※この記事で紹介する転職サービスは、いずれも筆者が運営に関わっていない外部のサービスです。数字はすべて厚生労働省の公表資料と各社の公式サイトを直接開いて確認しています。筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、現在は古物商として買取業を営んでいます。
転職して賃金が上がった人がいちばん多いのは、20〜24歳です。上がった人55.5%に対して、下がった人は13.1%しかいません。
アパレルの店頭に立って1〜3年。辞めたいけれど「販売しかやってこなかった自分が動いたら、給料はもっと下がるんじゃないか」と止まっている人へ。その心配は、公的な統計を1枚見るだけで向きが変わります。
年齢別の数字を先に見るまず、アパレルを1〜3年で辞めるのは珍しいことなのか
面接で「なぜ辞めたのか」を聞かれるのが怖い、という相談をよく受けます。その前に、自分がどれくらい特殊なことをしようとしているのかを確かめておきましょう。
アパレルの店舗販売は、国の統計では「卸売業,小売業」という区分に入ります。日本標準産業分類では、大分類の「卸売業,小売業」の下に中分類57「織物・衣服・身の回り品小売業」があり、そこに男子服小売業・婦人服小売業などが並んでいます。つまり、下の数字はあなたの業界の数字です。
出典:厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概要」表4-1・表4-2(記事作成時点で最新の公表分)
半年のあいだに72万人が入って、68万人が出ていく。人の出入りがこれだけ大きい業界です。あなたが辞めることは、業界の中では日常的に起きていることだと分かります。
本題。20代前半の転職は、賃金が上がる側に大きく振れている
同じ調査に、転職した人の賃金が前の職場と比べてどうなったかという表があります。これが今回いちばん見てほしい数字です。

| 年齢 | 増加した | うち1割以上の増加 | 減少した | 増加−減少 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 55.5% | 45.9% | 13.1% | +42.4P |
| 25〜29歳 | 45.9% | 32.5% | 27.2% | +18.7P |
| 30〜34歳 | 47.0% | 28.5% | 29.5% | +17.5P |
| 40〜44歳 | 47.7% | 30.2% | 23.5% | +24.2P |
| 50〜54歳 | 26.5% | 16.1% | 44.7% | -18.2P |
| 60〜64歳 | 19.5% | 9.6% | 56.3% | -36.8P |
| 全年齢の計 | 39.4% | 26.7% | 31.5% | +7.9P |
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出典:同上・表5「転職入職者の賃金変動状況別割合」。転職入職者のうち前職雇用者で調査時在籍者についてみたもの(自営業からの転職を含まない)。
20〜24歳は、賃金が増えた人が55.5%、減った人が13.1%。その差は42.4ポイントで、全年齢階級のなかで最大です。しかも増えた人の内訳を見ると、45.9%が「1割以上の増加」。20代前半で転職した人のおよそ半数が、1割を超えて賃金を上げています。
25〜29歳でも差は+18.7ポイントでプラスです。逆に50〜54歳になると-18.2ポイント、60〜64歳では-36.8ポイントと符号が反転します。年齢が上がるほど、転職で賃金が下がる側の人が増えていきます。
下がる側に振れるのは50代からです。第二新卒と呼ばれる年齢は、賃金の面では最も条件のいい時期にあたります。迷っている時間そのものが、この有利さを削っていきます。
「接客しかやってない」は、たいてい棚卸しができていないだけ
数字を見てもまだ動けないとしたら、理由は給料ではなく「書けることが無い」という思い込みのほうだと思います。当てはまるものを数えてください。
3つ以上あてはまるなら、書ける材料はもう持っています
- 個人予算(売上目標)を持たされていた
- セール期や催事の在庫を、自分の判断で店間移動させたことがある
- 新人や学生アルバイトに、レジや接客を教えたことがある
- 顧客名簿やLINEで、決まったお客様に入荷連絡をしていた
- ディスプレイやマネキンの組み替えを任されていた
- 棚卸しやロス率の集計に関わったことがある
→ どれも「予算管理」「在庫管理」「教育」「顧客維持」「販促」として職務経歴書に書ける仕事です。
店頭に立っていたころは、自分のやっていることに名前が付くと思っていませんでした。毎朝の在庫チェックも、常連さんへの入荷連絡も、ただの日課だと思っていた。買取の仕事に移ってから、あれは全部「在庫管理」と「顧客維持」だったと気づきました。名前を知らないだけで、経験が無いわけではないんです。
- 数字が出せるものから書く
「予算達成率」「客単価」「セット率」など、店で追いかけていた指標をそのまま使います。正確な社内数値を持ち出す必要はありません。順位や達成月など、覚えている範囲の事実で足ります。
- 「接客が好き」は書かない
好きかどうかは選考の判断材料になりません。書くのは、何人にどう教えたか、どの数字をどう動かしたか、という行動のほうです。
- シフト制であることを不利だと思わない
平日の日中に動ける人は、面接の日程調整でむしろ有利になります。在職中に進めるほうが条件交渉で強いのは、どの年代でも同じです。
動く順番を決めておく
順番を間違えると、いちばん有利な20代前半という時間を空白期間で削ることになります。
- 辞める前に、いまの条件を紙に書き出す
基本給・手当・休日数・社販の自己負担額。次と比べるための基準になります。ここを曖昧にしたまま動くと、条件が良くなったのか分からなくなります。
- 在職のまま登録して、求人を見るだけ見る
応募しなくてかまいません。自分の経歴でどんな求人が出てくるかを見るのが目的です。ここで「思ったより選べる」と分かれば、辞める判断そのものが落ち着きます。
- 職務経歴書を、上の棚卸しをもとに書く
ひとりで書けないなら、この作業を手伝ってもらうためにエージェントを使います。書類の通過率が変わるのはここです。
- 受ける企業を、規模と休日数で先にふるいにかける
興味の有無より先に、続けられる条件かどうかで絞ります。1社目で辞めた理由が労働条件だったなら、そこを直さないと同じことが起きます。
- 内定が出てから退職を伝える
離職期間があると条件交渉で不利になりやすく、賃金が上がる側に入りにくくなります。
相談先は、目的で2つに分かれる
「どこがいいか」ではなく「いま何をしたいか」で選んでください。書類が書けなくて止まっているのか、企業を自分で調べたいのかで、行き先が変わります。
第二新卒エージェントneo
公式サイトに「20代に特化した就・転職サポート」「対象:第二新卒・高卒・中卒・既卒・フリーター」と明記されている人材紹介です。求人の職種一覧には「販売・接客・サービス」があり、就業状況の選択肢に契約社員・派遣社員も含まれています。アパレルの店頭からそのまま相談できる作りです。書類が書けなくて止まっている人はこちらから。
無料で登録して相談する 運営:株式会社ネオキャリア/登録・相談は無料ワンキャリア転職
企業ごとの年収・社員のクチコミ・選考対策をまとめて見られる転職サイトです。人に相談する前に、まず自分で企業を調べて比べたい人向け。「その企業へのキャリア」「その企業からのキャリア」という形で、入った人と出た人の経路が載っているのが特徴です。
企業の年収とクチコミを見る 登録は無料エージェントに相談したほうがいい人
- 職務経歴書に何を書けばいいか分からない
- 面接で退職理由をどう話すか決まっていない
- シフトの合間で求人を探す時間が取れない
先に自分で調べたほうがいい人
- 行きたい業界がすでに決まっている
- 人に勧められると断りにくい
- 年収の相場だけ先に知りたい
この記事の数字の出どころを確認する
賃金変動と入職・離職の数字は、いずれも厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概要」から直接引いています。賃金変動は表5、産業別の入職・離職は表4-1と表4-2です。賃金変動の表は全産業・全職種の集計で、産業別や職種別の内訳は公表されていません。
産業の区分は総務省「日本標準産業分類(平成25年10月改定)」に基づきます。アパレルの店舗販売は大分類「卸売業,小売業」の中分類57「織物・衣服・身の回り品小売業」に該当します。
各サービスの説明は、公式サイトに書かれている内容だけを使っています。公式に記載のない求人数・成功率・利用者数は扱っていません。
