EC(イーコマース)が右肩上がりに成長している現在。
書籍の売り上げでは、とうとう電子書籍が紙の本を上回りました。
スマホ1つで『検索』『買い物』の流れが完了するのですからそれも当然です。
そんな時代にあって、通販の需要も過去にないほど高まっています。
「店舗に行かず通販しかしない」という人も多いのではないのでしょうか!
通販はお手軽ですよね。
店員さんにあれこれ話しかけられることもなく、交通費払って店舗に行く手間もなく、画面を叩くだけで数日後に自宅に洋服が届きます。
半面、怖いのが「思ったのと違った!」という失敗。
そんな方の助けになればと、失敗を積み重ねてきました私がお話し致します。
身も蓋もない結論
まず1つの揺るぎない事実があります。
成功へのいちばんの近道は、失敗することです
届いた洋服のサイズがやたら小さかった/大きかった。
→「じゃあ次からはワンサイズ調整して注文したらいいんだな!」
色味が商品画像と違った。
→「じゃあスタッフさんの着画像の、他の洋服の色味から判断しよう!」
→「届いた色が少し薄かったから、この店の撮影の照明は明るいんだな!」
というふうに、失敗から”次はどうすべきか?”が学べます。
私自身、このように学びました。
お金も結構使ってしまいました。
(それでも完璧にとは言えませんが)今では通販で「想像と違った」ということは90パーセントありません。
成功する為には失敗する必要がある。
これは確かに1つの事実なのですが、最初から失敗したくないから記事を見て頂いているわけですよね?
大丈夫です。
失敗してお金を無駄にすることを最小限にしつつ、通販を上手く活用する方法はあります。
自分の好み・体系を知る
誰にでも通用するファッションの方程式というのは存在しません。
自分と他人ではまず体形が違います。
それから洋服の好みが違います。
正解は人によって様々です。
ですから「こういう時はこうするのが正解!」という万人向けの方程式など通用しません。
ですが、”自分はなにが好きか?”は簡単にわかりますよね?
キレイめなファッション、ストリート、スポーティ、アメカジ。
“自分の体型”と”自分の好み”をちゃんと把握することで、正しい選択に近づけることができます。
例えば私は身体が細いです。
でも細いことが自慢ではなくて、時々ちょっと嫌です。
だから体形が隠れる大きめのトップスが好きですし、反対に細さを活かした細いパンツが好き。
ですからトップスはジャストより大きめサイズ、パンツはジャスト~細めサイズを選びます。
まあファッションが好きな人なら誰しも好みの価値観は毎年少しずつ変化するので(詳しくは『なぜ去年お気に入りだった洋服が今年はものたりなく思えるのか?』の記事をご覧下さい)、その都度欲しいものをを定義し直すことになるはずですが、1つの基準点があるとそこからの微調整で済むので楽なんですよ。
その基準点たり得るのものが、洋服のスペックです。
- 着丈 … 襟(えり)の中心から裾(すそ)までの長さ。縦の長さがわかります
- 身幅 … 脇の下から左右を計った長さ。細身かゆったりめかがわかります
- 裾幅 … パンツを平置きにした時の裾の幅。パンツの太さがわかります
ここで注意したいのは、サイズ表にある『1』『2』『3』または『S』『M』『L』はブランドごとに異なるということです。
「俺はいつもSだからSでいいだろう」なんて思っていると大失敗します。
ブランドや販売店が発表しているサイズ表を見ると、そのことがよくわかります。
スリムな洋服を作っているブランドのSと、ストリートカジュアルブランドのSはかなり違うでしょう。
また、同じブランドの中でも商品によって大きさは異なります。
困ったものですよね。
だから自分に合ったサイズを探す時は『1』や『S』じゃなく、スペックから判断すべきなのです。
自分を知る 実践編
スペックを知ればいいと言われても最初は全然ピンときません。
自分にはどの数値が適正なのか?
最初に言ったことですが、これを知るのに有効な方法が”失敗”です。
失敗すれば「これじゃ大きい」「これじゃ短い」ことがわかります。
そしてその数値を憶えておけば、そこから微調整(失敗)をくり返すことで自分が求めているサイズ感に行き着くことができます。
最も手っ取り早い方法は”通販に失敗すること”……のはずだったんです、少し前までは。
今はいい時代になりました。
失敗しなくとも、失敗と同じ経験が得られる方法が2つあります。
●返品可能な洋服で試す
EC市場が巨大になった現在では、「返品可能」「送料無料」をうたうお店は多いです。
せっかくなのでそのお言葉に甘えてしまいましょう!
欲しい洋服があってサイズがわからない場合、複数サイズで取り寄せして、家で試着して、好みのサイズ以外を返品してしまえば失敗になりません。好みでなかった場合は全部返品すればOK。この場合「返品料金」は自己負担ですが、気に入らない洋服を買い取るよりははるかに痛手がないし、お店に出向いて試着する時間をお金で買ったと思えば損失分を気にし過ぎることもないでしょう。
そして、失敗したにせよ運良く成功したにせよ、洋服のスペックはいちいちメモしておきましょう。
「着丈がこれくらいならこんな見た目になるんだな」ということを実際に着て目で理解することも貴重な経験になります。
これを複数回くり返すことで、自然に”自分のサイズ”がわかるようになります。
●近くのショップに行き、適当な洋服を試着だけして買わない
通販サイトが返品に対応していない場合(そもそも予約商品はほとんどのお店が「返品不可」です)に有効です。
セレクトショップ等に出向き、欲しいアイテムと同じような大きさorかたちの洋服を試着して、ついでに店員さんにサイズを計って教えてもらえばいいのです。(メジャー持参で自分で計ってもいいかもですね)
昨今のメンズアパレルのお店はとにかくお客さんが入りません。(特に平日)
なので、お店の人はお客様に来店してもらえるだけで価値を感じてくれます。
「試着だけさせてもらっていいですか?」とひと言断っておけば邪険に扱われることもないでしょう。
私はよくなにも買わないで店じゅう見るだけ見て帰りますが、文句を言われたことはありません。
フィッティングルームの鏡に映し「このサイズはこれくらいの数値になるんだな」ということを学びます。
これまた複数回実践することで理想に近づけます。
私の例を紹介しますと、
Tシャツの場合
着丈:73~75 (オーバーサイズ気味)
身幅:50~55 (同じく)
がストライクゾーンですね。
ユニクロなら『2XL』くらい。でも、他のブランドで着丈75とあれば、それが『M』でも買います。
なんとなくの感覚に惑わされずショッピングができるのです。
パンツの場合は
裾幅:23 (これはかなり細めです。ほとんど市場にないのでお直しすることが多い)
私はパンツは裾幅を見てサイズを選びます。
ウエストが緩ければベルトで締めたらいいし、少々きつくても履いてりゃ伸びます。
裾幅とそこに繋がるラインは、パンツのかたちを決める最重要部分なので、裾幅を最重視しています。
※裾幅は、平置きの実寸「23」と書いてある場合と、一周した実寸「46」(平置き×2)の場合があります。
というふうに自分のストライクゾーンを失敗から学んでいます。
これがアウターになるとまた話は変わってきますね。
今はマキシ丈コートがトレンドだし好みなので、着丈は115~120欲しいところ。
秋は重ね着したいからインナーに「着丈+2センチ」とか変化球もあり。
モノ毎にそれぞれ理想のサイズがあるわけですが、これくらい絞り込んで数値を掴むことができれば非常に便利です。
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こんな具合に、自分の理想の数値を把握できると、目の前に実物がなくとも数値から”ある程度は”予測できるようになり、慣れてくれば写真を見るだけで「これ店員さんの計測ミスじゃない?」ということすらわかってきます。
さらに失敗を減らす為には?
●複数の着画像を見比べる
『ブランド』や『洋服名』で画像検索して複数の写真を見比べます。
WEAR(ファッションコーデサイト)や、そのブランドを扱っているセレクトショップのブログを探せば結構見つかるものです。
色味の違いだったり、着ている人の身長や体格から洋服のサイズ感が予測できます。
●スペックが公表されていない場合、メールで問い合わせてみる
写真からイメージが掴みにくい場合は数値が頼りになるのですが、着丈身幅等の情報が商品ページに記載されていないこともよーくあります。予約商品などは将来的に仕様変更もあり得るので表記されません。
そんな時にわざわざ電話で問い合わせるのは億劫でしょうから、メールで気軽に問い合わせてみましょう。
細かいサイズはわからなくとも、スタッフさんは展示会や店頭で実際に見ているはずなので、力になってくれますよ。
消費者目線で言えば、発売済みのものは全部スペック書いて欲しいのですけどねぇ…。
まとめ
通販をうまく利用する為には、
- 自分自身の好みのサイズ感を理解する
- その上で、洋服のスペックと写真から実物像を把握する
おそらく通販の失敗をゼロにすることは不可能です。
なぜなら洋服は平面じゃなく立体裁断であって、数値だけで計れるものじゃないから。
素材が固いか柔らかいかでも着丈に差が出ます。
ですが、ご紹介した方法を実践して慣れていくことで、失敗は限りなく減らすことができます。
いいショッピングができるようお祈りします。
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