筆者は現役のファッションバイヤーで、元アパレル販売員です。本文のイラストはすべて当メディアで制作したものです。結び方の解説は、実際に結んで確認した手順に基づいています。
11種類ありますが、まず覚えるのはプレーンノット1つで足ります。
結び方を増やすより、1つを崩れずに結べるほうが見た目は整います。そのうえで、シャツの襟の開きに合わせて結び目の大きさを変えられるようになると完成です。全11種をイラストで並べたので、必要なものだけ覚えてください。

結論:最初の1つはプレーンノット
手順が少なく、どの襟にも合い、崩れにくい。結び目が小さめなので、失敗しても目立ちません。
そのうえで「結び目が小さすぎて襟の隙間が空く」と感じたら、セミウィンザーかダブルノットに進んでください。順番はこの3つで十分です。残りの8種類は、覚えたい人が覚えればいいものです。
襟の開きで結び目の大きさを選ぶ
結び方を選ぶ基準は好みではなく、シャツの襟の開き具合です。ここが合っていないと、どんなに上手に結んでも収まりが悪く見えます。
| 襟の開き | 合う結び目 | 結び方 |
|---|---|---|
| 標準(レギュラーカラー) | 小〜中 | プレーンノット/セミウィンザー |
| 広い(ワイド・ホリゾンタル) | 大きめ | ウインザーノット/ダブルノット |
| 狭い(ナロー・ボタンダウン) | 小さめ | プレーンノット/スモールノット/クロスノット |
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ネクタイの結び方11種
1. プレーンノット

いちばん基本で、いちばん使える結び方です。結び目が小さめの逆三角形になり、どの襟にも合います。迷ったらこれ。手順が少ないので、朝の時間がない日でも崩れません。
2. ウインザーノット

結び目が大きく、正三角形に近い形になります。開きの広いワイドカラーやホリゾンタルカラーに合わせると、襟の隙間がきれいに埋まります。厚手のネクタイでやると大きくなりすぎるので、薄手向きです。
3. セミウィンザーノット

ウインザーより一回り小さい結び目です。プレーンノットでは小さい、ウインザーでは大きいというときの中間。レギュラーカラーとの相性がよく、使い勝手のいい結び方です。
4. ダブルノット

プレーンノットの巻きを1回増やしただけです。結び目に厚みが出るので、薄手のネクタイでも形が決まります。手順がほぼ同じなので、プレーンノットの次に覚えるならこれです。
5. エルドリッジノット

編み込んだような複雑な結び目になります。手順が多く、結婚式の二次会など見せる場面向けです。仕事で毎日やる結び方ではありません。
6. トリニティノット

三つ巴のような形になる結び方です。エルドリッジと同じく見せるための結び方で、無地のネクタイでやると形がはっきり出ます。
7. クロスノット

結び目に斜めの線が入るのが特徴です。小さめの結び目なので、襟の開きが狭いシャツと合います。無地か細かい柄のほうが線が見えます。
8. スモールノット

名前のとおり最小の結び目です。厚手のネクタイや、ニットタイに向きます。結び目が大きくなりすぎる素材を、すっきり見せたいときに使います。
9. ノンノット

輪に通すだけで結び目を作らない方法です。形が独特なので好みが分かれますが、手順はいちばん簡単です。
10. プレーンノット変形

プレーンノットの巻き方を変えたものです。結び目の傾きが変わるので、いつもと違う印象にしたいときに。手順は基本形とほぼ同じです。
11. ブラインドフォールドノット

結び目の上に横のラインが乗る形です。手順は多いですが、覚えると目を引きます。無地のネクタイのほうが線がきれいに出ます。

結んだあとの長さは「ベルトのバックルに触れるまで」

大剣(太いほう)の先が、ベルトのバックルに軽くかかる位置が基準です。短いと子どもっぽく、長いとだらしなく見えます。
長さが合わないときは、結ぶ前の左右の配分で調整します。結び直すのは1回で済ませてください。何度も結び直すと生地に癖が残り、次に結ぶときも同じ場所で折れます。
結び方より差が出る3つ
正直に言うと、結び方の種類を増やしても見た目はあまり変わりません。差が出るのは次の3つです。
- 結び目と襟の隙間
結び目の両側に隙間が空いていると、締まって見えません。襟の開きに対して結び目が小さいのが原因です。結び方を1段階大きいものに変えれば解決します。
- 第一ボタンを留めているか
ネクタイをしているのに第一ボタンが開いていると、それだけで崩れて見えます。留めると苦しいシャツは、そもそも首回りのサイズが合っていません。
- 小剣が大剣から出ていないか
後ろの細いほうがはみ出していると、目立ちます。シャツのループに通すか、通す場所がないネクタイなら長さの配分で調整してください。
毎日のこと。1本を長く使うために
ネクタイは消耗品です。ただし扱い方で寿命はかなり変わります。
- 外すときは結んだ手順を逆にたどる
引き抜くと生地がねじれ、その癖が残ります。急いでいても、大剣を戻して緩めてから外してください。
- その日は掛けて休ませる
結んだ直後は生地が伸びています。1日吊るしておくと形が戻ります。連日同じネクタイを締めると、伸びたまま固まります。
- 畳まずに掛けて保管する
畳むと折り目が付きます。ハンガーに掛けるか、丸めて引き出しに入れてください。丸めるときは、きつく巻かないのがコツです。
- シミは自分で擦らない
シルクは水に弱く、擦ると輪ジミになります。落とそうとして広げるより、そのままクリーニングに出すほうが結果的にきれいに戻ります。
ディンプルが入るだけで印象が変わる

結び目の下にできる、くぼみのことです。ここが入っているかどうかで、同じネクタイでも印象がまったく違います。入っていないと平たく潰れて見えます。

くぼみが1つのセンターディンプルが基本形です。2つのダブル、左右非対称のアシンメトリーもありますが、まずはセンターが安定して作れるようになれば十分です。
崩れないディンプルの作り方

- 締める前にくぼみを作る
結び目を上に持っていく途中、まだ緩いうちに指でくぼみを作ります。締めてから作ろうとすると必ず崩れます。
- 指で押さえたまま締め上げる
くぼみを人差し指で押さえた状態のまま、小剣を引いて締めます。ここで指を離すと形が消えます。
- 最後に結び目を上下から整える
締め切ってから、結び目を上下から軽くつまんで形を出します。左右に引っ張ると崩れるので触らないでください。
ネクタイを買い足すなら
結び方を覚えたあとに効くのは、幅と素材の選択です。流行に左右されにくいのは剣先の幅8cm前後で、素材はシルク。この2つを外さなければ、何年でも使えます。
色は最初の3本なら、紺の無地・えんじのストライプ・グレーの小紋。この組み合わせがあれば、仕事で困る場面はほぼありません。柄物を増やすのはそのあとです。
