マイホームを購入する方の多くが「住宅ローン」を利用することでしょう。住宅ローン利用にかかるコストは利息だけではなく、手数料や保証料、登記費用といった諸費用がかかってきます。
[chat face=”dansei.jpg” name=”男性” align=”right” border=”yellow” bg=”none”] 住宅購入は、ただでさえ高額な買い物なのに住宅ローンを利用する為の諸費用にもお金がかかるんだね。 [/chat]
[chat face=”kitaguchi.jpg” name=”宅地建物取引士 北口裕樹” align=”left” border=”none” bg=”yellow”] 住宅ローン利用時は、融資手数料や保証料などの諸費用がかかります。金利以外にも借入時にかかる諸費用の比較検討も重要なポイントです。[/chat]
[chat face=”dansei.jpg” name=”男性” align=”right” border=”yellow” bg=”none”] できるだけ諸費用を抑えて、住宅ローンを利用したいところだけど、どちらの商品タイプが自分に合ってるか知りたいな。 [/chat]
[chat face=”kitaguchi.jpg” name=”宅地建物取引士 北口裕樹” align=”left” border=”none” bg=”yellow”] 諸費用の中には、借入額に応じて増減するものがあり諸費用だけで100万円以上かかる場合もあります。それぞれの特徴を理解し、自分にあった商品タイプを選択してお得に住宅購入をしましょう。 [/chat]
これまで、住宅ローンの諸費用の内、大きな金額を占めていたのは「保証料」でしたが、最近ではネットバンクを中心に保証料不要とする代わりに「融資手数料」を必要とする「融資手数料型」ローン商品の取り扱いも増えてきました。
それでは、「融資手数料型」と「保証料型」では、どちらのほうがお得に住宅ローンを利用できるのでしょう。それぞれの商品の特徴や違い、メリット・デメリットなどを解説しています。最後に、自分に最適なプランはどれなのかをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
北口裕樹
<宅地建物取引士 管理業務主任者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士>
大手不動産会社に新卒で入社。不動産営業を経験し、入社2年目から販売事務所長として近畿圏のマンション販売業務を担当する。現在は不動産仲介業・アドバイザーとして独立。
25歳でタワーマンションを購入し不動産投資家としても活動中。
住宅ローンにかかる諸費用とは?全内訳を順に紹介
住宅ローン利用にかかる諸費用では、「融資手数料」と「保証料」の2つが大きな割合を占めます。
この他にどのような費用がいくらぐらい必要になるのか、簡単にご紹介します。
1.印紙代
住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)の締結に必要。1,000万円超5,000万円以下の借入額なら2万円。
※印紙税額は借入金額によって異なります。
2.登記費用(登録免許税)
購入する住宅を担保とした抵当権設定をするための登記費用。要件を満たす住宅であれば借入額の0.1%。※2022年3月末まで、住宅用家屋の軽減税率
3.司法書士への報酬
登記をする司法書士へ支払う報酬。借入額によって異なるが、10万円前後が一般的。
4.団体信用生命保険料
フラット35以外の民間金融機関は原則加入が義務。保険料は金利に含まれている場合が多い。
フラット35の場合は、任意加入となり借入額に応じて別途費用が必要。
5.火災保険料
原則加入が義務。加入する保険プランにもよるが、5万円程度(10年分一括払い)。
6.適合証明書の交付手数料
フラット35を申し込む場合の適合証明交付手数料。5万円程度(検査機関や物件の規模で異なる)。
融資手数料とは?
融資手数料とは、住宅ローンを借入れする際の手続き報酬として支払う手数料のことです。
「定額型(33,000円~)」と、「定率型(融資額の2.2%など)」の2つのタイプがあり、銀行や商品によって異なります。
※不動産業者の提携ローン利用時には、別途事務手数料がかかる場合もあります。
定額型
定額型では、融資手数料を少額に抑える代わりに、借入金利に年0.2%ほど上乗せされるのが一般的です。
初期費用を抑える一方で、金利が上乗せされることで月々の返済額が増え、完済までの総支払額も高くなる可能性があります。
定率型
「融資手数料型」の住宅ローンの場合、ほとんどの金融機関で「定率型」を採用しています。
定率型では、借入金額に対して一定の利率を掛けた金額の融資手数料を支払います。住宅ローンを4,000万円借りる場合、一般的な手数料率(2.2%)を掛けると90万円弱の融資手数料が必要となります。
借入金額によって変動する手数料のため、借入金額次第でかなり高額となる点に注意しましょう。
保証料とは?
住宅ローンの返済がなんらかの理由で困難になった場合、借入者に代わって保証会社が銀行へ住宅ローンの残債を支払います。その万が一の保証を受けるために支払う費用です。
ただし、保証会社が代わりに残債を負担したからといって、債務者の負債が無くなるわけではなく、以降は保証会社に対して返済をおこなわなければなりません。債務者から見ると、返済先が金融機関から保証会社に変更されるに過ぎません。
保証料には外枠方式(一括前払い型)と、内枠方式(金利上乗せ型)の2種類あります。
外枠方式(一括前払い型)
外枠方式では、住宅ローンの借り入れ時に保証料を一括で支払います。保証料の金額は、住宅ローン借入額の2.0%程度が一般的です。
住宅ローン借り入れ当初にまとまった金額が必要になる分、総支払額を内枠方式よりも低く抑えることができます。
内枠方式(金利上乗せ型)
内枠方式は、保証料を住宅ローンの金利に上乗せして、毎月の返済に含めて支払う方式です。借入金利に0.2%程度上乗せされることが一般的です。
住宅ローン借り入れ当初に支払う費用を少なくする分、外枠方式よりも総支払額が多くなります。
「融資手数料型」と「保証料型」の特徴
上述の通り、住宅ローンを借り入れる際には、様々な諸費用がかかります。
諸費用の内、大きな割合を占める「融資手数料」と「保証料」に着目して、どちらの費用を中心とするかによって住宅ローン商品を「融資手数料型」と「保証料型」に分類できます。
それぞれの特徴は次の通りです。
融資手数料型
「融資手数料型」は融資手数料が必要となる代わりに保証料は不要です。このとき必要な融資手数料は「定率型(融資額の2.2%など)」が採用されることがほとんど。
代表的なものでは、住宅金融支援機構のフラット35があり、近年ではネット銀行を中心として、メガバンクや地方銀行のネット専用住宅ローンにも融資手数料型の取扱いがあります。
「保証料型」の住宅ローンと比べ、借入金利が低く設定されていることが多いのが特徴です。
保証料型
融資手数料型に対して、保証料が必要な住宅ローンを「保証料型」といいます。
この保証料は、借入時に一括で支払う「外枠方式」か、月々の金利に上乗せする「内枠方式」があり、どちらかを任意で選択できます。
また、外枠方式(一括前払い型)の保証料の場合、繰上返済をしたタイミングによっては、保証会社所定の計算方法により算出された保証料が返戻されることが大きな特徴です。
https://maison-okada.tokyo/2021/05/24/danshin-howto/「融資手数料型」・「保証料型」のメリット・デメリット
「融資手数料型」の融資手数料と「保証料型」外枠方式の保証料は、どちらの方が安いのでしょうか。
同じ金融機関・同じ借入額であれば保証料の方が若干安く抑えられることが多いです。ただし、借入額次第ではありますが数万円程度の差なので、支払う費用名目の違いだけでそこまで大きな金額差でもないでしょう。
それよりも注目すべきは、早期に繰上げ返済をした場合、「保証料型」外枠方式であればいくらかの保証料が返ってくる点です。「融資手数料型」の融資手数料は繰上げ返済をしても返ってくることはありません。
これまでの内容を踏まえて、それぞれのメリット・デメリットを整理しましょう。
融資手数料型
■メリット
- 「保証料型」よりも金利が低く設定されていることが多い。
- 保証料は不要。
■デメリット
- 借入金額が多いほど、初期費用が高額になりやすい。
- 繰上げ返済をしても恩恵は無い。
保証料型(外枠方式)
■メリット
- 早期の繰上返済の場合、数十万円単位の保証料が返戻される可能性がある。
- 融資手数料は不要。
■デメリット
- 「融資手数料型」よりも金利が高く設定されていることが多い。
- 借入金額が多い・借入期間が長いほど、初期費用が高額になりやすい。
保証料型(内枠方式)
■メリット
- 借入時の初期費用を数万円程度の少額に抑えられる。
- 借入期間が短いほど月々の支払いを低く抑えられる。
■デメリット
- 長期に借りた場合、総支払額は最も大きくなる。
- 繰上げ返済をしても恩恵は無い。
まとめ|どちらを選んだ方がお得?
「融資手数料型」・「保証料型」それぞれに特徴やメリット・デメリットがあることは確認できました。
では、自身の返済プランにはどの商品が適しているか、次のまとめを参考にしてみてください。
■融資手数料型:低い金利で長期にわたって借り、月々の返済額を抑えたい人
■保証料型(外枠方式):繰上返済をする前提で、できる限り早く完済したい人(10年以内の完済が目安)
■保証料型(内枠方式):とにかく初期費用を安く抑えたい人
実際には、借入期間や金利、諸費用(融資手数料または保証料の料率や総額)、自己資金など、複数の要因で最適なプランが決まります。それぞれの特徴を理解し、総支払額をシミュレーションで確認してみることをオススメします。
また、各金融機関では、「融資手数料型」か「保証料型」のどちらかしか扱っていないことがほとんどです。借り入れ予定の金融機関には、「融資手数料型」か「保証料型」のどちらの商品が取り扱われているか、前もってチェックしておきましょう。
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