※この記事で紹介する「ShockMania」は、当サイト運営者が運営するG-SHOCK・カシオ腕時計の買取サービスです。筆者は元買取査定員で、その経験に基づいて書いています。料金と年数は、セイコー・グランドセイコー・シチズン・カシオと、各修理店の公式ページを実際に開いて確認しました(確認日:2026年10月9日)。
オーバーホールは3年前後に1度、国産なら16,500円から。ただし本当の締め切りは年数ではなく、部品が無くなる日です。
メーカー公式の推奨間隔は2〜4年で、各社ほぼ一致しています。一方でシチズンの公式料金表を数えると、載っている1,840機種のうち1,254機種は、もう修理を受けられません。「いつかやろう」で先送りできる話ではない、というのがこの記事の結論です。
自分の時計はいくらか、先に料金表を見る公式が言う「何年ごと」は、3年前後で一致している
ネットでは3年・5年・10年とバラバラの数字が出てきますが、メーカーの取扱説明書とサポートページだけを読むと、答えはそろっています。実際に開いて、書いてある通りに並べました。
| どこが言っているか | 対象 | 推奨する間隔 |
|---|---|---|
| グランドセイコー(取扱説明書 9SA4) | 機械式 | 3〜4年ごと |
| セイコー(取扱説明書 V111系) | クオーツ・ソーラー | 3年〜4年に1度 |
| シチズン(機械式時計の基礎知識) | 毎日使う機械式 | 2〜3年に1度 |
| シチズン(取扱説明書 0200) | 機械式 | 2、3年に一度 |
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出典:グランドセイコー 取扱説明書 9SA4/セイコー 取扱説明書 V111系/シチズン「機械式時計の基礎知識」/シチズン 取扱説明書 0200/2026年10月9日確認
グランドセイコーは理由まで書いています。「特に、使い始めの3〜4年間はそれぞれの部品が馴染む期間で、部品同士が当たることで出る磨耗紛なども多いのです」。最初の1回目こそ飛ばしてはいけない、という説明です。
上の表の2行目は、クオーツとソーラーの取扱説明書に書かれている文章です。セイコーはそこで「3年〜4年に1度程度の点検調整のための分解掃除(オーバーホール)をおすすめします」と明記しています。電池で動いていても、歯車と潤滑油とパッキンがあることは機械式と変わりません。
ただし、本当の締め切りは年数ではない
ここからが本題です。オーバーホールに行ける期限を決めるのは、経過年数ではなく「部品がまだ在庫にあるか」です。

セイコーの公式サポートは、部品をどれだけ持ち続けるかをはっきり書いています。「監督官庁の指導に基づく補修用性能部品の保有期間 クレドール、グランドセイコー、ガランテは通常10年、その他は通常7年」。生産が終わってから7年、ブランドによって10年です。
では実際、どれだけの時計がその線を越えているのか。シチズンが公開している機種番号ごとの修理料金表を、全件数えました。
出典:シチズン「修理料金について」に掲載された機種番号を全件集計/セイコー「修理について」/2026年10月9日確認
その欄に出るのは金額ではなく、「部品保有期間が過ぎたため、修理できません」の一文です。見積もりを取るまでもなく、入口で終わっています。
止まってから持ち込んでも、その頃には部品が無い可能性があります。しかも動かなくなってからのほうが、交換部品は多く必要になります。動いているうちに出すのは、精度のためというより、まだ直せる期間のうちに使い切るためです。
なおセイコーは、保有期間を「超えて、さらに長期間の修理ができる体制を整えています」とも書いています。7年で必ず断られるわけではありません。ただし同じページに「修理の可否につきましては、実際に時計をお預かりして状態を確認して判断しています」ともあり、確約ではないと読むのが正確です。
いくらかかるか。3つの出し先を公式料金で並べる
出し先は3つです。正規メーカー・店頭に持ち込める修理専門チェーン・ネットの宅配専門店。それぞれが公開している料金表から、そのまま数字を取りました(すべて税込)。
| 出し先 | クオーツ(3針) | 機械式(自動巻・手巻き) | 機械式クロノグラフ |
|---|---|---|---|
| 正規メーカー シチズン 一般モデル | 16,500円〜30,800円(機種番号ごとに金額が決まる) | ||
| 正規メーカー シチズン オーナーズクラブ対象 | 44,000円(シンプル) 49,500円(多針) | 57,200円〜82,500円 | — |
| 店頭の修理専門チェーン 時計修理工房なんぼや(スタンダード区分) | 21,000円 | 29,000円〜 | 39,000円〜 |
| ネットの宅配専門店 時計修理の千年堂 | 22,000円〜 | 27,500円〜 | 38,500円〜 |
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出典:シチズン「修理料金について」/シチズン「オーナーズクラブ対象製品の修理料金」/時計修理工房なんぼや「料金表」/時計修理の千年堂「料金表」/いずれも2026年10月9日確認
まず分かるのは、国産のふつうのモデルなら正規メーカーがいちばん安いということです。16,500円は修理専門店のクオーツ料金より5,000円ほど下で、「正規は高い」は国産の量産モデルには当てはまりません。
逆転するのは上のグレードです。ザ・シチズンやカンパノラなどオーナーズクラブ対象は、クオーツでも44,000円から。機械式の最上位は82,500円で、修理専門店のラグジュアリー区分と並びます。
修理専門チェーンの「プレミアム」「ラグジュアリー」区分も見る
なんぼやの料金はブランドで3つに分かれます。プレミアム(パネライ・IWCなど)はクォーツ29,000円・機械式38,000円〜。ラグジュアリー(オーデマピゲ・パテックフィリップなど)はクォーツ51,000円・機械式76,000円〜です。1970年代以前のアンティークはスタンダードでも39,000円〜に上がります(2026年10月9日確認)。
安い順に選ぶと失敗する。出し先は「時計の種類」で決まる
ここが、料金表だけ見ていると見落とすところです。安いほうに出そうとしても、そもそも受け付けてもらえない時計があります。
ソーラーや電波は、分解掃除より二次電池やモジュールの交換が作業の本体になるため、純正部品を持つメーカーでないと手が出ない領域です。自分の時計がどれに当たるかで、選べる道はこう分かれます。
TYPE Aの人は、料金を調べる前に機種番号(キャリバーNo.)で部品の有無を調べるのが先です。シチズンは機種番号を入れると金額か「修理できません」のどちらかが出るので、1分で分かります。TYPE Cでケースの小傷も気になるなら、宅配専門店は磨きを足せます(千年堂のライトポリッシュは6,600円から)。
同じ「オーバーホール」でも、料金に含まれるものが違う
金額を横に並べると同じ作業に見えますが、含まれる範囲は出し先ごとに違います。シチズンは公式に定義を書いているので、それを基準にすると比べやすくなります。内装修理(分解掃除)に含まれるのは、この4つです。
- 時計内部の機械の修理
これが本体。分解して洗い、摩耗した部品を交換し、注油して組み直す作業です。
- 充電式でないクオーツ時計の電池交換
電池交換代は別に取られません。なおエコ・ドライブなどの二次電池は「交換対象外」と明記されています。
- 防水検査
パッキンが劣化していないかを含めて確認します。ここが入っていない見積もりは安く見えるだけです。
- 洗浄
ただしウレタンバンドと革バンドは洗浄されません。ここは期待しないでおきます。
出典:シチズン「オーナーズクラブ対象製品の修理料金」修理項目の詳細/2026年10月9日確認
知らないと損をするのがこれです。シチズンは「複数個所の修理を依頼される場合、上位の技術料のみが適用されます」と公式に書いています。
直したあとの保証も、出し先で差があります。シチズンは一般モデルが6ヶ月以内、オーナーズクラブ対象製品が1年以内の同一箇所・同一内容の再発なら無償で再修理。セイコーは修理の保証期間を1年間としており、こちらも「同一箇所の同一故障」が条件です。
直すより売ったほうがいい線は、どこにあるか
元査定員として、ここははっきり書いておきます。オーバーホール代がその時計の中古相場を超えているなら、直すのは趣味の判断です。悪いことではなく、「資産として直す」のか「好きだから直す」のかを混ぜないほうがいい、という意味です。目安はさきほどの料金で、いちばん安い正規メーカーでも16,500円。相場が2万円台の時計なら、1回で相場とほぼ同額を払うことになります。
修理できない時計は、持っていても状態が戻りません。一方で買取の市場では、動かない個体にも部品取りとしての値が付くことがあります。直せない・使わない・でも捨てられない、という状態がいちばんもったいない持ち方です。
とくにG-SHOCKとカシオの腕時計は、モデルで中古相場の幅が大きく開きます。修理に出す前に、いまの買取相場を見てから決めるのが合理的です。
G-SHOCK KAITORI G-SHOCK・カシオ専門の買取店で、いまの相場をそのまま確認できます ※当メディア運営者が運営するG-SHOCK専門買取店です出す前にやる4つ
- 裏ぶたの機種番号(キャリバーNo.)を控える
シチズンもセイコーも、料金と部品の有無はこの番号で決まります。型番とは別の番号なので、裏ぶたを写真に撮っておくのが確実です。
- 公式の料金表に番号を入れて、金額が出るか確かめる
ここで「部品保有期間が過ぎたため、修理できません」と出たら、その先の比較は不要です。売る・そのまま持つの判断に切り替わります。
- 気になっている不具合を全部書き出す
ガラスの傷、りゅうずの緩み、バンドのガタ。同時に依頼すれば上位の技術料だけで済みます。別便にすると技術料が二重にかかります。
- 保証書と余った駒を一緒に送る
シチズンは、購入時に余った予備の駒を同梱すればバンド調整を無償で対応するとしています。駒が無いと別料金です。
日数も公開されています。シチズンは受付から3〜5営業日以内に見積もりを連絡、なんぼやはオーバーホールが最短2週間(2026年10月9日確認)。繁忙期は延びると但し書きがあります。
