※この記事に出てくるブランド・施設・買取サービスの情報は、すべて公式ページを実際に開いて確認した記載です(調査時点のもので、内容は変わることがあります)。筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、いまは現役のファッションバイヤー兼古物商です。記事の後半で買取サービスを紹介しますが、それが結論を左右しないよう、判断の材料は先に全部出します。
「アウトレットで買ってはいけないブランド」の一覧は、いくら探しても出てきません。危ないのはブランドではなく、値札の読み方です。
ただし「一覧がない」で終わらせません。よく名前が挙がるブランドを公式サイトで1社ずつ開いて確かめたところ、「アウトレット専売品」と呼ばれているものの正体は2種類に分かれていました。その内訳と、目の前の1点をその場で見分ける手順を、公式の記載だけを使って説明します。
公式で確認したブランド一覧を見る「買ってはいけないブランド」の一覧は、探しても出てこない
アウトレットの棚には、本店から回ってきた在庫品と、アウトレット中心に展開されている品が混ざって並びます。同じブランドの中で分かれているので、「このブランドは避ける」という決め方をすると、買っていいものまで一緒に捨てることになります。
まず、アウトレットモール自体が何を売る場所なのかを、運営会社の説明で確認しておきます。ここがぶれると話が進みません。
出典:三井アウトレットパーク公式「よくあるご質問」/プレミアム・アウトレット公式「よくある質問」(いずれも調査時点)
もともとの発想は「小売店が仕入れた在庫品を安く出す場所」です。そこに、はじめからアウトレット向けに作られた品が加わってきた——「買ってはいけない」と言われるようになった背景は、要するにこれだけです。品質が悪いという話ではなく、期待していたものと違うものを買ってしまう、という話です。
名前が挙がりがちなブランドを、公式で1社ずつ確かめた
ここがこの記事の中心です。ネット上には「アウトレット専売品を出しているブランド」の一覧が出回っていますが、出どころが書かれていないものがほとんどでした。そこで各社の公式サイトを実際に開き、公式が自分の言葉で何と書いているかだけを拾い直しました。
結果、「専売品」とひとくくりにされているものは、実際にはまったく性質の違う2種類に分かれていました。
A|公式が「オリジナルレーベル」と書いているもの
- その名前の商品ラインが実在する
- ただしアウトレット限定とは限らず、公式ECでも買える
- 該当を確認できたのはSHIPS Colorsのみ
B|実際はレーベルではなく「店舗の屋号」
- ◯◯アウトレットという名前の“店”のこと
- 中身は通常ブランドの商品
- 今回確認できた大半はこちら
つまり「アウトレット専売品を出しているブランド」という言い方自体が、公式の実態とずれています。1社ずつ見ていきます。
| ブランド/企業 | 公式ページに書かれていたこと | 正体 |
|---|---|---|
| SHIPS | 「SHIPS Colors」を「リーズナブルなプライスで構成したオリジナルレーベル」と紹介し、「メンズ、ウィメンズ、キッズをラインナップし、OUTLET店舗、ECサイトを中心に展開」と明記 | A:レーベル |
| UNITED ARROWS | 「UNITED ARROWS OUTLET(ユナイテッドアローズ アウトレット)」は「株式会社ユナイテッドアローズのストアブランドが一堂に並ぶ品揃えが魅力」と説明。専用レーベルの記載はない | B:店舗 |
| アーバンリサーチ | 「URBAN RESEARCH warehouse」を「グループが提案する全ブランドを、持続可能な視点で再解釈し、新たな価値を生み出すアウトレット店舗です」と紹介 | B:店舗 |
| アダストリア | ブランド区分に「Specialty & Outlets」があり、アンドエスティアウトレット/ローリーズファーム アウトレットなどが並ぶ。前者は「各ブランドのアウトレット商品を展開」、後者は「ローリーズファームが展開するアイテムを、お買い得感のある価格で提供」 | B:店舗 |
| BEAMS | 公式サイトにアクセスできず、記載を確認できなかった | 確認できず |
| ナノ・ユニバース | 公式トップページは開けたが、アウトレット向けレーベルについての記載を見つけられなかった | 確認できず |
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出典:SHIPS公式「SHIPS Colors」/UNITED ARROWS公式「アウトレットストア」/アーバンリサーチ公式「ブランド紹介」/アダストリア公式「ブランド紹介」(いずれも調査時点)
唯一「レーベル」と確認できたSHIPS Colorsは、安かろう悪かろうではない
今回Aに当てはまったのはSHIPS Colorsだけでした。ここが誤解されやすいので、公式の記載をそのまま見ておきます。
読み落としやすいのは「ECサイトを中心に展開」の部分です。アウトレット店に行かなくても公式の通販で買えます。つまりアウトレット限定品ですらありません。同じページの新着アイテムには4,000円台から1万円超まで並んでいて、投げ売り価格帯のラインでもありませんでした。
この数字が、この記事でいちばん伝えたいことです。「アウトレット専売品を出しているブランド」として名前が挙がっていた企業の多くは、専用の商品を作っているのではなく、ただ“アウトレット店を出している”だけでした。そこで売られているのは、通常ブランドの在庫品です。
「アウトレット専売品がないブランド」を探している人へ
ないことを証明している企業はありません。ただし今回の確認で分かったとおり、多くの企業はそもそも専用レーベルを作っておらず、アウトレット店で通常商品を売っています。「専売品がないブランドを覚える」より、目の前の1点のタグを見るほうが早く確実です。
目の前の1点を確かめる3手順

- タグのレーベル名を、ブランド公式サイトで探す
アウトレット中心のレーベルを持っているブランドは、それを公式のブランド紹介ページに載せています。SHIPSが「SHIPS Colors」について「OUTLET店舗、ECサイトを中心に展開」と書いているのがその例です。公式に載っていない名前が付いていたら、そこで一度立ち止まってください。
- 品番を、ブランドの公式通販で検索する
本店の型落ち・在庫品なら、同じ品番が公式通販に残っていることがあります。見つかれば、その通常価格が「元の値段」の手がかりになります。見つからないからといって、粗悪品という意味ではありません。作られた場所が違うというだけです。
- 行く前に、在庫を検索してから出かける
プレミアム・アウトレットには「Stock Finder」という、出店ブランドの店頭取り扱い商品の在庫状況を確認できるサービスがあります。狙いを決めてから行けば、現地で「せっかく来たから」と妥協して買う失敗が減ります。
出典:プレミアム・アウトレット公式「Stock Finder」(調査時点)
行く時期でも値段は変わる
同じ品でも、セール期間かどうかで価格が変わります。ここも公式で確認できます。三井アウトレットパークは各施設の「イベント・キャンペーン」ページでセールを告知していて、木更津では「SUPER OFF SALE」という名前の全館セールが掲載されていました。ブランド側が独自にやることもあり、SHIPSは公式ニュースで「【OUTLET店舗限定】セールアイテムがさらに10%OFFに!『FINAL SALE』」と告知しています。
出典:三井アウトレットパーク木更津公式「イベント・キャンペーン」(調査時点)
このポストが言っているのは「宝探しの感覚が失われつつある」という話で、品質の話ではありません。実際、不満の中身はたいてい「安いと思って買ったのに、そこまで安くなかった」に行き着きます。だから次に見るべきは、ブランド名ではなく値札です。
本当に気をつけるのは、ブランドではなく値札

値札に元の値段が並んでいる表示のしかたは「二重価格表示」と呼ばれ、消費者庁が考え方を示しています。並べていい価格には条件があります。ここを知っていると、値札の見え方が変わります。
「メーカー希望小売価格」と書いてある場合
消費者庁は、希望小売価格を「製造業者等により小売業者の価格設定の参考となるものとして設定され、あらかじめ、新聞広告、カタログ、商品本体への印字等により公表されているもの」と説明しています。つまり外から確認できる価格です。ブランドの公式通販で同じ品番を検索すれば、その価格が実在するかを自分で確かめられます。
「当店通常価格」と書いてある場合
こちらは、その店で最近そこそこの期間、実際に売っていた価格という意味になります。判断の目安として消費者庁が示しているのは、セール開始時点からさかのぼる8週間のうち、その価格で売っていた期間が過半を占めているかどうか。さらに、その価格での販売が通算2週間未満だったり、最後に売った日から2週間以上経っていたりする場合は、この条件にあたらないとされています。
比較する価格が書かれていない場合
ここがいちばん外しやすいところです。元の値段が示されていないなら、その値札の金額が高いのか安いのかは値札だけでは判断できません。「アウトレットだから安いはず」という思い込みが、そのまま判断の代わりになってしまいます。
出典:消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(調査時点)
3つ以上あてはまったら、その場でいったん手を止める
- 値札に「元の値段」が書かれていない
- タグのレーベル名を見ていない
- 今日ここに来た目的の品ではない
- 試着せずにサイズだけ見て決めようとしている
- 「せっかく来たから」と思っている
→ 3つ以上なら、それはアウトレットだから危ないのではなく、買い方が危ない状態です。
元査定員として言うと、買っていいかは「出口」で決まる
買取カウンターに立っていたころ、アウトレットで買った服を持ち込まれることは日常的にありました。そこで繰り返し見た傾向はひとつです。値段を分けていたのは「どこで買ったか」ではなく、タグが残っているかどうかと、そのブランドがいくらの帯の商品なのかでした。アウトレットで買ったから安い、という減点は査定の側にはありません。
これは感覚の話ではなく、買取サービスが公開している基準を読めば裏づけられます。たとえば宅配買取のフクウロは、公式の買取基準のページで1点ずつ値段がつかないものをはっきり列挙しています。
- 定価5,000円以下の商品は、1点ずつの値段がつかない
公式が「1点ずつお値段がつかないもの」の筆頭に挙げているのがこれです。まとめての査定額になります。アウトレットで「安いから」と選ぶとき、もとの定価がこの線を超えているかどうかが、そのまま出口の分かれ目になります。
- ブランドタグ・品質タグ・洗濯表記タグがない商品も、1点ずつの値段がつかない
チクチクするからとタグを切る人は多いのですが、これをやると売るときの評価軸が消えます。切るなら、売らないと決めた服だけにしてください。
- ノーブランド・ファストファッションも同じ扱い
公式はファストファッションの例として G.U./ユニクロ/GAP/H&M/SHEIN/しまむら などを挙げています。アウトレット向けのレーベルであっても、ブランドのタグが付いているならこれらとは別の扱いです。
出典:フクウロ公式「買取基準について」(調査時点)
つまり、アウトレット向けのレーベルだから売れない、ということはありません。タグを切らず、もとの定価が安すぎないブランドを選んでおけば、着なくなったあとに出口が残ります。ここまで含めて考えると「買ってはいけない」の中身がかなり具体的になります。
アウトレットで買って外しにくいもの
- 元の値段が値札で確認できる品
- 定番の型で、サイズが合っている品
- タグ類がすべて残っている品
- 行く前から狙いを決めていた品
いったん保留にしたいもの
- 比較する価格が書かれていない品
- キズ・汚れがあるのに新品価格と並んでいる品
- サイズが微妙だが安いから、で選んでいる品
- 「もう1点で◯%OFF」に引っぱられて足す品
フクウロ(宅配買取)
買った服の出口を先に確かめておきたいときの選択肢です。公式によると、送料・査定料は0円でキャンセルの場合も無料、取り扱いブランドは6,000以上、査定結果は荷物の到着から最短即日、梱包資材は無料で配布。年間100万着以上・20年以上の買取実績があるとしています。クローゼットを一度整理してから買い足すと、同じ予算でも中身が変わります。
フクウロで無料査定を申し込む 送料・査定料・キャンセル料 無料 / 記載はいずれも公式サイト・調査時点 先に買取基準を確認する状態のランクはどう分かれているのか(フクウロ公式の記載)
公式の買取基準ページでは、S(未使用タグ付き、もしくは新品同様)/A(使用感が少なくかなり状態が良い)/AB(やや使用感があるが比較的状態が良い)/B(使用感はあるが傷や汚れが少ない)/C(使用感のほか傷や汚れが見られる)/D(かなり大きな傷みがある難あり)の6段階が示されています。CとDは値段が付きにくいものの、ブランド品・貴金属は付く場合があるとされています。アウトレットで新品を買っておけば、着る回数しだいでAやAB帯を保てます。
よくある質問
アウトレットで買ってはいけないブランドはどこですか?
アウトレット専売品を出しているブランドはどこですか?
アウトレット専売品がないブランドはありますか?
SHIPS Colorsは品質が悪いのですか?
アウトレットのセールはいつですか?
アウトレットで買った服は、あとで売れますか?
まとめ
「アウトレットで買ってはいけないブランド」を探していた人へ。探しているものは存在しません。公式を1社ずつ当たった結果、専売品と呼ばれていたものの多くは、商品のレーベルですらなく店舗の名前でした。代わりに持ち帰ってほしいのは、次の3つです。
この3つを持っていれば、どのアウトレットでも、どのブランドでも自分で判断できます。ブランド名の一覧を覚える必要はありません。
