「団体信用生命保険」という言葉をご存知でしょうか?
住宅ローンの相談をしている方は、一度は聞いたことのある言葉だと思います。
[chat face=”dansei.jpg” name=”男性” align=”right” border=”yellow” bg=”none”] 住宅ローンについて調べた時に目にしたことがある!よく略して「団信(だんしん)」て言うんだよね? [/chat]
[chat face=”kitaguchi.jpg” name=”宅地建物取引士 北口裕樹” align=”left” border=”none” bg=”yellow”] そうです。この「団信」は、住宅ローンを借りる際には避けては通れない生命保険なんです。 [/chat]
[chat face=”dansei.jpg” name=”男性” align=”right” border=”yellow” bg=”none”] 死亡保険などの「一般的な生命保険」には加入しているけど、それとはまた違うの? [/chat]
[chat face=”kitaguchi.jpg” name=”宅地建物取引士 北口裕樹” align=”left” border=”none” bg=”yellow”] 一般的な生命保険とは違い、住宅ローンを借りる際の条件や金利にも大きく影響してきます。団信とはどういうものかわかりやすく解説していきましょう。 [/chat]
「団体信用生命保険」(略して団信)は、すでにマイホーム購入に向け住宅ローンの相談をしている方はご存知でしょうし、知らない方も将来住宅ローンを組んで購入する際は必ず知ることになる言葉です。
住宅ローンを組む際は、原則この「団信」への加入が必須です。これは言い換えると、団信に加入できない人は住宅ローンが借りられないということです。
団信の加入には健康状態に関する審査に通過する必要があります。
団体信用生命保険(団信)とは?
団信に加入すると、債務者(住宅ローン契約者)が死亡または所定の高度障害に陥った場合、その保険金で残っている住宅ローンが完済されます。
家を買った後に不幸にも亡くなってしまったら、借りている住宅ローンの残りは誰が支払うの?ということになります。銀行側は貸したお金が返ってこないと困るので、万が一に備え保険会社に保険をかけるわけです。
そのため、通常銀行などの金融機関は、住宅ローン借入の条件としてこの団信への加入を必須としています。ただし、独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35では団信への加入は任意となっています。
団信の保険料
一般的な生命保険の場合は、加入者が保険料を支払うことで加入するわけですが、団信の場合は金融機関が保険料を負担してくれます。(正確には住宅ローンで支払う金利に団信の保険料が含まれています。)
住宅ローン借入時に団信への加入が義務付けられているとはいえ、追加で保険料を払う必要が無い上にもしもの時に備られるのでありがたい制度ではありますね。
一方、フラット35は団信加入が任意です。団信の保険料は金利で賄われるという性質上、団信に加入しているか否かによって住宅ローン金利が増減します。(団信加入時は、団信保険料の分が住宅ローン金利に上乗せ)
https://maison-okada.tokyo/2021/04/14/housing-loan-bonus-payment-demerit/保険金の受取人
住宅ローン契約者が死亡するなどして保険金が支払われる場合、その受取人は住宅ローンを貸し出している金融機関です。金融機関は受取った保険金を残りの住宅ローンに充当するため、契約者やその家族による返済が免除となります。
保障期間
団信で保障される期間は、住宅ローンの返済期間と連動します。
住宅ローンの融資実行と同時に保障もスタートし、ローンを完済すると保障も終了します。また、ローン返済中に繰上げ返済をしたために返済期間が短縮した場合も同様です。
ただし、返済期間中であっても一定の年齢で保障が終了するタイプの団信などもあるので、それぞれの商品説明はよく理解するようにしてください。
生命保険料控除
団信の保険料は実質的には契約者が負担しているとはいえ、生命保険料控除の対象とはならない点もご注意ください。
生命保険料控除の対象とするには、保険金受取人が保険契約者か配偶者、あるいはその他の親族であることが必要です。
したがって、団信は保険金受取人が金融機関となるため生命保険料控除の対象になりません。
https://maison-okada.tokyo/2021/05/10/interest-rate/団信の主な種類
通常の団信は、契約者が死亡または高度障害状態になったときにのみ保障されます。
また、金融機関によってはこの他にも様々な特約を付けた保険商品があります。なお、特約を付けた団信は、その保障範囲が広くなるにつれ金利(団信保険料)が上乗せされることが一般的です。
以下は、特約付き団信(疾病団信)の一例です。
がん団信
通常の保障範囲である死亡や高度障害に加えて、ステージⅠ以上のがんと診断された時点で残りの住宅ローンに相当する保険金が支払われます。(ただし、上皮内がん、皮膚がんは原則対象となりません。)
3大疾病保障付き団信
日本人の死因のおよそ半分を占める3大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)と診断され各金融機関所定の条件を満たした場合に保険金が支払われます。
その他
他にも「8大疾病保障付き」や「11疾病保障付き」、夫婦共に住宅ローンを借りる場合の「夫婦連生団信」など金融機関によって様々な特約がついた商品があるので、それぞれ比較したうえで自分に合った団信選びをするようにしましょう。
団体信用生命保険(団信)|まとめ
住宅ローンは非常に長い期間にわたって返済することになります。返済期間中に怪我や病気などの思わぬアクシデントが起こる可能性もあるでしょう。
住宅ローン選びをする際は、金利だけでなく、団信への加入可否や保障内容の手厚さというのも重要なポイントであることを覚えておいてください。
また、団信は保険商品でもあるので、すでにご自身が加入している生命保険と保障内容が重複していないか確認することも大切です。加入している生命保険のうち、団信でカバーできる部分があれば家計を改善できることもありますので、住宅購入をきっかけに資金計画やライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
北口裕樹
<宅地建物取引士 管理業務主任者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士>
大手不動産会社に新卒で入社。不動産営業を経験し、入社2年目から販売事務所長として近畿圏のマンション販売業務を担当する。現在は不動産仲介業・アドバイザーとして独立。
25歳でタワーマンションを購入し不動産投資家としても活動中。
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