※この記事に出てくる製品情報と手入れの手順は、マンダム公式(GATSBY GB メンズ アイブローキット/商品情報)、貝印公式(Groom! 毛抜き/毛抜きのこだわり)、オルビス公式を実際に開いて確認した内容だけを載せています。マンダムの公式ページに価格の記載がないため、この記事では定価を書きません。掲載している実売価格は楽天市場・調査時点の値です。筆者は理容師でも美容師でもなく、アパレル販売員・買取査定員・バイヤーとして、人の第一印象を仕事の対象にしてきた立場から書いています。
眉毛にワックスを使うなら、面でまとめて抜くのではなく、1本ずつ抜くほうに切り替えてください。
ワックス脱毛は「短時間で・広い面を・根元から」処理する道具です。眉はその3つの条件がすべて裏目に出る場所で、抜きすぎても、剃った失敗のようには直せません。この記事では、なぜ眉だけ例外なのかと、それでも根元から抜きたい人が公式手順どおりに進める方法を渡します。
1本ずつ抜く手順を先に見る「眉毛のワックス」は、2つの別物が同じ名前で呼ばれている
検索して情報が噛み合わない原因は、たいていここにあります。「眉毛 ワックス」と呼ばれているものは、目的がまったく違う2つに分かれます。
後者は毛を1本も減らしません。朝いちで眉毛が上を向いて跳ねているのが悩みなら、抜く必要はまったくないということです。この記事は前者、つまり根元から毛を抜くほうの話に絞ります。
結論:眉に「面でまとめて抜く」は向かない
剃りすぎ・切りすぎは数日で追いつけますが、抜きすぎは生えそろうまで打つ手がありません。眉は数ミリの差が表情に出る場所なので、取り返しのつかない方法とは相性が悪いだけです。
ワックスが悪い道具だという話ではありません。すね・腕・背中のように「広い面を、多少ムラがあっても、まとめて減らしたい」場所では合理的です。問題は、眉がその正反対の条件だという点にあります。
- 眉は「面」ではなく「線」で見られている
他人が見ているのは眉の輪郭のラインです。面で処理する道具は、線を1ミリ単位で残す作業には向きません。実際に眉の周りで抜いていいのは、輪郭からはみ出したごく少数の毛だけです。
- 失敗の戻し方が、剃る・切るとは違う
剃った失敗は伸びた断面が数日で出てきます。切りすぎも同じです。ところが根元から抜いた毛は、毛穴から作り直しになります。日数が読めないので、予定のある週にやる作業ではありません。
- 製品側が「顔に使う前提」で作られているとは限らない
ムダ毛用の製品は、使える部位が製品ごとに決められています。眉に使うつもりなら、パッケージの使用部位に顔や眉が入っているかを自分で確かめる必要があります。次の章がその根拠です。
「除毛剤」と「脱毛剤」は、公的には別のものとして分けられている
国民生活センターの公表資料では、ムダ毛用の製品が作用のしかたで2つに分けられています。化学的に毛を溶かして除去するのが除毛剤、物理的に毛を抜いて除去するのが脱毛剤で、ワックスは後者に当たります。
| 区分 | 除去のしかた | 代表的なもの | 法律上の扱い |
|---|---|---|---|
| 除毛剤 | 化学的作用で毛を軟化させて除去 | 除毛クリーム・スプレー | 医薬部外品 |
| 脱毛剤 | 物理的に毛を抜いて除去 | ワックス・脱毛テープ | — |
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この区分を知っておくと、ネットで拾った注意書きが自分の買った製品に当てはまるのかを判断できます。実際、公表資料に寄せられていた相談の中身はほとんどが除毛剤のもので、脱毛剤に関するものは少数だったと明記されています。ワックスがクリームと同じ危険を持つという話ではありません。
出典:国民生活センター「除毛剤の使用による顔などの皮膚障害に注意!」(2019年12月19日公表)
同じ資料には、商品本体の表示と、発売元のウェブサイトの表示とで、使える部位の記載が違う製品があったという指摘も入っています。通販の商品ページだけを見て「顔に使えると書いてあった」と判断するのは危ないということです。
買う前に、パッケージで確かめる3項目
この3つが確認できない製品は、眉に使わない
- 使用できる部位に「顔」または「眉」が入っている(商品ページではなく現物の表示で)
- 使用前テスト(パッチテスト)のやり方が書かれている
- 異常が出たときに使用を中止する旨と、相談先が書かれている
→ 3つそろわないなら、その製品は腕や脚のための道具です。眉に転用しないでください。
国民生活センターが調べた10銘柄では、使用前テストの記載と、異常時に中止する旨の記載は10銘柄すべてにありました。書かれているのが当たり前の項目なので、逆に見当たらない製品は判断材料が足りていないと考えていいと思います。
それでも根元から抜きたいなら、「点」で抜く
「剃ると青く残るのが嫌だ」「断面が伸びてチクチクする」という理由なら、根元から抜く選択肢そのものは筋が通っています。その場合の答えは、面で剥がすワックスではなく毛抜きで1本ずつです。
抜き方は自己流でやる必要がありません。マンダムはメンズ用アイブローキットの公式ページで、毛抜きの使い方を具体的に指定しています。
- 風呂上がりに始める
公式の表記は「お風呂上りは毛穴が開いているため、痛みが若干和らぎます」。順番を変えるだけで済む話なので、ここは必ず守る価値があります。
- 毛抜きは先端を上にして、肌に沿わせる
肌に対して立てて挟むのではなく、先端が上になるよう肌に沿わせて使うのが公式の指定です。立てて引くと、毛が途中で切れて毛穴に残りやすくなります。
- 眉毛の生えている方向に抜く
逆方向に引っぱらないということです。眉頭は上向き、眉尻は外向きに流れているので、場所によって引く向きが変わります。
- 1本ずつ、場所を散らしながら抜く
マンダムの商品説明も「毛抜きで一本一本抜きながら形を整える」です。同じ場所を続けて抜くと、そこだけ穴が空いて左右差が出ます。数本抜くごとに鏡から離れて全体を見ます。
道具は2択。キットごと買うか、毛抜き1本を足すか
すでにハサミとコームを持っている人は毛抜きだけ、これから一式そろえる人はキット、という分け方でほぼ決まります。
キットが向いている人
- 眉の道具を何ひとつ持っていない
- まず一式を試して、続くか見極めたい
- ケースごと持ち歩きたい・旅行に持っていく
毛抜き1本で足りる人
- 眉ハサミやシェーバーはもう持っている
- 抜くのは輪郭の外の数本だけと決めている
- つかみやすさに納得できるものを長く使いたい
ハサミ・コーム・毛抜きが1つになったキット
マンダムの「ジービー メンズ アイブローキット」は、公式の説明が「眉を整えるための必要最低限のツールをまとめた」というもので、中身はハサミ&コームと毛抜き、それにケースです。公式は使い分けまで明記していて、ハサミ&コームで長さをそろえてムダな部分をはっきりさせ、そのあと毛抜きでいらない部分を抜いて形を整えるという順番になっています。
つかみやすさで選ぶ毛抜き1本
毛抜きは形で得意分野が変わります。貝印は公式で、先が平たいU型はつかみ損ねることなく引き抜けるタイプ、先端が斜めのものは狙った毛をキャッチしやすいタイプと説明しています。眉の輪郭から出た細い毛を狙って抜くなら、後者の考え方に近いものを選ぶことになります。
同社の「Groom!」は男性向けのグルーミングシリーズで、毛抜きの公式説明も「マユやムダ毛のお手入れに。細かい毛もしっかりキャッチします」と、そのまま眉を想定した書き方になっています。
抜いたあとの肌は、こすらずに保湿だけしておく
毛を抜いた直後の毛穴は、しばらく開いた状態です。ここで気になって触ったり、アルコールの強いふき取りシートでこすったりすると、赤みが長引きます。やることは「触らない」と「保湿」の2つだけで足ります。
眉のまわりだけ特別なケア用品を買う必要はありません。顔全体で使っているものがあるなら、それを眉の下あたりにも同じように塗れば十分です。持っていない人は、洗顔・化粧水・保湿の3つがそろったメンズ用のセットが手っ取り早いと思います。
オルビス ミスター
オルビスの男性向けスキンケアシリーズです。公式は「8アイテム分の機能を集約」した洗顔料・化粧水・保湿液の3ステップという設計で、洗顔料は男性肌のテカリに向けて汚れを吸着するタイプ、保湿液は乾燥しやすい男性肌のうるおいを保つもの、と役割が分けて説明されています。何から買えばいいか分からない人が、迷う項目を減らすための選択肢として置いておきます。
オルビス公式で内容を見る 洗顔・化粧水・保湿の3ステップ/公式サイト眉を触る順番は「切る → 剃る → 抜く」
最後に、この記事を含めた眉の手入れ全体の順番を置いておきます。抜くのはいちばん最後です。先に抜いてしまうと、切る・剃るで調整できる余地が減ります。
- 切る(長さをそろえる)
コームで毛を起こして、はみ出した分だけをハサミで切ります。ボサついて見える原因の大半はここで解決します。
- 剃る(輪郭の外を落とす)
眉の下側と眉間、輪郭の外側だけに刃を入れます。上側は原則として触りません。
- 抜く(残った数本だけ)
1と2を終えてなお輪郭からはみ出している毛だけを、この記事の手順で1本ずつ抜きます。ここまで来ると、抜く本数は思っているより少ないはずです。
