筆者はアパレル販売員と買取査定員としての勤務経験があり、現在は古物商としてブランド古着の買取・販売を営んでいます。本記事のセカンドストリートに関する記載は、すべて同社公式ヘルプで確認できた内容にもとづきます(調査時点のもので、条件は変わることがあります)。買取の条件は変わることがあるため、出す直前に公式ページでご確認ください。
ビジネスバッグがセカストでつまずく理由は、状態よりタグの国内代理店表記です。
ポーターやTUMIのような定番ブランドは、公式の「代理店表記がないと買取できないブランド」一覧に載っていません。一方でコーチ・プラダ・ヴィトンは載っています。元査定員が、玄関を出る前の見分け方を公式の条件だけで整理します。
まず買取できない7条件を見る転職や異動のタイミングでビジネスバッグを買い替えると、前のバッグが玄関に残ります。捨てるのは惜しいけれど、「カバンなんて二束三文だろう」と思うと持ち込む気にもならない。この記事はその状態で止まっている人に向けて書いています。
結論から言うと、ビジネスバッグの買取で最初に効いてくるのはブランドが公式の「代理店表記リスト」に載っているかどうかです。状態の話はその次に来ます。順番を逆にすると、持ち込んでから「このブランドはお取り扱いできません」と言われて帰ることになります。
出典:セカンドストリート公式ヘルプ「買取ができないお品物:バッグ類(メンズ)」「買取ができないお品物:国内代理店表記がないと買取できないブランド(メンズ)」(help.2ndstreet.jp/調査時点に筆者が閲覧・集計)
公式が出している「バッグが買取できない7条件」
セカンドストリートは品目ごとに買取できない条件を公開しています。バッグ類(メンズ)はこの7つです。衣類や靴とは項目が違うので、服の記事で見た条件をそのまま当てはめないでください。
| 公式の条件 | 何を見られるか | 自分で直せるか |
|---|---|---|
| スナップ、ジッパーが破損しているもの | ファスナーが途中で引っかかる・引き手が取れている | ×(修理扱い) |
| 目立つシミや汚れ、破れがあるもの | 底角のスレ、持ち手の黒ずみ、内側のインク跡 | △(汚れは落とせる) |
| たばこ、香水等のニオイが著しく付着しているもの | 開けた瞬間のニオイ | △(風通しで軽減) |
| カビ、保存臭があるもの | 内側の白い粉、押し入れのニオイ | △(軽度なら) |
| 使用できないもの | 持ち手が切れている・自立しない | × |
| 型崩れしている | 横から見て本体がたわんでいる | ×(戻らない) |
| ベタつきがあるもの | 合皮の表面が指に付く | ×(素材の劣化) |
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出典:セカンドストリート公式ヘルプ「買取ができないお品物:バッグ類(メンズ)」(調査時点)。「何を見られるか」「自分で直せるか」の欄は、公式の条件に対する筆者(元買取査定員)の補足です。
この7つのうち、自分でどうにかできるのは「汚れ」と「ニオイ・カビ」の3項目だけです。残りの4つ(破損・使用できない・型崩れ・ベタつき)は、素材や構造が終わっているという判定なので、手入れをしても結果は変わりません。
持ち込む前に、この5か所だけ見てください
- ファスナーを端から端まで1回動かしてみる(引っかかる・歯が飛ぶ)
- 合皮の部分を指の腹で3秒押さえる(指紋が残る・ベタつく)
- 空にして床に置き、横から見る(本体がたわんで自立しない)
- 内側を開けて顔を近づける(押し入れのニオイ・白い粉)
- 底の4つの角を見る(下地が出るほどスレている)
→ 1つでも当てはまれば、公式の買取不可条件に該当します。出しても値段は付きません。0個なら次の章へ進んでください。
公式が買取不可条件に挙げている項目です。合皮のベタつきは表面の樹脂が分解して起きるもので、拭いても一時的に取れるだけで戻りません。査定員時代もここは一律で見送りにしていました。持ち込む手間のほうが大きいので、処分に回すほうが早いです。
査定カウンターでいちばん気まずいのが、ビジネスバッグを出されたときでした。状態は悪くない、むしろきれいなのに、タグに代理店の表記がなくてお断りするしかない。「状態を見てもらえないんですか」と言われるのですが、状態の前の段階で決まっている条件なので、こちらで判断を変えられないんです。
つまずくのは状態ではなく「タグの代理店表記」
セカンドストリートは、買取できないお品物のひとつとしてブランドの一覧も公開しています。公式の文言はこうです。
一覧はA〜Zと数字のブロックに分かれていて、全部で115ブランドありました。問題は、この一覧にビジネスバッグで名前が挙がる高級ブランドがまとまって入っていることです。つまり「高いバッグほどこの壁に当たりやすい」という逆転が起きます。
筆者が一覧を1件ずつ照合した結果を、ビジネスバッグに関係するブランドだけ抜き出すとこうなります。
| 一覧にある(代理店表記が必要) | 一覧にない(この条件はかからない) |
|---|---|
| COACH | PORTER(吉田カバン) |
| PRADA | TUMI |
| LOUIS VUITTON | BRIEFING |
| GUCCI | Samsonite |
| BOTTEGA VENETA | ACE |
| dunhill | 土屋鞄製造所 |
| BALLY | GANZO |
| BERLUTI | aniary |
| HUNTING WORLD | FELISI |
| Salvatore Ferragamo | Orobianco |
| LOEWE | ZERO HALLIBURTON |
| TOM FORD | master-piece |
| S.T.Dupont | THE NORTH FACE |
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出典:セカンドストリート公式ヘルプ「買取ができないお品物:国内代理店表記がないと買取できないブランド(メンズ)」の掲載一覧(全115件)に対して、筆者が左右26ブランドを1件ずつ照合(調査時点)。一覧は公式が更新するため、出す前に公式ヘルプで最新の掲載をご確認ください。
右側の列を見てください。日本のビジネスバッグの定番と言われるブランドは、ほぼ全部が一覧の外です。ポーター、TUMI、ブリーフィング、エース、土屋鞄、ガンゾ。30代の通勤バッグとして現実的に選ばれているところが、そのまま並びます。
代理店表記の条件がかからないので、見るのは前章の7条件だけです。1つも当たらないなら、タグを探す作業は不要です。公式はバッグ類(メンズ)の買取方法を「店頭買取」「宅配買取」の2つと案内しています。
並行輸入や海外の直営店で買ったものは、国内代理店の表記が入っていないことがあります。その場合、状態がどれだけよくてもセカンドストリートでは買取できません。表記が見つからなかったときは、次の章の出し先を検討してください。
代理店表記でつまずいた高級バッグは、どこに出すか
セカンドストリートが代理店表記を求めるのは、真贋の判断を現場で引き受けないためです。全国に店舗があって、あらゆる品目を扱う店だからこその線引きで、これは合理的な運用だと思います。
逆に言えば、鑑定を自前でやる前提の店なら、同じバッグでも入口で止まりません。ブランド品の宅配買取を専門にしているところが選択肢になります。
RECLO(リクロ)
ブランド品の宅配買取。公式は取扱いを「ブランド品(バッグ・小物・時計・靴・アパレル・アクセサリー)や貴金属等」、対応ブランドを「1,000種類以上」と案内しています。買取強化ブランドにルイヴィトン・グッチ・プラダ・ロエベ・セリーヌが挙がっていて、これはセカンドストリートが代理店表記を求めている側のブランドと重なります。「古く状態の悪い商品についても買取実績がございます」とも明記されています。
無料で集荷を申し込む 査定料・集荷送料・振込手数料・キャンセル料すべて無料(公式表記) 公式サイトで条件を確認する出典:RECLO公式サイト(kaitori.reclo.jp/調査時点)に記載の内容をもとに、筆者が項目ごとに評価したものです。買取金額の高低を示すものではありません。
- ネットで集荷を申し込む
公式は「申込時に必要なものはございません」「30秒で申込が完了」と案内しています。
- 玄関でバッグを渡す
「梱包資材のご用意は不要」で、ヤマト運輸のスタッフが資材を持って来る運用です。非対面で渡せます。
- 鑑定士の査定を待って、金額を見てから決める
キャンセル料と返送にかかる費用は無料と明記されています。納得できなければ断れます。
- 買取成立なら振込
公式表記は「最短翌日お振込」。このときに現住所が記載された身分証明書と銀行口座が必要になります。
宅配のブランド専門店が向いている人
- 一覧にある高級ブランドのバッグを持っている
- タグに代理店表記が見つからなかった
- 並行輸入や海外で買ったものを売りたい
- 店頭で断られた経験がある
セカンドストリートの店頭が向いている人
- ポーター・TUMIなど一覧の外のブランド
- 今日のうちに現金にしたい
- バッグ以外の服や小物もまとめて出したい
- 金額に納得できなければ持ち帰りたい
どちらが得かは一律には決まりません。決めているのは自分のバッグのブランドが一覧に載っているかどうかだけです。載っていなければセカンドストリートで完結しますし、載っていてタグに表記がなければ、そもそも受け付けてもらえません。
出す前に落とせる汚れと、落としても意味がない汚れ
前章の表の「自分で直せるか」が△だった3項目——汚れ、ニオイ、カビ——は手を入れる価値があります。セカンドストリートは買取前のクリーニングを必須にしていませんが、公式が買取不可条件に挙げているのは「目立つ」シミや汚れ、「著しく」付着したニオイです。目立つ手前まで戻せば、条件には当たらなくなります。
- 持ち手の黒ずみを先に落とす
いちばん人目につく場所で、手の脂が溜まっているだけのことが多いところです。革なら専用のクリーナーで落ちます。
- 内側を空にして、ペン跡と砂を出す
ポケットの底に溜まった砂や消しゴムのカスは、開けた瞬間の印象を下げます。掃除機のノズルで吸うだけで変わります。
- 風通しのいい場所に2〜3日置く
たばこや押し入れのニオイは、密閉をやめるだけで軽くなります。直射日光は革を傷めるので陰に置いてください。
- 底角のスレは触らない
下地が出ているスレは「汚れ」ではなく摩耗です。色を塗って隠すのは補修扱いになり、評価は上がりません。
革のビジネスバッグなら、持ち手と角の黒ずみを落とすところまでは自分でできます。クリーナーとクリームが別で揃っているものを選ぶと、落としたあとに油分を戻せます。
もう1点は売る前ではなく、次のバッグを同じ状態にしないためのものです。公式の買取不可条件には「カビ、保存臭があるもの」が入っていて、これは使っている間ではなくしまっている間に進みます。クローゼットに入れっぱなしにしていたバッグが数年後に値が付かなくなるのは、ほぼこれが原因です。
