服の見方が変わるファッション映画16本|30代が最初に観るならこの3本

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筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、現在は古物商として古着の売買を行っています。この記事の「どんな服が出るか」「どこを見ると服選びに効くか」は、その経験にもとづく筆者の見方です。なお配信サービスのラインナップは入れ替わるため、作品ごとの配信先は書いていません。観られる場所は、各サービスの検索窓に作品名を入れて確認してください。

CONCLUSION

ファッション映画は「衣装を眺める映画」と「服の見方が残る映画」の2種類です。

この記事では16本を後者の視点で並べ直しました。30代の男性が最初に観るなら、キングスマン →(500)日のサマー → ディオールと私の3本です。この順番で観ると「かっこいい服」ではなく「自分が着られる服」の基準が手に入ります。

最初に観る3本を見る

目次

この16本は、はっきり2種類に分かれる

ファッション映画をまとめた記事はたくさんありますが、「観たのに何も変わらなかった」で終わることが多いはずです。理由は単純で、服が出てくる映画には性質の違う2種類があり、それが混ざって並べられているからです。

TYPE 1

衣装を眺める映画

眼の保養

  • ラグジュアリーブランドの服が次々に出る
  • 観ている間は楽しい
  • 自分の生活では着られない服が多い
  • 翌日の服選びは変わらない
TYPE 2

服の見方が残る映画

基準

  • 服の役割や作りが見える
  • 登場人物の服が日常の範囲に近い
  • 「なぜそう見えるか」の理由がわかる
  • 観たあと自分の服を見る目が変わる

どちらが偉いという話ではありません。ただ、服選びに効かせたいなら、観る順番を TYPE 2 から始めるべきだということです。先に TYPE 1 から入ると「ハイブランドを着ないと意味がない」という結論になりやすく、これがいちばんもったいない勘違いです。

補足:この分類は作品の優劣ではなく、「30代の男性が自分の服選びに持ち帰れる量」で分けた筆者の見方です。公開年・出演者・配信先は、公式で確認できるものが揃わなかったため記載していません。

16本の早見表

作品 型 どんな服が出るか 持ち帰れる見方 30代男性への効き
キングスマン TYPE 2 ブリティッシュスーツ、眼鏡、革靴 肩と袖丈が合うだけで別人に見える ◎
(500)日のサマー TYPE 2 シャツ、ニット、ネクタイ、カーディガン 普通の服を「きちんと」着る手数 ◎
ディオールと私 TYPE 2 オートクチュールの製作過程 縫製と仮縫いを見る目がつく ◎
華麗なるギャツビー TYPE 1 フォーマル、タキシード、三つ揃え 礼装の格を揃えるという考え方 ○
ファッションが教えてくれること TYPE 2 業界人の仕事着 服が決まる前の「決める人」の視点 ○
We Margiela マルジェラと私たち TYPE 2 マルジェラのコレクションと工房 デザイナーの名前を消すという思想 ○
イヴ・サンローラン TYPE 1 クチュールとプレタポルテ ブランド名の裏にいる個人 ○
マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年 TYPE 2 靴、木型、スケッチ 靴は形から先に決まる ○
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー TYPE 2 眼鏡、アクセサリー、古着の重ね着 年齢を服の言い訳にしない姿 ○
ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ TYPE 2 編集者の服と誌面 流行は生まれるのではなく作られる ○
プラダを着た悪魔 TYPE 1 ラグジュアリーブランド全般 服装が肩書きとして機能する場面 ○
ココ・シャネル TYPE 1 初期シャネルのジャージー素材 動ける服が新しさだった時代 △
ラ・ラ・ランド TYPE 1 原色のドレス、ジャケット 色数を絞ると配色が決まる △
ブルックリン TYPE 1 オーソドックスなコート、ニット 定番服は古びないという証明 △
お買いもの中毒な私! TYPE 1 ブランド服の大量消費 買いすぎの自覚という逆の学び △
ネオン・デーモン TYPE 1 ドレス、モードな演出 照明と色で服の見え方が変わる △

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最初に観る3本

16本のうち、服選びへの効き方が明らかに違うのがこの3本です。上から順に観てください。外から見た印象 → 自分の日常服 → 服の作りと、視点がだんだん内側に入っていく順番にしてあります。

1. キングスマン|肩と袖丈だけで人は変わる

○
VERDICT スーツやジャケットを着る機会があるなら、まずこれ

スパイ映画として観ても面白いのですが、注目すべきは登場人物が着るブリティッシュスーツです。「高い服だから格好よく見える」のではなく、肩の位置と袖丈が合っているから格好よく見えるという事実が、同じ人物の着替え前後で確認できます。

販売の現場でいちばん多い失敗は、サイズではなく「肩が合っていないのに気づいていない」ことです。この作品を観たあとで自分のジャケットを鏡で見ると、肩の縫い目が肩先からずれているかどうかが自分でわかるようになります。これは価格では解決しません。

  1. 肩の縫い目の位置を見る

    肩先の骨の真上に縫い目が来ているか。外にはみ出していると、何を着ても着せられている感じになります。直せないので、買うときに見るしかない部分です。

  2. 袖から手首が1〜2cm出ているか

    袖口がシャツを隠していると、腕が短く見えます。袖丈は直せるので、手持ちのジャケットでも今日から変えられます。

  3. ネクタイの結び目の大きさを襟に合わせる

    作品のなかで襟の開きと結び目の大きさが揃っています。ここだけ真似すると、同じスーツでも印象が変わります。

結び方そのものを変えたい場合は、ネクタイの結び方11種をイラストで|まず覚えるのはプレーンノット1つで手順を確認してください。この記事を読んだあとに観ると、画面の結び目の違いが見えるようになります。

キングスマン
KINGSMAN / 映像ソフト

キングスマン

1,650円

楽天市場・調査時点の価格 ★4.45(11件のレビュー)

価格・レビューは楽天市場の調査時点のものです。配信で観られる場合もあるため、各サービスの検索窓で作品名を確認してください。

2. (500)日のサマー|普通の服を「きちんと」着るだけの手数

○
VERDICT 私服の正解がわからない人に、いちばん効く1本

出てくるのはシャツ、ニット、ネクタイ、カーディガン。どれも特別な服ではありません。それでも整って見えるのは、手数の置き方が一貫しているからです。真似できる範囲がこの16本でもっとも広い作品です。

30代で私服に困る人の多くは、服を持っていないのではなく、持っている服の合わせ方の型を持っていないだけです。この作品の主人公の服は、シャツにニットを重ねて、足元を革靴に寄せる、という単純な型の繰り返しで成立しています。手持ちの服でそのまま再現できます。

真似しやすさ手持ちの服で再現できるか
服の情報量出てくるブランドの幅
物語としての面白さ服を忘れても楽しめるか

3. ディオールと私|服が「できていく」側から見る

○
VERDICT 服の値段の意味がわかるようになる1本

ディオールに迎えられたデザイナーが、最初のコレクションを出すまでを追ったドキュメンタリーです。見どころは服そのものより、仮縫いを何度もやり直す工房の手つきと、デザイナーの言葉を形にしていく職人たちの作業です。

元記事を書いた時点から変わらず、この作品をおすすめする理由はここにあります。一着を作り抜くこだわり、デザイナーの話を形にする周囲のスタッフ、ハイブランドの工房の中。ふだん値札だけを見ている服が、どれだけの工程を経ているのかが見えます。

これを観たあとに古着屋やセールの棚を見ると、縫い代の処理や裏地の始末といった、値段に表れにくい部分に目が行くようになります。査定の現場で価格差がつくのもまさにそこで、ブランド名より先に見るのは縫製です。

この3本を「正解」として押しつけるつもりはありません。ただ、観る順番を変えるだけで持ち帰れる量が変わるのは確かです。残りの13本も、下で役割ごとに整理しています。

ファッションアイコンとは、何のことか

作品紹介でよく出てくる「ファッションアイコン」という言葉は、ほとんどの記事で説明されないまま使われています。ここで一度はっきりさせておきます。

意味服装で時代に影響を与えた人
条件1本人の着方に一貫性がある
条件2他人が真似を始めた
条件3その影響が年単位で残った

つまりファッションアイコンとは、おしゃれな人のことではなく、その人の服の着方が他人に移って流行になった人のことです。デザイナーとは別の存在で、服を作る側ではなく「着る側」「選ぶ側」から時代を動かした人を指します。

ここを分けて理解しておくと、作品の見方が変わります。デザイナーの伝記映画は「作る側」の話、アイコンのドキュメンタリーは「着る側・選ぶ側」の話です。服選びに直接効くのは後者です。自分も着る側だからです。

アイコンを知る3本

  1. アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー

    眼鏡・アクセサリー・古着を躊躇なく重ねる人のドキュメンタリーです。高い服を買う話ではなく、自分の形を決めてそれを貫くとどうなるかの実例です。年齢を服の言い訳にしている人にいちばん効きます。

  2. ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ

    雑誌の編集側から流行を作った人の生涯です。流行は自然に生まれるのではなく、誰かが選んで押し出しているという当たり前の事実が見えます。これが見えると、流行に乗るか降りるかを自分で決められるようになります。

  3. ファッションが教えてくれること

    米国版ヴォーグの編集長に密着したドキュメンタリーです。服が店に並ぶ前に、どこで誰が何を決めているのか。業界の意思決定の順番がわかります。

補足:この3作品で扱われるのは実在の人物です。この記事では、作品のなかで本人が見せている仕事と服装の話だけに触れています。

残りの10本は、目的別に選ぶ

ここからは「必ず観るべき」ではなく、興味のある入口から1本選ぶ使い方をしてください。畳んであるので、気になるものだけ開けば十分です。

ブランドの成り立ちを知る4本

We Margiela マルジェラと私たち/服好きなら名前は知っているのに、顔も声も知られていないデザイナーのブランドを、周囲の人々の証言から描いた作品です。デザイナー個人を押し出さないという選択自体が、服のブランドのあり方として独特です。マルジェラを「なんとなく高い服」で終わらせたくない人に。

イヴ・サンローラン/ブランド名として知られている人物の伝記です。若くして業界の中心に立った人が抱えた重圧と葛藤が描かれます。いま店頭で見るロゴの背後に個人がいたことがわかります。

ココ・シャネル/全ての女性が憧れるブランドとして君臨しているシャネルが、どのようにして今の形になったのか。失敗と挑戦の積み重ねとして見られます。動きやすい素材を女性服に持ち込んだという文脈は、いまの服選びにもつながります。

マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年/靴のデザイナーのドキュメンタリーです。靴は布の服と違って形が先に決まるので、木型とスケッチの話がそのまま靴選びの知識になります。自分の足の形に合う靴を探している人には実用的です。

服が主役の物語6本

プラダを着た悪魔/ファッション業界で奮闘する人物を描いた作品です。公開から長く経っていますが、いつ観ても強い作品です。衣装はラグジュアリーブランドで揃えられており、服装が肩書きとして機能する場面が繰り返し出てきます。入口として観るならこれです。

華麗なるギャツビー/パーティーの場面が多く、フォーマルな装いの見本市のような作品です。礼装は「格を揃える」という考え方で成り立っているので、結婚式や式典で迷う人には参考になります。

ラ・ラ・ランド/服より色の作品です。ビビッドな色を合わせた画面が続き、色数を絞ると配色が決まるという原則が体感できます。衣装替えの回数が多く、場面ごとの色の役割を追うのが楽しい作品です。

お買いもの中毒な私!/パッケージまで含めて作りが洒落ている作品です。服好きなら共感できる部分も多いでしょう。逆の学びとして、買いすぎている自分に気づかせてくれる作品でもあります。

ブルックリン/新天地へ渡った人物の物語です。オーソドックスな装いが続き、定番の服は古びないという事実が画面で確認できます。新生活を始める人、これから始める人に。

ネオン・デーモン/モデルの世界を描いた作品です。ドレッシーな装いが多く、照明と演出で服の見え方がどこまで変わるかがわかります。刺激の強い場面もあるので、好みが分かれる1本です。

髪のボリュームが気になって服で迷っている場合は、作品選びより先におしゃれハゲになるファッション|ハゲ・薄毛に足すのは「メガネ・帽子・襟」の3点を読んでください。この記事は作品の話に絞っているので、髪と服の組み合わせはそちらで扱っています。

観たあとにやると、いちばん効くこと

ここが本題です。服の見方が変わった直後が、クローゼットを見直す唯一のタイミングです。見方が変わると、持っている服の評価も変わるからです。まずは当てはまる数を数えてください。

3つ以上あてはまる人は、観たあとすぐに手を動かすべきです

  • 肩の縫い目が肩先からずれているジャケットがある
  • 袖丈を直さないまま2年以上着ている
  • 去年のシーズンに一度も着なかった服が5点以上ある
  • 似た色・似た形の服が3枚以上ダブっている
  • 買ったときは気に入っていたのに、いま着ると違和感がある

→ 3つ以上なら、新しい服を買う前に「着ない服を外に出す」段階です。

△
VERDICT 捨てるのはまだ早い。まず値段を見てから決める

着ない服でも、ブランドと状態によっては値が付きます。査定員として言えるのは、本人が「もう着ない」と思っている服と、市場で値が付く服は別だということです。捨てるか残すかの判断は、値段を見てからのほうが納得できます。

着ない服を、まとめて値段に変える

点数が多いときは、店頭に持ち込むより宅配買取のほうが現実的です。筆者が使い先として挙げているのはフクウロです。公式サイトで確認できる条件は次のとおりです。

サービス宅配買取
送料・査定料0円
取扱ブランド6,000以上
査定結果最短即日

出典:フクウロ公式サイト(運営:株式会社ベクトル)に掲載の「送料・査定料 全部0円 キャンセルの場合も 全て無料」「取り扱いブランド数は業界最多水準の6,000以上」「最短即日 ※お荷物到着から査定結果通知まで」の記載より。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

宅配買取が向いている人

  • 出す点数が多く、持ち込みが大変
  • 店員と値段の交渉をしたくない
  • まず金額を見てから決めたい

向いていない人

  • 今日中に現金が必要
  • 売るものが1〜2点しかない
  • 梱包と発送の手間をかけたくない
NO.1

フクウロ

株式会社ベクトルが運営する古着の宅配買取です。公式サイトでは取り扱いブランド数6,000以上と案内されており、送料・査定料は0円、キャンセルの場合も無料と明記されています。査定結果は荷物到着から最短即日です。

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売り先を比べてから決めたい場合

1社だけで決めたくないときは、服のタイプ別に売り先を整理した記事があります。ブランドが付いていない服が多い場合は、そもそも引き取ってもらえるかどうかから変わるので、別の記事で扱っています。

注意:勤務先の社販で購入した商品の転売を、就業規則で禁止している会社があります。在職中の売却は懲戒の対象になり得るため、必ず自社の規定を確認してください。

よくある質問

ファッション映画を観ると、服のセンスは良くなりますか?
作品を眺めるだけでは変わりません。変わるのは「どこを見るか」が増えたときです。肩の位置、袖丈、色数、縫製といった具体的な見どころを決めてから観ると、自分の服を評価する基準が増えます。この記事で各作品に「持ち帰れる見方」を書いているのはそのためです。
ファッションアイコンとは、誰のことですか?
服装で時代に影響を与えた人のことです。おしゃれな人という意味ではなく、本人の着方に一貫性があり、他人が真似を始め、その影響が年単位で残った人を指します。服を作るデザイナーとは別で、着る側・選ぶ側から流行を動かした人です。この記事ではアイリス・アプフェル、ダイアナ・ヴリーランド、米国版ヴォーグの編集長を扱った3作品を紹介しています。
どの配信サービスで観られますか?
配信のラインナップは入れ替わるため、この記事では作品ごとの配信先を書いていません。各サービスの検索窓に作品名を入れて確認するのが確実です。配信されていない作品は、映像ソフトを探すか、リバイバル上映を待つことになります。
女性が主人公の作品は、男の服選びの参考になりますか?
なります。ただし服そのものではなく、服の役割の見方として参考になります。服装が肩書きとして機能する場面、色数の絞り方、定番が古びない理由などは性別に関係ありません。手持ちの服でそのまま真似したいなら、この記事で「TYPE 2」としている作品から選んでください。

もう一度、着ない服の値段だけ見ておく

観る作品を決めたら、観終わったあとにクローゼットを開ける約束だけしておいてください。見方が変わった直後が、いちばん判断がはやく進みます。送料・査定料は0円、キャンセルの場合も無料と公式サイトに明記されているので、値段を見るだけでも構いません。

フクウロで無料査定を申し込む 宅配買取/運営:株式会社ベクトル

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