※この記事で挙げる成分・効能・価格は、すべて厚生労働省と各メーカーの公式ページで確認した内容です(閲覧して確認した時点を各出典に記載しています)。筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、接客の現場で「清潔感」を売り続けてきた立場から書いています。皮膚科医ではないため、診断や治療の話はしません。
化粧品が表示できる効能は全56項目。そこに「毛穴」という言葉は1つも入っていません。
だから「毛穴」と大きく書いてある商品も、法律上は別の言葉で効能を届け出ています。選ぶときに見るのはパッケージの「毛穴」ではなく、角栓の洗浄・ニキビ予防・キメのどれに当たるかです。自分の毛穴がどの型かを先に決めれば、買うものは1つに絞れます。
自分の毛穴の型を調べる「毛穴」と書いてある商品が、効能では「毛穴」と言えない
30代に入ると、鼻の黒いポツポツや頬のザラつきが前より気になります。ドラッグストアに行くと「毛穴」と書いた商品が何種類も並んでいて、どれも同じことを言っているように見えます。
ここで知っておくと棚の見え方が変わる事実があります。化粧品がパッケージや広告に書いていい効能は、国が一覧で決めています。厚生労働省の通知「化粧品の効能の範囲の改正について」の別表第1にある全56項目がそれです。
この56項目を最初から最後まで読むと、「毛穴」という語は一度も出てきません。「毛穴を小さくする」「毛穴を消す」は、化粧品が効能としては言えない表現なのです。
では「毛穴」をうたっている商品は何を届け出ているのか。56項目のうち、毛穴の悩みに関係するのは次の5つです。パッケージの言葉は、この5つのどれかに翻訳して読みます。
| パッケージによくある言葉 | 国が認めている効能(56項目のうち) | つまり何をする商品か |
|---|---|---|
| 毛穴の黒ずみ汚れ・角栓オフ | (17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする | 詰まっているものを落とす |
| 毛穴からのニキビを防ぐ | (18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料) | 洗ってニキビを予防する |
| 毛穴の目立たないなめらか肌 | (20)肌のキメを整える/(32)肌を滑らかにする | 表面の状態を整える |
| 毛穴をひきしめる | (23)肌をひきしめる | ひきしめる(小さくするとは別) |
| 乾燥による毛穴まわりの小ジワ | (56)乾燥による小ジワを目立たなくする | 乾燥由来の小ジワだけが対象 |
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出典:厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(薬食発0721第1号)別表第1(PDFを開いて全56項目を確認)
どの商品も「毛穴」と書けますが、中身は落とす系と整える系に分かれています。やることが違うので、詰まりの人が整える系を買うと何も起きません。
まず自分の毛穴がどの型かを決める
型分けは自分で考える必要はありません。花王が公式サイトで毛穴の悩みを3つに分けているので、それをそのまま使います。ここに「ニキビを繰り返しているか」を足すと、30代の男性が取るべき行動は4つに分かれます。
鏡と指先で確認してください。あてはまるものを選びます
- 鼻や頬に黒いポツポツが見える(見た目の黒ずみ)
- 指でなでるとザラザラする(手触りと化粧ノリの悪さ)
- 乾燥していてゴワゴワする(つっぱる感じがある)
- 同じ場所にニキビが繰り返しできる
→ 上2つが中心なら【詰まり型】、3つめが中心なら【乾燥型】、4つめがあるなら【ニキビ型】です。複数あるなら、ニキビ型を先に片づけます。
| 型 | 見分け方 | 売り場で見る効能 | 最初に買うもの |
|---|---|---|---|
| 詰まり型 | 黒いポツポツ・ザラザラ | 皮膚を清浄にする | 角栓に効く洗顔料 |
| ニキビ型 | 同じ場所に繰り返す | ニキビを防ぐ(医薬部外品) | 医薬部外品の洗顔+化粧液 |
| 乾燥型 | ゴワゴワ・つっぱる | 皮膚の乾燥を防ぐ | 保湿寄りの洗顔料と化粧水 |
| 開き・たるみが気になる | 上の3つに当てはまらない | 該当なし | 買い増さない(後述) |
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出典:花王「毛穴ケアならビオレ」の悩み分類をもとに、ニキビの有無を加えて筆者が整理
詰まり型:角栓は「固まった皮脂とタンパク質」なので、落とし方に技術が要る
黒いポツポツの正体は角栓です。花王の公式ページには、角栓が何なのかはっきり書かれています。固体脂(固体の皮脂)とタンパク質(古い角層)が複雑に絡み合って固まったものです。
ここが大事なところで、角栓は皮脂だけではありません。皮脂とタンパク質が絡み合って固まっているので、皮脂を落とす力を上げただけでは崩れません。しかも角栓は毛穴の中に埋もれていて、洗浄剤も物理的なまさつ力も届きにくい、と公式に書かれています。
だから「ゴシゴシ洗う」「洗浄力の強いものに替える」では解決しないわけです。花王はこれに対して、角栓そのものを崩す技術を使っています。成分名はトロメタミン(洗浄剤)。化学名はトリスヒドロキシメチルアミノメタン、通称トリスで、もともとはpH調整剤として配合される弱いアルカリ成分です。公式には、ただ配合するだけでは角栓に作用せず、独自の処方で洗浄力を実現したと書かれています。
メンズビオレの THE FACE 泡タイプ洗顔料は4タイプあり、それぞれ狙いが違います。詰まり型が取るのは2番目です。
| タイプ | 公式の説明 | 向く型 |
|---|---|---|
| うるおいケア | うるおいも洗浄力もバランスよく洗いたい人に | 決めきれない人 |
| 毛穴汚れクリア | 角栓崩壊成分(トロメタミン)を高配合。ザラザラ角栓や黒ずみ汚れまで洗い流す | 詰まり型 |
| ディープモイスト | 化粧水成分(グリセリン、ヒアルロン酸)配合。乾燥肌もしっとり洗い上げる | 乾燥型 |
| 薬用アクネケア 【医薬部外品】 | 汗・皮脂・毛穴汚れをオフしながらニキビ予防 | ニキビ型 |
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出典:花王「メンズビオレ THE FACE 泡タイプ洗顔料」/花王「角栓崩壊洗浄技術」(いずれも公式ページを開いて確認)
詰まりに対して化粧水や美容液を足しても、落とす仕事はしてくれません。いま使っている洗顔料を毛穴汚れクリアに置き換えて、そこで止めてください。
ニキビ型:毛穴に蓋ができている。ここだけは医薬部外品を選ぶ
同じ場所にニキビが繰り返しできている人は、洗って落とすだけでは追いつきません。この型は、化粧品ではなく医薬部外品を選ぶ番です。医薬部外品は、承認された有効成分で「ニキビを防ぐ」と表示できる区分で、化粧品とは棚の意味が違います。
ファンケルは公式サイトで、ニキビができる手前の状態を「毛穴蓋」という言葉で説明しています。肌のバリア機能が乱れると角層を大量に産出し、それが毛穴に蓋をするように溜まると、毛穴の中でアクネ菌が増えてニキビの原因になる、という見方です。詰まり型とニキビ型が地続きなのが、これで分かります。
同社の無添加FDR アクネケアラインは、全4点とも医薬部外品です。公式に出ている税込価格はこうなっています。
| 品目 | 内容量 | 価格(税込) | 定期便価格 |
|---|---|---|---|
| アクネケア 洗顔クリーム | 90g(約60回分) | 1,540 | 1,460 |
| アクネケア 化粧液 | 30mL | 1,650 | ― |
| アクネケア ジェル乳液 | 18g | 1,650 | ― |
| アクネケア エッセンス | 8g | 1,980 | ― |
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出典:ファンケル「無添加FDR アクネケアライン<医薬部外品>」公式ページ(公式ページを開いて確認。化粧液・ジェル乳液・エッセンスの定期便価格は公式ページで確認できなかったため空欄にしています)
もうひとつ、この製品の特徴として公式が挙げているのが無添加の考え方です。防腐剤などの添加物に加えて、一般のニキビケアに使われる殺菌剤も使っていないと明記されています。殺菌剤で刺激が出た経験がある人には、ここが選ぶ理由になります。
ファンケル 無添加FDR アクネケア
繰り返す大人ニキビに向けた医薬部外品のライン。洗顔クリームは90gで約60回分なので、2か月前後で使い切る量です。まず洗顔クリーム1本から始めて、肌が落ち着くかどうかを見てから化粧液を足すのが無駄のない順番です。
ラインの内容と最新の価格を公式で見る 価格は公式ページで確認した時点のもの。定期便と通常購入の違いを申込前に確認してください開き・たるみが気になる人は、ここで買い物を止めるのが正解
残るのが「詰まってもいない、ニキビもない、ただ昔より毛穴が開いて見える」という人です。30代で増えるのがこの悩みですが、この記事でいちばん伝えたいのはここです。
先に挙げた56項目に戻ってください。化粧品の効能に毛穴を小さくする、という項目は存在しません。(23)に「肌をひきしめる」はありますが、これは毛穴の大きさを変えるという意味ではありません。つまり、開いた毛穴を化粧品で小さくすると約束している商品は、制度上ありえないのです。
できるのは、乾燥を防いで(28)、キメを整えて(20)、日やけを防ぐ(36)ところまで。それは十分に意味がありますが、「毛穴を小さくする商品」を探して買い足していく行為には出口がありません。筆者が接客していた頃も、この型の人がいちばん商品を増やしていました。
保湿と紫外線対策をきちんとやり、それでも気になるなら、化粧品を買い増すのではなく皮膚科やクリニックで相談する領域です。どちらを選ぶにしても、棚の前で商品を増やすのは止めてください。
この型の人は、本数を増やすより先に順番を整えるほうが効きます。何本そろえるかの基準は30代のメンズスキンケアは3本でいいに、量と時間の決め方はメンズスキンケアのやり方は、量と時間と順番で決まるにまとめてあります。
型が決まったあとに、やりがちな外し方3つ
これはやる
- 型に合う洗顔料を1本だけ替える
- 効能の表示(清浄・ニキビ予防・キメ)で選ぶ
- ニキビ型なら医薬部外品かどうかを確認する
- 2か月ほど同じものを続けて判断する
これはやらない
- 「毛穴」と書いてある商品を何種類も重ねる
- 落ちないからと洗浄力を上げ続ける
- 詰まり型なのに美容液から始める
- 開き・たるみを化粧品で小さくしようとする
角栓は毛穴の中に埋もれていて、まさつ力が届きにくいと公式が書いています。届かないものに力で挑むとダメージだけが残ります。落とす仕事は処方に任せて、自分は型を間違えないことだけに集中するのが、いちばん安く済む方法です。
ドラッグストアの棚で、どの商品名のどこを見ればいいかは30代メンズのスキンケアはドラッグストアで足りるで解説しています。この記事の型分けと合わせて読むと、売り場での迷いがなくなります。
よくある質問
「毛穴」と書いてある商品は効果がないということですか?
角栓は押し出して取ってもいいですか?
化粧品と医薬部外品は何が違うのですか?
洗顔料は何か月くらいで替え時が分かりますか?
まとめ:見るのは「毛穴」の文字ではなく、効能の欄
化粧品の効能56項目に「毛穴」はありません。だから毛穴の悩みは、落とす(清浄)・防ぐ(ニキビ予防)・整える(キメ)の3つに翻訳して買います。黒いポツポツとザラザラなら角栓に効く洗顔料を1本、繰り返すニキビなら医薬部外品を1本、乾燥なら保湿寄りを1本。開きが気になるだけの人は、買い足さないのが正解です。
