※この記事の「理容室と美容室で何を頼めるか」は、理容師法・美容師法の条文と、厚生労働省が公開している業務範囲の資料に基づいています。筆者は理容師でも美容師でもありません
眉のカット(切る)は理容室でも美容室でも頼めます。剃って形を出すなら理容室(床屋)です。
この2つは法律上まったく別の行為として扱われています。「眉毛カット」と一言で言っても、自分が頼みたいのが長さを切ることなのか、輪郭を剃って形を出すことなのかで、行く店が変わります。ここを先に決めてから予約してください。
切ると剃るの違いを見る「切る」と「剃る」は別の行為です
眉毛をいじる作業は、大きく2つに分かれます。ひとつはハサミで長さを切ること。もうひとつはカミソリで輪郭の外の毛を剃ることです。同じ「眉を整える」でも、道具も、仕上がりも、そして頼める店も違います。

切るほうは、毛の根元は残したまま、飛び出した先端だけを落とします。だから失敗しても数日で目立たなくなります。剃るほうは地肌の高さから毛をなくすので、輪郭がはっきり変わります。効果が大きいぶん、失敗も残ります。
理容室と美容室で、頼めることが違う
ここが本題です。理容師と美容師は別の国家資格で、根拠になる法律も別々です。そして、その法律が「何をする仕事か」を定義している一文が、そのまま業務範囲の線引きになっています。
理容の定義には「顔そり」がはっきり書かれています。一方、美容の定義に顔そりの語はありません。この差が、そのまま店選びの答えになります。
| やってもらいたいこと | 理容室(床屋) | 美容室 |
|---|---|---|
| カット(ハサミで長さを切る) | ○ | ○ |
| 顔そり(剃って輪郭を出す) | ○ | △ |
| パーマ | ○ | ○ |
| ヘアセット | × | ○ |
| メイク | × | ○ |
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出典:厚生労働省「理容師・美容師制度の概要等について 参考資料」(業務範囲の表)/情報時点 2026年8月
美容室の顔そりが「×」ではなく「△」なのは、例外があるからです。厚生労働省の同じ資料には、化粧に付随した軽い程度の顔そりは化粧の一部として美容師が行っても差し支えない、と書かれています。つまり美容室でまったく剃れないわけではなく、あくまで「軽い程度」までということです。
カットは理容師も美容師も業務範囲に入っています。髪を切りに行くついでに「眉も少し整えてもらえますか」と頼めます。
顔そりは理容師の業務範囲そのものです。眉のまわりを剃って輪郭を出す作業は、理容室のほうが本業に近いと考えてください。
「男性は床屋、女性は美容室」というルールはもうありません
かつては、利用者の性別によって業務範囲を分ける国の通知がありました。男性へのカットは美容師がしてはいけない、といった内容です。この通知は平成27年7月17日付の厚生労働省健康局長通知(健発0717第2号)で廃止されています。
新しい通知は「美容師がカッティングを行うことは差し支えないこと」「理容師がパーマネントウェーブを行うことは差し支えないこと」とだけ書いています。性別による線引きは、すでに存在しません。男性が美容室で髪も眉も切ってもらうことに、制度上の問題は何もありません。
予約するときの頼み方
眉は、髪と違って「少し」の幅が人によって大きく違います。言葉を決めてから電話したほうが確実です。
- まず「眉のメニューはありますか」と聞く
単独メニューとして持っている店と、カットの仕上げに含めている店があります。ここで分かれるので最初に聞きます。
- 「長さを切りたい」のか「剃って形を出したい」のかを伝える
この記事の前半で決めたほうを、そのまま言葉にします。伝わり方がまるで違います。
- 「太さは変えないでください」を必ず添える
眉は細くするほど老けて見えます。指定しないと細めに仕上げられることがあるので、先に言っておくのが安全です。
- 仕上がったら、その場で鏡を正面から見る
横からだと左右差に気づきません。正面で見て、気になれば「もう少し残してください」はその場でしか言えません。
販売員時代、接客の合間に鏡で自分の顔を見る機会が多くありました。眉が伸びていると、同じ服を着ていても急に生活感が出ます。逆に、切りすぎた眉はもっと目立ちます。プロに頼むいちばんの利点は、上手さより「切りすぎない」ことでした。
店に頼む場合と、自分で切る場合
店に頼むほうがいい人
- 一度失敗して、自分で切るのが怖い
- 左右差が自分では分からない
- もともと髪を切りに行く習慣がある
自分で切るほうが早い人
- 形は決まっていて、長さだけが伸びる
- 美容室に行くのが2〜3か月に1度
- 予約の前日に慌てて整えたい
現実的には、両方を組み合わせるのがいちばん楽です。形を出すのは店に任せて、伸びた分の長さだけを自分で落とす。眉は1か月もすれば長さがばらつくので、店の周期だけでは間に合いません。
自分で切るなら、クシ付きのハサミを1本
自分で切るときに失敗する原因は、ほぼ「切りすぎ」の一点です。これはハサミの腕ではなく、道具で防げます。刃にクシが付いたタイプを選んでください。クシで毛を受けて、そこから飛び出した分だけが刃に届く構造なので、根元まで切り込めません。
貝印のクシ付きマユハサミは、同社のニュースリリースによれば2003年3月の発売で、2013年8月末にシリーズ累計1,000万個(同社出荷)を超えています。長く売れ続けている定番です。
メンズ向けなら Groom! の2WAY
男性向けの「Groom!」ラインにある2WAYタイプです。貝印公式ストアの記載では品番 HC3025、希望小売は1,430円(税込)。左右の眉それぞれに合わせた向きのコームが付いているのが特徴で、利き手側と反対側で角度を変えずに使えます。
コームを外して細かく使いたいなら DX
同じ貝印の定番、クシ付きマユハサミDXです。公式ストアの記載では品番 KQ3157、1,210円(税込)、日本製。刃部はステンレス刃物鋼、クシ部は抗菌剤を含んだポリアセタールで、サイズは123×50×17mm・12gと手のひらに収まります。クシを外せば普通の小さなハサミとして使えるので、眉尻だけを細かく詰めたいときはこちらです。
品番・価格・材質は貝印公式オンラインストアの記載(HC3025/KQ3157)。カード内の価格は楽天市場の調査時点のもので、変動します/情報時点 2026年8月
切るときに守ること
- 眉の上は切らない・剃らない
上を落とすといちばん不自然になります。触るのは下側と眉間だけにしてください。
- クシから飛び出した分だけ
クシを当てて、はみ出した先端を落とします。地肌に近い毛には刃を入れません。
- 一度に決めない
少し切って鏡で正面から見る、をくり返します。まとめて切ると左右差に気づいたときには戻せません。
- 細くしない
細い眉は顔を老けて見せます。長さがそろっているだけで、太さはそのままで十分整って見えます。
なぜ「眉の上」だけ扱いが違うのか
眉の上のラインは、骨の出っぱり(眉弓)に沿って生えています。ここを落とすと、骨の形と毛の形がずれて、顔の陰影と眉の位置が合わなくなります。下側は目との距離の問題なので、多少落としても不自然になりにくいという違いがあります。
よくある質問
美容室で眉毛を切ってもらうのは法律上問題ないですか?
美容室では眉を剃ってもらえないのですか?
眉だけを頼むことはできますか?
自分で切るのと店で切ってもらうので、仕上がりは違いますか?
まとめ
眉毛カットで迷ったら、順番はこうです。まず「切りたい」のか「剃りたい」のかを決める。切るだけならいつもの美容室でよく、剃って形を出したいなら理容室。性別で店を選ぶ必要はもうありません。
そのうえで、次に伸びるまでの長さの維持は自分の手でやります。クシ付きのハサミが1本あれば、切りすぎることなく1〜2分で済みます。店と自分の手を分担させるのが、いちばん手間の少ないやり方です。
