※この記事の求人倍率と賃金は、大阪労働局が公表している「職業別有効求人倍率表」(令和8年7月)を実際に開いて数字を書き写したものです。相談先の対象・住所・時間は各機関の公式ページで確認できたものだけを載せています。筆者は新卒で入った会社を8ヶ月で辞めた経験があり、いまは元アパレル販売員・元買取査定員として、現役のファッションバイヤー兼古物商をしています。記事の中で転職シミュレーターを案内しますが、判断の材料は先に全部出します。
大阪で第二新卒が正社員になれるかどうかは、能力より先に職種で決まっています。同じ大阪府内で、フルタイムの求人倍率は0.14倍から5.84倍まで40倍以上ひらいているからです。
大阪全体のフルタイム有効求人倍率は1.01倍。求人と求職者がほぼ同数です。それなのに「応募しても返事が来ない」人と「すぐ面接が決まる」人に分かれるのは、この平均の中身が職種ごとにまったく違うからです。大阪労働局の数字で、その中身を開けます。
職種別の倍率を先に見る大阪のフルタイム求人倍率は、職種で40倍以上ひらいている
大阪労働局は毎月、職種ごとの有効求人倍率を公表しています。有効求人倍率とは、求職者1人あたり何件の求人があるかという数字です。1.00倍なら1人に1件、2.00倍なら1人に2件。数字が大きいほど、採る側が人を探している状態です。
この表はフルタイムとパートタイムが分かれています。正社員をねらうなら見るべきはフルタイムのほうです。令和8年7月の大阪府の数字を、高い順に並べます。
出典:大阪労働局「職業別有効求人倍率表」令和8年7月(フルタイムの数値)
| 職種(大分類・一部中分類) | フルタイム求人倍率 | 求人数 | 求職者数 |
|---|---|---|---|
| 建設・土木・電気工事 | 5.84 | 7,156 | 1,226 |
| 警備・保安 | 5.09 | 3,533 | 694 |
| 建築・土木・測量技術者 | 5.08 | 4,158 | 818 |
| 福祉・介護 | 3.34 | 15,074 | 4,514 |
| 配送・輸送・機械運転 | 1.77 | 8,546 | 4,831 |
| 販売員 | 1.69 | 3,998 | 2,372 |
| 営業の職業 | 1.60 | 6,001 | 3,761 |
| 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) | 1.58 | 3,643 | 2,303 |
| 製造・修理・塗装・製図等 | 1.53 | 8,256 | 5,395 |
| 職業計(全体) | 1.01 | 100,996 | 99,621 |
| 運搬・清掃・包装・選別等 | 0.50 | 3,616 | 7,239 |
| 事務的職業 | 0.30 | 8,799 | 28,902 |
| 法務・経営・文化芸術等の専門的職業 | 0.17 | 717 | 4,231 |
| 一般事務・秘書・受付 | 0.14 | 2,266 | 16,664 |
| デザイナー | 0.11 | 236 | 2,232 |
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出典:大阪労働局「職業別有効求人倍率表」令和8年7月(令和5年4月改定の厚生労働省編職業分類に基づく区分)
いちばん下の「一般事務・秘書・受付」を見てください。求人2,266件に対して、求職者が16,664人います。席1つを7人で取り合っている計算です。いちばん上の建設・土木・電気工事は逆で、7,156件の求人に1,226人。席のほうが5倍以上あまっています。
大阪のフルタイム有効求人倍率の幅(職種別・令和8年7月)
第二新卒がいちばん志望しやすい職種が、いちばん混んでいる
早期に辞めた人の希望として多いのが「デスクワーク」「土日休み」「人と争わない仕事」です。求人サイトの絞り込みでそれを選ぶと、行き着く先はだいたい一般事務です。そして一般事務が、大阪でいちばん席の少ない職種になっています。
求人2,266件に対して求職者16,664人。ここには事務経験が長い人や、大阪で働き続けてきた人も並んでいます。職歴1〜3年で同じ土俵に立つと、書類の段階で数に埋もれます。やめろという話ではなく、ここだけに絞ると時間が溶けるという話です。
事務職のなかでも中身によって差があります。同じ「事務的職業」でも、大阪のフルタイム倍率はこう分かれます。
いちばん混んでいる入口
0.14倍- 求人2,266件/求職者16,664人
- 経験者と同じ枠で競う
- 求人賃金の下限は214,220円
同じ事務でも空いている入口
3.53倍- 求人649件/求職者184人
- 物流の内勤。大阪は拠点が多い
- 求人賃金の下限は238,139円
出典:大阪労働局「職業別有効求人倍率表」「職業別求人賃金と求職者希望賃金の状況」令和8年7月(いずれもフルタイム)
「事務職はやめておけ」ではありません。同じ事務でも、応募先を一段ずらすだけで倍率が25倍ちがうということです。医療・介護事務は0.88倍、生産関連事務は0.98倍。一般事務の0.14倍と比べれば、どこを見に行くべきかははっきりしています。
新卒で入った会社を8ヶ月で辞めたとき、私は「接客はもうしたくない」から探し始めました。つまり、やりたいことではなく、やりたくないことで絞ったわけです。その絞り方だと残る求人はどんどん狭くなって、最後は誰でも同じ場所に行き着きます。倍率の表を先に見ていれば、遠回りは半分で済んだと思っています。
賃金の「希望」と「求人」がずれている職種は、決まりにくい
同じ大阪労働局の資料には、職種ごとの求人賃金と、求職者が希望している賃金も載っています。この2つのズレが、応募が通らない理由になっていることがあります。
| 職種 | 求人賃金の下限 | 求人賃金の上限 | 求職者の希望 |
|---|---|---|---|
| 職業計(全体) | 249,592円 | 317,882円 | 250,282円 |
| 営業の職業 | 252,493円 | 337,995円 | 307,287円 |
| 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) | 259,486円 | 441,280円 | 290,447円 |
| 建設躯体工事の職業 | 255,580円 | 377,544円 | 286,190円 |
| 福祉・介護の職業 | 254,506円 | 286,813円 | 237,238円 |
| 販売員 | 236,626円 | 295,661円 | 222,184円 |
| 一般事務・秘書・受付 | 214,220円 | 254,299円 | 223,199円 |
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出典:大阪労働局「職業別求人賃金と求職者希望賃金の状況」令和8年7月(フルタイム・月額)
読み方は単純です。希望が求人賃金の下限より高い職種は、下限の求人に応募が集まりません。営業は希望307,287円に対して下限252,493円。5万円以上の開きがあります。だから営業は求人が余る(1.60倍)。
逆に一般事務は、希望223,199円に対して下限214,220円。ほぼ一致しています。賃金で納得できてしまうぶん、応募が集中します。大阪で条件のいい事務職ほど競争が激しいのは、この一致のせいです。
大阪で使える相談先は3つ。役割がまったく違う
大阪は、民間のエージェント・大阪府の施設・国のハローワークが、それぞれ別の役割で置かれています。第二新卒がどれを使うかは、いまの状態で決まります。
| 相談先 | 運営 | 対象 | 場所 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 第二新卒エージェントneo | 株式会社ネオキャリア(民間) | 第二新卒・既卒・フリーターなど20代限定 | 大阪支社/大阪市北区 西梅田 | 無料 |
| OSAKAしごとフィールド | 大阪府 | 年齢・状況を問わず働きたい人すべて | 大阪市中央区 エル・おおさか(天満橋) | 無料 |
| 大阪府地域若者サポートステーション | 大阪府(しごとフィールド内) | 15〜49歳で、在職中・在学中ではない人 | 同上(エル・おおさか内) | 無料 |
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出典:第二新卒エージェントneo 運営会社ページ/OSAKAしごとフィールド「はじめての方へ」・同「アクセス/施設概要」(いずれも調査時点)
いま働いている・すぐ次を決めたい → 民間のエージェント
第二新卒エージェントneoは、運営会社ページに「第二新卒をはじめとした既卒やフリーター、20代の方限定」と書かれています。内容として挙げられているのは、キャリアアドバイザーによる個別の就職相談、履歴書・職務経歴書の添削、そして未経験OKの正社員求人の紹介です。大阪支社は大阪市北区曽根崎新地の西梅田にあり、電話受付は平日9時から19時まで。
求人を自分の目で数えたい → OSAKAしごとフィールド
大阪府が運営する総合就業支援拠点です。公式ページでは「年齢・状況を問わず働きたいと思っているすべての方」が対象と書かれています。中に大阪東ハローワークコーナーが併設されていて、大阪府内で約16万件(令和8年4月現在)のフルタイム・パートタイム求人を検索できます。
出典:OSAKAしごとフィールド「アクセス/施設概要」(相談時間は平日10:00〜20:00・19:00最終受付。ハローワークコーナーは平日10:00〜18:30、土日祝休)
ここの利点は、土曜も開いていることと、平日20時まで相談できることです。在職中でも動けます。利用にはメンバー登録が必要で、Webから2〜3分で済みます。
辞めてしばらく経っている → サポートステーション
同じエル・おおさか内にある大阪府地域若者サポートステーションは、公式ページに「15〜49歳までの在職中・在学中ではないみなさん」が対象と書かれています。離職から時間が空いていて、まず生活のリズムから立て直したい人向けの窓口です。急がずに進めたい場合はここが合います。
民間エージェントが向いている人
- 在職中で、面談の時間が限られている
- 職務経歴書の書き方から見てほしい
- 未経験可の正社員求人を紹介されたい
公的機関のほうが向いている人
- 求人を自分で全部見てから決めたい
- 大阪府内の中小企業も広く見たい
- 離職期間が長く、まず相談から始めたい
いまの自分がどこにいるか、5つで確かめる
3つ以上あてはまる人は、職種を決め直す段階です
- 応募しているのは事務職・企画職・クリエイティブ職が中心だ
- 10社以上出して、面接まで進んだのが2社以下
- 希望月収を先に決めていて、下限が合わない求人は見ていない
- 大阪で働きたいが、どの業界に会社が多いかは知らない
- 前職を辞めた理由を、いまも一言で説明できない
→ 3つ以上なら、応募数を増やすより先に「どの職種の列に並ぶか」を決め直すほうが早く終わります。
職種の当たりをつけるところまでは、この記事の表でできます。そのうえで、自分の経歴がどの系統で評価されるかは人によって違います。年齢と経験を入れるだけで系統が出る診断を用意しているので、表と突き合わせてみてください。
自分に向いている求人系統を出す 所要3分/無料・登録不要で使えます大阪で動き出す順番
- 倍率が1.0倍を超えている職種から、3つ選ぶ
「やりたい」で選ぶ前に、席が空いている列を確認します。この記事の表から、自分が経験を接続できそうな職種を3つだけ書き出してください。1つに絞らないのがコツです。
- その職種の求人賃金の下限を、希望額の基準にする
希望が下限より高いほど応募は通りにくくなります。まず下限で受けてから交渉する順番のほうが、第二新卒では現実的です。
- 在職のまま、相談先を1つだけ決めて予約する
辞めてから探すと離職期間が空きます。在職中なら、西梅田のエージェントも天満橋のしごとフィールドも平日夜や土曜で組めます。3つ全部に登録する必要はありません。
- 前職を辞めた理由を、1行にして持っていく
面談でも面接でも必ず聞かれます。言い訳ではなく、次で何を変えたいかを一言で。ここが用意できていないと、どの相談先でも同じところで止まります。
- 大阪府内でもエリアで求人の性格が変わる
梅田・本町は本社機能とオフィス職、南港・東大阪は物流と製造が多い地域です。通勤時間の上限を先に決めておくと、見る求人がぶれません。
- 「正社員登用あり」は正社員求人ではない
求人票の雇用形態が契約社員なら、入口は契約社員です。登用の実績人数が書かれていない求人は、確認してから応募してください。
- 倍率の高い職種=きつい仕事、とは限らない
運輸・郵便事務の3.53倍のように、内勤で空いている枠もあります。名前だけで外さないでください。
