筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、現在はファッションバイヤーとブランド古着の買取業を営んでいます。この記事の割合はすべて厚生労働省が公表している調査の図表データを直接開いて読んだものです。まとめサイトや他人のブログからの引き写しは入れていません。紹介する転職サービスには広告リンクを含みます。
転職エージェントを使わないのは、20代ではむしろ多数派です。国の調査では、25〜29歳で使った人は21.4%、20〜24歳では7.8%しかいません。
ただし「使わなくていい」と言い切れるかどうかは、あなたが狙う会社の規模で変わります。会社の側がどこに求人を出しているかを数えると、境目がはっきり出ます。まずその境目を確かめてください。
自分がどちら側か確かめる20代で転職エージェントを使った人は、5人に1人
「転職するならまずエージェントに登録」とよく言われます。でも、実際に転職した人がそうしているかというと、話が違います。
厚生労働省は、転職した本人に「どの方法で転職活動をしたか」を直接聞いた調査を公表しています。そのなかの「民間の職業紹介機関」という欄が、いわゆる転職エージェントにあたります。年齢別に見ると、こうなっていました。
出典:厚生労働省「令和2年 雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」表17(複数回答)。図表データのxlsxを2026年9月22日に開いて確認しました。
使わない人が8割前後いる、という数字です。エージェントを使わないことは、例外的でも不利でもありません。少なくとも「みんなが使っているのに自分だけ使っていない」という状況ではない、ということです。
20代の8割前後はエージェントなしで転職しています。ただし後述する「1,000人以上の会社を狙う場合」だけは、条件が変わります。
使わなかった人は、代わりに何を使ったのか
ここがこの記事の本題です。エージェントを使わない人が何もしていないわけではありません。同じ調査の25〜29歳の欄を、多い順に並べ替えました。

エージェントは4番目でした。上に3つあります。
| 転職活動の方法 | 20〜24歳 | 25〜29歳 | ひとことで言うと |
|---|---|---|---|
| 求人サイト・求人情報誌など | 52.7 | 48.9 | 両世代とも最多。ここが主戦場 |
| ハローワーク等の公的機関 | 34.0 | 32.3 | 年齢に関係なく3人に1人が使う |
| 企業のホームページ | 18.4 | 23.2 | 後半で増える。直接応募の道 |
| 民間の職業紹介機関(転職エージェント) | 7.8 | 21.4 | 前半から後半で約2.7倍に跳ねる |
| 縁故(知人、友人等) | 21.8 | 18.7 | いまだに無視できない大きさ |
| 出向・前の会社の斡旋 | 1.8 | 3.0 | 20代ではほぼ動かない |
| 企業訪問 | 3.3 | 2.8 | 少数派 |
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出典:厚生労働省「令和2年 雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」表17(単位:%・複数回答)。
読み取れることが2つあります。
1つめ。エージェントの利用率は、20代前半から後半にかけて約2.7倍に跳ね上がります。7.8%から21.4%です。これは第二新卒にとって大事な情報で、あなたが社会人2〜3年目に近いほど、エージェントは「まだ自分の年齢層ではほとんど使われていない道具」だということです。実務の蓄積が浅い人を紹介しても紹介先が決まりにくい以上、当然ではあります。
2つめ。縁故が18.7%もあります。エージェントとほぼ同じ規模です。前の職場の先輩や同期からの誘いは、統計の上では立派な転職活動の方法です。声をかけてもらえる関係が残っているなら、そこは真っ先に確かめる価値があります。
会社の側は、どこに求人を出しているのか
ここまでは求職者側の話です。でも、転職は相手のある話なので、会社がどこに求人を置いているかを見ないと判断できません。同じ調査には、会社に聞いた欄もあります。
転職者を採用した事業所が「どうやって募集したか」を答えたものです。
| 会社の募集方法 | 全体 | 1,000人以上 | 5〜29人 |
|---|---|---|---|
| ハローワーク等の公的機関 | 57.3 | 49.9 | 54.5 |
| 求人サイト・求人情報誌など | 43.2 | 59.9 | 42.1 |
| 縁故(知人、友人等) | 27.6 | 27.8 | 26.8 |
| 自社のウェブサイト | 26.6 | 66.6 | 23.7 |
| 民間の職業紹介機関(転職エージェント) | 24.8 | 52.6 | 22.7 |
| 会社説明会(合同説明会を含む) | 4.6 | 17.9 | 2.9 |
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出典:厚生労働省「令和2年 雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」表5(単位:%・複数回答。転職者がいる事業所を100とした割合)。
全体で見ると、会社がいちばん使っているのはハローワークで57.3%です。エージェントは24.8%で、4番目でした。つまり求人の置き場所としても、エージェントは主流ではありません。
ところが、規模で切ると景色が変わります。
決め手は「狙う会社の規模」だった
1,000人以上の事業所だけを見ると、数字がひっくり返ります。
大企業は、自社の採用ページとエージェントの2つに求人を集めています。逆に従業員30人未満の会社は、ハローワークが半分を超え、エージェントは2割台にとどまります。
ここから、判断軸がひとつに定まります。
大企業を狙うなら、エージェントを避けた場合に見える求人が減ります。ただし逃げ道はあります。1,000人以上でいちばん多いのは、エージェントではなく自社のウェブサイト(66.6%)です。つまり企業の採用ページを自分で直接見に行けば、エージェントを使わなくても同じ求人にたどり着ける可能性が高いということです。手間はかかりますが、道は塞がっていません。
会社ごとに採用ページを開いて、募集職種を確認して、応募書類を個別に出す作業になります。10社なら現実的ですが、50社は続きません。志望先が広いほど、エージェントに任せる価値が出ます。
学歴でも、使われ方がはっきり分かれる
もう一つ、同じ表から出てくることがあります。エージェントの利用率は、最終学歴によってもかなり違いました。
| 最終学歴 | エージェント | ハローワーク | 求人サイト等 |
|---|---|---|---|
| 高等学校 | 6.1 | 39.7 | 35.5 |
| 専修学校(専門課程) | 13.7 | 37.4 | 48.1 |
| 高専・短大 | 12.9 | 31.4 | 35.6 |
| 大学 | 25.0 | 30.1 | 41.5 |
| 大学院 | 31.2 | 15.7 | 42.9 |
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出典:厚生労働省「令和2年 雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」表17(単位:%・複数回答)。
高卒で6.1%、大卒で25.0%、大学院で31.2%。4倍以上の開きがあります。同時に、高卒ではハローワークが39.7%といちばん高く、大学院では15.7%まで下がります。
これは「どちらが偉い」という話ではなく、求人の置かれている場所が、学歴で違うという事実です。高卒で第二新卒として動くなら、エージェントに登録しないことで失うものは、大卒の人より小さいことになります。
正社員と非正社員でも差がある(数字を見る)
同じ表17で、転職先が正社員だった人のエージェント利用率は17.7%、正社員以外だった人は7.3%でした。ハローワークは正社員35.5%・正社員以外33.4%でほとんど変わりません。エージェントは正社員求人に寄った道具だと読めます。第二新卒で正社員を狙うなら、この差は覚えておいて損はありません。
使わないなら、実際にこの順番で動く
「使わない」と決めた人が、明日から何をするか。国が運営していて、登録もお金もかからないところから順に並べます。
- ハローワークインターネットサービスで、求人を見るだけ見る
全国のハローワークで受理した求人を検索できます。ログインも登録もせずに検索できると公式に書かれています。まず何が出ているかを見るだけなら、ここが一番早くて無料です。
- 続けるなら、自宅から求職申込みをする
公式には「自宅のパソコン等から求職情報を入力(求職登録)して、求職申込み手続きを行うことができます」と書かれています。窓口に行かずに始められます。申込みをすると求職者マイページが開設でき、検索条件の保存やお気に入り登録が使えます。
- 気になる会社を「しょくばらぼ」で調べる
厚生労働省の職場情報総合サイトです。勤務実態や採用状況といった職場情報を検索・比較できます。掲載企業数は150,785件(サイト表示の2026年9月1日時点)。エージェントに聞かなくても、会社の中身を自分で確かめられます。
- 狙いが大企業なら、その会社の採用ページを直接開く
1,000人以上の事業所の66.6%が自社ウェブサイトで募集しています。志望先が決まっているなら、ここが一番の近道です。
- 求人サイトを1つだけ決めて、そこに絞る
20代がいちばん使っているのは求人サイトです。ただし何社も掛け持ちすると管理が破綻します。第二新卒の転職サイトは1社でいいで、絞り方を書いています。
出典:ハローワークインターネットサービス「仕事をお探しの方へのサービスのご案内」、厚生労働省「しょくばらぼ」トップページ(いずれも2026年9月22日に閲覧)。
逆に、使ったほうがいいのはこういう人
ここまで「使わなくていい」側の話をしてきましたが、公平に逆側も書きます。数字から見て、エージェントを使う価値が出るのは次の場合です。
使ったほうがいい
- 1,000人以上の会社を狙っていて、志望先が10社では収まらない
- 在職中で、求人を探す時間がまとまって取れない
- 大卒以上で、職種を変えずに条件を上げたい
- 職務経歴書を一度も書いたことがなく、何から書くか分からない
使わなくていい
- 狙いが中小・中堅の会社に定まっている
- 働きたい会社が数社に決まっている(採用ページを直接見れば足りる)
- 声をかけてくれる前職の関係者がいる
- まず求人を眺めて相場を知りたいだけの段階
2つ以上あてはまるなら、使わない側で始めて構いません
- 狙う会社が従業員300人未満、または規模にこだわりがない
- いま応募したい会社を3社以上、名前で挙げられる
- まだ辞めると決めきっていない
- 連絡が頻繁に来るのが負担に感じるタイプだ
→ 2つ以上なら、まずハローワークインターネットサービスの求人検索と、求人サイト1社。エージェントは、それで足りないと分かってからで間に合います。
ひとつだけ補足すると、使う・使わないは一度決めたら変えられないものではありません。先に自分で探してみて、求人が出てこない・書類が通らないと分かった時点で登録しても、何も遅くありません。むしろ自分で探した経験があるぶん、面談で希望を伝えやすくなります。
よくある質問
第二新卒で転職エージェントを使わないと不利になりますか?
エージェントを使わないなら、何を使えばいいですか?
ハローワークは窓口に行かないと使えませんか?
エージェントを使わずに、会社の内情はどうやって調べますか?
まとめ:使わない前提で始めて、足りなければ足す
結論をもう一度まとめます。
- 使わないのは少数派ではない
25〜29歳でエージェントを使った人は21.4%、20〜24歳では7.8%。8割前後は使わずに転職しています。
- 代わりの主力は求人サイトとハローワーク
25〜29歳で求人サイト48.9%、ハローワーク等32.3%、企業のホームページ23.2%。この3つで大半が動いています。
- 会社側の置き場所も、ハローワークが最多
転職者を採用した事業所の57.3%がハローワークで募集。エージェントは24.8%です。
- ただし1,000人以上だけは逆
自社サイト66.6%・エージェント52.6%。大企業狙いなら、採用ページを自分で回るかエージェントを使うかの二択になります。
迷ったら、お金のかからない順に試すのが一番損がありません。ハローワークインターネットサービスで求人を眺めて、しょくばらぼで会社を調べて、それで足りないと分かってから登録すればいい。順番を変えるだけで、判断の材料が増えます。
自分がどの入口から入るべきか決めきれない人は、エージェント側の「対象」を並べた記事も合わせて読んでみてください。対象から外れているサービスに登録しても、面談に進まないまま終わります。
