筆者は元アパレル販売員で、いまはブランド古着の買取業を営んでいます。統計の数字は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」で確認したものです。職種の呼び方や職務範囲は会社ごとに違うため、実際の仕事の中身は求人票と面接でご確認ください。
MDは「売れる服を選ぶ人」ではありません。いくつ・いくらで・いつ出すかを決める人です。
バイヤーと混同されがちですが、役割が違います。販売経験がそのまま効くのはバイヤーではなくMDのほうだと私は思っています。理由は、毎日見ている数字が近いからです。
バイヤーとの違いを見るMDとバイヤーは、決めているものが違う
| バイヤー | MD(マーチャンダイザー) | |
|---|---|---|
| 決めること | 何を仕入れるか | いくつ・いくらで・いつ出すか |
| 見ている単位 | 商品そのもの | 売上計画・在庫・消化率 |
| 販売経験の効き方 | 目利きが要る | 数字の読み方がそのまま効く |
| 失敗の見え方 | 売れない商品を入れた | 数を間違えた・値下げが遅れた |
店頭で「これ、もっと入れておけばよかった」「これは早く下げるべきだった」と思ったことがあるなら、それがMDの仕事の入口です。
販売経験のどこが効くか
- 消化率を体で知っている
何週目でどれくらい売れるか。店頭にいた人は感覚で分かります。計画を立てる側に回ると、これがそのまま材料になります。
- 値下げのタイミングを見ている
いつ下げれば残らないか、下げても動かないものは何か。これは売場にいないと分かりません。
- 客が「買わなかった理由」を聞いている
サイズが無い、色が違う、価格が高い。MDが直せるのは、まさにここです。
店頭にいたころ、本部から来る数量に納得がいかないことがよくありました。売れる色だけ数が足りないのです。あとで分かったのは、決めている人が売場を見ていないだけだった、ということ。逆に言えば、売場を知っている人がその席に座ると強いという話でもあります。
金額はどう変わるか
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。職種は小分類別(販売店員・男・一般労働者・企業規模計10人以上/産業計)、産業は中分類別(I57 織物・衣服・身の回り品小売業・男・一般労働者・企業規模計10人以上)。年収換算は月額×12+年間賞与その他特別給与額。
未経験から入れるか
MDは計画を立てる仕事なので、店頭の実績を数字で語れるかが入口の条件になります。「接客が得意」では通りません。個人売上、予算達成率、担当カテゴリの消化率のうち1つでも言えると変わります。
向いている人
- 担当カテゴリの数字を見ていた
- 発注や在庫移動に関わったことがある
- 売れない理由を言語化できる
- Excelに抵抗がない
向いていない人
- 接客そのものが好きで店頭を離れたくない
- 数字の話が苦手
- 結果が出るまで数か月待つのが苦痛
社内異動で入るほうが現実的な場合もあります。店頭にいるうちに、本部と話す機会を作っておくと道が見えます。
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