:「3ヶ月我慢すれば手当が出る」という話をときどき見かけますが、公式ページにそういう区切りはありません。自己都合は12ヶ月、会社都合でも6ヶ月です。3ヶ月まで粘っても、手当という意味では何も変わりません。

仮に条件を満たしても、すぐには振り込まれません

雇用保険法21条は、求職の申込みをした日以後、失業している日が通算7日に満たない間は支給しないと定めています(待期)。さらに33条1項が、自己都合で辞めた場合は「第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間」は支給しないとしています。

実際に何ヶ月になるかはハローワークが決めるので、条文から言えるのはここまでです。最新の運用は、手続きに行くときに窓口で確認してください。

同じ1ヶ月退職でも、前職があるかで結果が入れ替わります

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。「1ヶ月で辞めると手当は出ない」は、正しいけれど半分でしかありません。

受給要件の文をもう一度読むと、「通算して12か月以上」と書いてあります。通算です。ひとつの会社で12ヶ月ではありません。雇用保険の被保険者期間は、会社をまたいで足せます。

第二新卒という言葉が指しているのは、もう一度就職している人です。つまり2社目を1ヶ月で辞めた人は、前の会社にいた期間を足せる可能性があります。

同じ1ヶ月退職でも前職があるかで結果が変わる比較表。2社目なら前職ぶんの被保険者期間を通算でき失業手当を受け取れることがあるが、新卒1社目では受け取れない
雇用保険法13条1項・14条の条文と、ハローワークインターネットサービスの所定給付日数の表から作成(2026年9月27日に確認)

金額の根拠を書いておきます。ハローワークの「基本手当の所定給付日数」の表で、倒産・解雇でもなく就職困難者でもない人(自己都合)は、被保険者であった期間が1年以上5年未満なら全年齢で90日です。基本手当日額の上限は30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円(令和8年8月1日現在)。90日ぶんの上限に張り付けば670,500円になります。

補足:この670,500円は「上限に届いた場合の最大」です。基本手当日額は離職前6ヶ月の賃金から計算した賃金日額の、およそ50〜80%です。賃金の低い人ほど率は高くなりますが、上限額まで出る人は多くありません。額そのものより、ゼロか、そうでないかの差として読んでください。

通算できなくなる例外が、ひとつだけあります

雇用保険法14条2項1号に、通算に入れない期間が書かれています。前に基本手当の受給資格を取ったことがある場合、その受給資格に関わる離職の日以前の被保険者であった期間は、含めないという趣旨です。

前の会社を辞めたあとハローワークへ行って手続きをしている人は、そこで一度リセットされていると考えてください。実際に足せるかどうかは離職票を見ないと分からないので、ここは窓口で確認する項目です。

次のうち、当てはまるものがいくつありますか

  • いまの会社が、学校を出てから2社目以降である
  • 前の会社で雇用保険に入っていた(給与明細に雇用保険料の欄がある)
  • 前の会社を辞めてから、いまの会社に入るまでが2年以内におさまっている
  • 前の会社を辞めたあと、ハローワークで失業手当の手続きをしていない

→ 4つとも当てはまるなら、通算して受給できる可能性があります。ひとつでも欠けるなら、手当は出ない前提で資金を組んでください。

どちらに転んでも、次にやることは同じです。いま自分にどれだけの持ち駒があるかを先に数えることです。勤続1ヶ月という職歴でも、学歴・前職・資格・希望する職種の組み合わせで、出せる求人の幅はかなり変わります。

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この差は、辞め方そのものを変えます

手当が出るか出ないかは、金額の話に見えて、実際には動き方の選択肢の数の話です。

通算できる人が選べる道

  • 先に辞めて、体勢を立て直してから探す
  • 面接の日程を平日の日中に自由に組める
  • 次を妥協せずに待てる(ただし給付制限期間は無収入)

通算できない人に残る道

  • 在職中に応募し、在職中に内定を取る
  • 有給がないので、面接は業務時間外か休日に寄せる
  • 退職日は内定が出てから逆算して決める

右側は不利に見えますが、悪いことばかりではありません。在職中に動いた人は、条件が合わなければ断るという選択肢を最後まで持っています。収入が途切れていないぶん、足元を見られにくい。急いで決めなくていい立場は、貯金ではなく在職という形でも作れます。

僕が新卒で入ったアパレルを辞めたのは8ヶ月目でした。辞めてから探すつもりでしたが、ハローワークで「12ヶ月ないので出ません」と言われて計算が崩れました。結局、辞める日を先に決めていたせいで、次を選ぶ時間がほとんど残りませんでした。順番を逆にしていればよかった、といまでも思います。

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在職中に動くなら、この順番になります

1ヶ月で辞める人は、辞意を伝える順番を間違えると身動きが取れなくなります。伝えた瞬間に「2週間後」が動き出すからです。

  1. 前職の離職票を探す(前職がある人だけ)

    被保険者期間が通算できるかは、離職票に書かれた被保険者であった期間で決まります。手元にない場合は前の会社かハローワークで確認できます。ここが決まらないと、辞めてからの生活費の見通しが立ちません。

  2. いまの会社の就業規則で、退職の申し出期日を見る

    法律上は2週間ですが、会社の規定と揉めないに越したことはありません。規定が1ヶ月前なら、それに合わせられるかを先に考えます。合わせられない事情があるなら、2週間という条文がある、とだけ覚えておきます。

  3. 辞意を伝える前に、応募を始める

    順番はこれで固定です。伝えてから探すと、退職日が先に決まって選ぶ時間がなくなります。勤続1ヶ月の職歴をどう説明するかは、応募しながら固めていけば間に合います。

  4. 内定が出てから、退職日を逆算して申し入れる

    入社日から2週間以上を逆算して伝えます。ここまで来れば、就業規則が1ヶ月前でも実害が出ることはほとんどありません。

3番目の「辞意を伝える前に、応募を始める」でつまずく人がいちばん多いところです。何から出せばいいか分からないまま時間が過ぎるからです。先に条件を入れて、出せる求人の方向だけ見てから動いてください。

応募できる方向を先に見る
注意:心身の不調が出ている場合、この順番は当てはまりません。健康を削ってまで在職にこだわる理由はないので、先に医療機関と、会社の産業医または人事に相談してください。傷病手当金など別の制度が使える場合があります。

勤続1ヶ月は、職務経歴書に書きます

最後に、よく聞かれることを片づけておきます。1ヶ月の在籍を隠せるかという話です。

雇用保険に入っていれば被保険者記録に残りますし、厚生年金も同じです。入社手続きで年金手帳や基礎年金番号を出す以上、書かない選択には無理があります。書いたうえで、何を学んだかではなく、何が起きたかを短く事実で書くのが現実的です。

1ヶ月の在籍をどう書くか、書き方の型を見る

「2026年◯月 株式会社◯◯ 入社(△△職)」「2026年◯月 一身上の都合により退職」の2行で足ります。理由の説明は職務経歴書ではなく面接で聞かれたときに答える、と割り切ったほうが読みやすくなります。面接で何を聞かれるかは、第二新卒の面接で聞かれることは2種類あるにまとめています。

まとめ

  1. 辞めること自体は2週間で成立する

    民法627条1項。就業規則に1ヶ月前と書いてあっても、試用期間中でも同じです。ここで迷う必要はありません。

  2. 勤続1ヶ月では、有給も失業手当もない

    年休は6ヶ月(労基法39条1項)、失業手当は通算12ヶ月、会社都合でも6ヶ月。どれにも届いていません。

  3. 分かれ目は「前職があるか」だけ

    被保険者期間は会社をまたいで通算できます。前職があり、前職のあと手当の手続きをしていないなら、受け取れる可能性があります。

  4. 通算できないなら、在職中に決める

    辞意を伝えた瞬間に2週間が動き出します。応募を先、辞意はあと。順番だけは間違えないでください。

1ヶ月で辞めたいという気持ちを、周りは「根性がない」と言い換えてきます。でも制度は、根性を測っていません。日数の線しか見ていない。線の位置さえ分かれば、あとは順番を決めるだけです。

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よくある質問

入社1ヶ月でも失業手当は本当に出ないのですか?
その会社の1ヶ月だけで判断するなら出ません。ハローワークの公式ページにある受給要件は、離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上(倒産・解雇などの場合は離職前1年間に6ヶ月以上)です。ただし前職の被保険者期間を通算できる場合は、合計で条件を満たすことがあります。
試用期間中でも、2週間で辞められますか?
辞められます。民法627条1項は期間の定めのない雇用について、解約の申入れの日から2週間で雇用が終了すると定めていて、試用期間中を除外していません。就業規則の「1ヶ月前までに申し出ること」も、この2週間を上回って拘束するものではありません。
3ヶ月まで我慢すれば、条件が良くなりますか?
失業手当については変わりません。ハローワークの公式ページに3ヶ月という区切りはなく、自己都合で12ヶ月、会社都合等で6ヶ月です。年次有給休暇は6ヶ月の継続勤務で発生するので、休みを使ってから辞めたいなら6ヶ月が意味のある線になります。
1ヶ月の在籍は職務経歴書に書かなくていいですか?
書いてください。雇用保険の被保険者記録と厚生年金の記録に残るため、隠す前提で進めると入社手続きで食い違いが出ます。入社と退職を2行で書き、理由は面接で答える形にするのが現実的です。

出典:e-Gov法令検索 民法627条/労働基準法20条・21条・39条/雇用保険法13条・14条・21条・33条/ハローワークインターネットサービス「基本手当について」/同「基本手当の所定給付日数」(いずれも2026年9月27日に確認・情報時点 2026年9月)

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