第二新卒で大阪に転職するなら|求人倍率は全国最低。それでも職業別に見ると約14倍の開きがある

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大阪の求人倍率は2つある

筆者は新卒で入ったアパレル企業を8ヶ月で退職し、その後アパレル販売・買取査定を経て、現在は古物商としてブランド買取業を営んでいます。この記事の求人倍率・就職率はすべて厚生労働省と大阪労働局の公表資料を実際に開いて確認したものです(情報時点:令和8年7月分/公表 令和8年8月28日)。

CONCLUSION

大阪の求人倍率は全国でいちばん低い。でも決まるかどうかを分けているのは、大阪かどうかではなくどの職業に出すかです。

大阪府の有効求人倍率は、公式に2つの数字があります。そして職業別に見ると、同じ大阪の中で0.71倍から9.91倍まで開いています。第二新卒が最初に見るべきなのは、府全体の倍率ではなくこの内訳です。

2つの数字の違いから見る
大阪府の有効求人倍率0.95倍就業地別。47都道府県で最低
同じ大阪の別の数字1.12倍受理地別。こちらは1倍を超える
職業別の開き約14倍事務0.71倍と建設・採掘9.91倍

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」(令和8年8月28日公表)/大阪労働局「労働市場月報 令和8年9月号」(令和8年7月内容)

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「大阪は求人が少ない」の正体は、数え方が2つあること

大阪で転職先を調べていると、求人倍率の数字が資料によって食い違っていることに気づくと思います。これは誰かが間違えているのではなく、国が2通りの数え方で発表しているからです。

令和8年7月の大阪府の有効求人倍率は、次の2つです。どちらも同じ月の、同じ大阪府の、公式な数字です。

就業地別

その仕事の勤務地が大阪

0.95倍
  • 47都道府県でいちばん低い
  • 実際に大阪で働く求人だけを数えている
  • 大阪に住み続けたい人が見るべき数字
受理地別

求人を受け付けた窓口が大阪

1.12倍
  • 1倍を超えているように見える
  • 本社が大阪で勤務地が他県の求人も入る
  • 大阪の「企業の数」に近い数字

大阪は本社機能が集まる街です。大阪のハローワークが受け付けた求人の中には、「本社は大阪、実際の勤務地は神戸・京都・名古屋」という求人がかなり混ざります。受理地別はそれを全部大阪として数えるので、高く出ます。

大阪で働き続けたいなら、見るべきは低いほうの0.95倍です。

大阪の有効求人倍率は就業地別0.95倍と受理地別1.12倍の2つがある

補足:この2つの数字は、大阪労働局が出している同じ1枚の資料に両方載っています。月報の本文に「大阪府の令和8年7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.12倍」と書かれ、その数行下に「※就業地別の有効求人倍率(季節調整値)は、0.95倍」と注記されています。隠されているわけではなく、注記のほうを読み飛ばしやすいだけです。

全国と並べると、大阪がどのくらい低いのかが分かる

同じ令和8年7月の数字を全国と並べます。

区分有効求人倍率補足
全国1.18前月と同水準
就業地別の最高(福井県・山梨県)1.69大阪の約1.8倍
就業地別の最低(大阪府)0.9547都道府県で最低
受理地別の最高(東京都)1.69—
受理地別の最低(神奈川県)0.84—

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出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」(令和8年8月28日公表・季節調整値)

就業地別の0.95倍は、求人1件に対して求職者が1人以上いる状態です。全国平均の1.18倍と比べると、大阪は確かに厳しいほうに入ります。

ここで多くの記事は「だから東京に出よう」と結論します。でもその前に見るべきものが1つ残っています。

職業別に見ると、同じ大阪の中で約14倍の開きがある

大阪労働局は、府内の新規求人倍率を職業別に分けて毎月公表しています。令和8年7月の一般(パートを除く常用)の数字が、これです。

職業新規求人倍率就職率
職業計2.1013.6%
建設・採掘9.9126.7%
保安8.7979.4%
サービス4.6417.6%
専門的・技術的3.5011.7%
輸送・機械運転3.3328.2%
生産工程3.1431.2%
販売2.9212.6%
運搬・清掃・包装等1.4118.8%
管理的1.4012.5%
農林漁業1.1019.2%
事務的0.7112.6%

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出典:大阪労働局「4 職業別常用職業紹介状況」(令和8年7月内容・一般/パートを除く常用)

いちばん高い建設・採掘の9.91倍と、いちばん低い事務的職業の0.71倍。その差は約14倍です。同じ大阪府の同じ月に、これだけ違う世界が同時に存在しています。

1倍を切っているのは、事務だけ

表の中で新規求人倍率が1倍を下回っているのは、事務的職業だけです。内訳はこうなっています。

新規求人数3,277件
新規求職申込件数4,619件
新規求人倍率0.71倍
就職率12.6%

求人3,277件に対して、応募したい人が4,619人。1,342人分の席が足りていません。大阪で事務職に絞って探している第二新卒が「求人が見つからない」と感じるのは、体感ではなく数字どおりです。

×
VERDICT 大阪で事務職一本に絞るのは、いまはおすすめしません

大阪が悪いのではなく、事務だけが全職業の中で唯一1倍を切っています。同じ大阪で応募先の職業をずらすだけで、倍率は4倍にも5倍にもなります。

「倍率が高い=入りやすい」ではない。就職率も一緒に見る

ここで数字の読み方を1つ足します。求人倍率が高くても、それがそのまま「受かりやすさ」にはなりません。表の右端の就職率を一緒に見てください。

  • 建設・採掘は倍率9.91倍だが、就職率は26.7%

    求人はたくさんあるのに、4人に3人は決まっていません。資格や経験が要る仕事が多く、求人の数だけでは埋まらないということです。

  • 保安は倍率8.79倍で、就職率79.4%

    この表の中で就職率が突出して高いのは保安(警備など)だけです。求人が多く、かつ実際に決まっている職業です。

  • 専門的・技術的は倍率3.50倍だが、就職率11.7%

    倍率は高いのに就職率は表の中で最低クラス。求められるスキルと求職者のスキルが噛み合っていないサインです。

  • 補足:ここでいう就職率は「新規求職申込件数に対して就職が決まった割合」です(大阪労働局・新規ベース)。倍率が高いのに就職率が低い職業は、求人の数ではなく条件が壁になっていると読めます。

    第二新卒が現実的に狙える位置はどこか

    新卒で入った会社を数年で辞めた人が、資格なしですぐ応募できる範囲に絞ると、表の中で条件がいいのはこのあたりです。

    倍率も就職率も悪くない

    • サービス(4.64倍/17.6%)
    • 生産工程(3.14倍/31.2%)
    • 輸送・機械運転(3.33倍/28.2%)
    • 運搬・清掃・包装等(1.41倍/18.8%)

    数字の見た目ほど入りやすくない

    • 事務的(0.71倍/12.6%)席そのものが足りない
    • 専門的・技術的(3.50倍/11.7%)スキルの壁がある
    • 建設・採掘(9.91倍/26.7%)資格が要る求人が多い
    • 管理的(1.40倍/12.5%)第二新卒の枠ではない

    販売の職業は2.92倍・就職率12.6%です。アパレルや小売の経験がある人なら、ここは職務経歴がそのまま効く数少ない枠になります。ただし待遇まで含めて判断してください。大阪のアパレル派遣求人をエリア別に数えた記事と、梅田の求人の下限賃金を調べた記事に、大阪の小売の実際の金額を書いています。

    それでも東京に出るべきか

    受理地別で見ると東京都は1.69倍、大阪府は1.12倍。就業地別でも東京のほうが高く出ます。数字だけなら東京が有利です。

    ただし、この判断を倍率だけで決めるのはおすすめしません。理由は2つあります。

  • 倍率の差は、そのまま内定の差にならない

    前の章で見たとおり、同じ大阪の中でも職業を変えるだけで倍率は4〜6倍動きます。府をまたぐより、職業をずらすほうが振れ幅は大きいです。

  • 引っ越しの費用と期間が、転職活動そのものを圧迫する

    第二新卒は前職の退職金がほぼありません。住む場所を変えながらの転職は、決まるまでの持ち時間を短くします。持ち時間が短いと条件を妥協することになります。

  • △
    VERDICT 先に大阪で職業をずらして試す。それでも動かなければ東京を考える

    順番が逆だと、引っ越してから同じ壁にぶつかります。東京でも事務職の競争が厳しいことは変わりません。

    大阪で第二新卒が動くときの順番

    1. いま見ている求人が「就業地」で絞れているか確かめる

      求人サイトの勤務地フィルタを「大阪府」にしていても、本社所在地で表示されていることがあります。勤務地欄に具体的な市区名が入っているかを見てください。

    2. 応募先の職業を1つに絞らない

      事務だけに出していると、大阪では0.71倍の枠を取り合うことになります。前章の表から、就職率が20%を超えている職業を2つ足してください。

    3. 前職の経験が「どの職業の分類に入るか」を言葉にする

      販売経験はそのまま販売の職業、在庫や発注の経験は生産工程や運搬・清掃・包装等に通じます。職務経歴書で使う言葉が変わります。

    4. 職業を決めてから、はじめて求人を探す

      求人を眺めてから職業を決めると、目に入りやすい事務職に戻ってしまいます。順番を固定するのがいちばん効きます。

    2つ以上あてはまる人は、職業の絞り方を先に見直したほうが早いです

    • 応募先がほぼ事務職で埋まっている
    • 「大阪は求人が少ない」と人から聞いて信じている
    • 求人サイトの勤務地が本社所在地かどうかを確認したことがない
    • 前職の経験がどの職業分類に入るか、説明できない
    • 東京に出ることを、条件を比べる前に考え始めている

    → 2つ以上なら、求人を探す前に「自分の経験がどの職業で値段になるか」を先に決める段階です。

    自分は新卒で入った会社を8ヶ月で辞めました。当時いちばん間違えたのは、求人サイトを開いてから行き先を考えたことです。目に入るのは応募が集中している求人で、そこに出し続けて落ち続けました。先に「自分の経験が何の職業になるのか」を決めていれば、半年は短縮できたと思います。

    REAL EXPERIENCE — 新卒で入ったアパレルを8ヶ月で退職
    注意:この記事の求人倍率はすべて季節調整値を含むハローワークの統計です。ハローワーク以外の求人(転職サイト・人材紹介)はこの数字に入っていません。実際に応募できる求人の総数は、表の数より多くなります。職業ごとの相対的な厳しさを比べる目的で使ってください。

    まとめ

  • 大阪の有効求人倍率は2つある

    就業地別0.95倍(全国最低)と受理地別1.12倍。大阪で働きたいなら低いほうが本当の数字です。

  • 府全体の倍率より、職業別の内訳のほうが重要

    同じ大阪で0.71倍から9.91倍まで、約14倍の開きがあります。

  • 1倍を切っているのは事務的職業だけ

    求人3,277件に対し求職4,619人。事務一本に絞ると、大阪でいちばん厳しい枠を選ぶことになります。

  • 倍率と就職率はセットで見る

    倍率9.91倍の建設・採掘でも就職率は26.7%。求人の数と決まりやすさは別です。

  • 東京に出るかは、職業をずらして試したあとで決める

    府をまたぐより、職業を変えるほうが倍率は大きく動きます。

  • 大阪の有効求人倍率が2つあるのはなぜですか?
    国が就業地別と受理地別の2通りで集計しているためです。就業地別は実際の勤務地が大阪の求人だけを数え、受理地別は大阪のハローワークが受け付けた求人を数えます。大阪は本社機能が多く、勤務地が他県の求人も受理地別に入るため、受理地別のほうが高く出ます。令和8年7月はそれぞれ0.95倍と1.12倍でした。
    大阪は全国でいちばん転職しにくいのですか?
    就業地別の有効求人倍率で見ると、令和8年7月は大阪府の0.95倍が47都道府県で最低でした。ただしこれは府全体を平均した数字です。職業別に見ると大阪の中で0.71倍から9.91倍まで開いており、応募する職業によって状況は大きく変わります。
    大阪で事務職の求人が見つからないのは気のせいですか?
    気のせいではありません。令和8年7月の大阪府の事務的職業の新規求人倍率は0.71倍で、表にある12区分のうち唯一1倍を下回っています。新規求人3,277件に対して新規求職申込が4,619件あり、1,342人分の席が足りていない計算です。
    求人倍率が高い職業なら受かりやすいですか?
    必ずしもそうではありません。大阪府の建設・採掘は新規求人倍率9.91倍と最も高いのに、就職率は26.7%です。一方で保安は8.79倍で就職率79.4%です。資格や経験が要る求人が多いと、求人数が多くても決まりません。倍率と就職率は必ずセットで見てください。
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