※この記事に出てくる選手のプロフィール(身長・ポジション・所属)は、すべてNBA公式サイト(nba.com)の選手ページを実際に開いて確認した表記です(調査時点のもので、所属は変わることがあります)。ご本人については公式に確認できる事実のみを扱い、噂・私生活・移籍の憶測には触れません。着用ブランドの断定も、本人・公式からたどれないものは書きません。筆者は元アパレル販売員・元買取査定員で、いまは現役のファッションバイヤー兼古物商です。記事の中で商品リンクと買取サービス(当メディア運営者が運営)を紹介しますが、判断の材料は先に全部出します。
NBA選手の私服がおしゃれに見えるのは、センスの前に頭身の問題です。だから真似すべきは「服」ではなく配分。
この記事で扱う10選手の平均身長は、NBA公式表記で約201cm。同じ服を着ても、日本人の平均的な体格では別物になります。そこでこの記事では「体格に関係なく真似できる要素」と「真似しないほうがいい要素」を仕分けし、最後に1万円以内で買える・贈れるものまで具体的に出します。
なぜNBA選手の私服はおしゃれに見えるのか
「NBA選手の私服がかっこいい」で終わってしまう記事はたくさんあります。でも、それを見て自分で同じ格好をしてみて、鏡の前で「あれ、なんか違う」となった経験はないでしょうか。私はアパレルの店頭で、その「なんか違う」を毎日見ていました。原因のほとんどはセンスではなく寸法です。
まず、数字を見てください。この記事で扱う10選手の身長を、NBA公式サイトの選手ページから1人ずつ引いて換算したものです。
出典:NBA公式サイト(nba.com)各選手ページの身長表記をcm換算(1インチ=2.54cm)/調査時点
選手別プロフィール一覧(NBA公式表記)
着用ブランドを並べたページは山ほどありますが、身長を並べたページはほとんどありません。じつはこれが、真似できるかどうかを決める一番の情報です。
| 選手 | 身長 | ポジション | NBA公式ページの所属表記 |
|---|---|---|---|
| ロビン・ロペス | 約216cm | Center | チーム表記なし |
| ベン・シモンズ | 約208cm | Guard-Forward | チーム表記なし |
| レブロン・ジェームズ | 約206cm | Forward | Philadelphia 76ers |
| 八村塁 | 約203cm | Forward | LA Clippers |
| カイル・クーズマ | 約203cm | Forward | Milwaukee Bucks |
| モントレズ・ハレル | 約201cm | Forward-Center | チーム表記なし |
| P.J.タッカー | 約196cm | Forward | チーム表記なし |
| ラッセル・ウェストブルック | 約193cm | Guard | Sacramento Kings |
| ディアンジェロ・ラッセル | 約191cm | Guard | Memphis Grizzlies |
| デアーロン・フォックス | 約191cm | Guard | San Antonio Spurs |
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身長が10cm違うと、同じ服が別の服になる
服には「この身長の人が着る」という前提の寸法が入っています。海外ブランドのコートの着丈、パンツのわたり幅、袖のカーブ。すべて着る人の身長を基準に設計されています。
たとえば同じロングコートでも、身長200cmの人が着れば「膝上」、170cmの人が着れば「ふくらはぎ」に来ます。前者はコートに見え、後者はガウンに見えます。素材も色も同じなのに、印象だけが変わる。これがいわゆる「着られている」状態の正体です。
まったく真似できないという意味ではありません。ただし真似する順番があります。配色と小物から入るのが正解で、サイズ感と丈から入るのが失敗です。次の章で、その仕分けを具体的にします。
真似していい要素と、真似しないほうがいい要素
ここからは、10年以上ファッションの接客と買取査定をしてきた立場での仕分けです。判断のもとになる考え方は単純で、「その要素は体格に依存するか、しないか」だけを見ます。
※この5段階は、筆者が接客・査定の現場で使っている判断です。NBAや各選手の公式発表を引用したものではありません。
真似していい(体格に関係ない)
- 色を3色以内にまとめる
- キャップ・ソックス・バッグのうち1点だけを強くする
- ツヤのある素材とマットな素材を混ぜる
- 足元の色を、上半身のどこかに1か所返す
- 上下のどちらか一方だけを大きくする
真似しないほうがいい(体格に依存する)
- 上下とも極端に大きいサイズで揃える
- 膝下まで届く長いコート・ロングガウン
- ハイカットスニーカー+裾の太いパンツ
- 全身を大きなロゴで埋める
- 裾をたっぷり靴の上に溜める履き方
とくに効くのは「1点だけ強くする」
選手たちの私服写真を並べて見ると、共通しているのは強いものが1点しか入っていないことです。派手な色のバッグを持つ日は服が無彩色。全身がカラフルな日は足元が黒。この配分だけは、身長がいくつでもそのまま真似できます。
- 強い1点を先に決める
キャップでも、スニーカーでも、バッグでも構いません。先に「今日の主役」を1つ決めてしまうと、残りは自動的に決まります。主役が2つ以上あると、写真にしたときに視線が定まらず「がんばっている感じ」だけが残ります。
- 残りは黒・白・グレー・ネイビーで埋める
無彩色は身長を選びません。主役以外を無彩色にするだけで、同じ服でも整って見えます。色を足したくなったら、主役に使った色を「もう1か所だけ」返すところまでにしてください。
- 上下のどちらか一方だけを大きくする
トップスを大きくしたらボトムは細く、ボトムを太くしたらトップスはジャストに。両方を大きくできるのは、頭身に余裕がある体格だけです。ここを守るかどうかで、同じ服の見え方が変わります。
- 靴下の存在を無視しない
選手の写真で意外と目に入るのが足首です。パンツと靴の間にある数センチは、コーディネート全体の印象を左右します。ここを黒一色にするか、あえてロゴ入りの白にするかで、まとまり方がまったく変わります。もっとも安く効果が出る場所です。
手持ちの服で試すなら、まずここから
買い足す前に、いま持っているもので配分を変えてみてください。それでも1点足したくなったら、大きめのスウェットが一番失敗しにくい入口です。上を大きくして下を細くする、という一番簡単な形が作れます。
※オーバーサイズは「Lサイズ」ではなく着丈と身幅の実寸で選んでください。手持ちのTシャツを平置きで測り、身幅+6cm前後が目安です。
選手別・私服の「型」と、日本人サイズでの置き換え方
ここからは選手ごとに見ていきます。着用ブランドを断定している他のページも多いのですが、本人・公式からたどれるものが見つからなかったため、この記事ではブランド名の断定はしません。かわりに、写真から読み取れる「型」=シルエットと配色の組み立てを説明します。これなら手持ちの服でも再現できます。
八村塁 Rui Hachimura

ドレスの着こなしです。ここで見てほしいのは服そのものより肩の位置。肩線が実際の肩の上にきちんと乗っていて、そこから下がまっすぐ落ちています。ジャケットが体に対して大きすぎず小さすぎない、というだけで、これだけ整って見えます。

こちらはスポーツウェアに小物を1点だけ足すという、いちばん再現しやすい型です。全体をスポーツブランドでまとめて、バッグだけ質感の違うものを持つ。上下の色数が少ないぶん、1点が効きます。

カイル・クーズマ Kyle Kuzma
クーズマは、服で遊ぶことを恐れない選手です。会場入りのたびに違う方向を試していて、同じ型を繰り返しません。以下は本人のInstagram公式投稿です。
P.J.タッカー P. J. Tucker
タッカーはスニーカー好きとして知られる選手です。この記事の中でもっとも参考にしやすいのがこの型だと考えています。理由は単純で、足元を主役にする組み立ては、身長にほとんど左右されないからです。




モントレズ・ハレル Montrezl Harrell
ハレルは色数の多い服を破綻させずにまとめます。以下は本人のInstagram公式投稿です。
ベン・シモンズ Ben Simmons
シモンズの型は、ボトムに柄を持ってくるのが特徴です。上を無地でシンプルにして、下に視線を落とす。上半身に柄を持ってくるより難易度が高い組み立てで、脚の長さがあるほど成立しやすくなります。

ディアンジェロ・ラッセル D’Angelo Russell
ラッセルは系統を固定しません。日によってまったく違う服を着ます。「自分の型を1つに決めなくていい」という点では、いちばん気楽に参考にできる選手かもしれません。
デアーロン・フォックス De’Aaron Fox
フォックスは王道のストリート。この記事の中で、日本人がいちばん再現しやすい型です。理由は身長がこの10人の中で最も低い部類であることと、ストリートの服が元々ゆとりを前提に作られているからです。
| 要素 | フォックスの組み立て | 170cm台での調整 |
|---|---|---|
| トップス | ゆとりのあるフーディ/Tシャツ | そのままでOK。着丈だけ短めを選ぶ |
| ボトム | ゆとりのあるパンツ | ワイドではなくストレートに落とす |
| 足元 | スニーカー | そのままでOK |
| 小物 | キャップ・バッグ | そのままでOK。むしろ増やしていい |
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足元から始めるのがいちばん早い
ここまで6人を見てきて、置き換えの説明に何度も出てきたのが足元でした。スニーカーは身長の影響を受けない数少ないパーツで、しかも1足で全体の印象が変わります。手をつける順番としては最優先です。
※日本のサイズ表記(cm)と海外表記(US)は同じ数字でも別物です。必ずcm表記か、手持ちの靴の実寸で合わせてください。
レブロン・ジェームズ LeBron James
レブロンの私服は、1つの型に絞れません。スーツもストリートもスポーツも着ます。「TPOに応じて服のモードを切り替える」という、いちばん大人向けの参考例です。




ラッセル・ウェストブルック Russell Westbrook
ウェストブルックの面白さは振れ幅にあります。徹底的に崩した日と、きっちり整えた日の差が大きい。同じ人物とは思えないほど印象が変わります。






ウェストブルックの写真をもっと見る


ロビン・ロペス Robin Lopez
ロペスは、いわゆる「おしゃれ」の文脈とは別のところにいる選手です。個性的で、しかも本人が楽しんでいるのが伝わってきます。服を評価される対象ではなく、好きなものを見せる場として使っているタイプです。


ジェームズ・ハーデン James Harden
ハーデンの会場入りは、この記事のなかでもっとも「服そのもの」に寄った型です。デザイン性の高い服を、そのままの形で着る。着こなすというより、服の設計に体を合わせているという感覚に近いです。






ハーデンの写真をもっと見る





画像:すべてInstagramより
予算1万円で「NBAっぽさ」を足す|自分用にもプレゼントにも
ここまでを読んで「まず1点だけ試したい」と思った方、それからバスケ好きの人への贈り物を探してこのページに来た方に向けた章です。1万円という予算は、NBA関連のファッションアイテムではかなり選べる金額です。
NBA関連のファッションアイテムの価格帯(楽天市場・調査時点の実売)
贈って外さないための4つの条件
プレゼントで失敗するパターンは、ほぼ決まっています。相手の好みを当てにいって外す、です。当てにいかずに外さない方法があります。
贈る前に、この4つを満たしているか確認してください
- サイズが要らないもの、または幅が広いもの(キャップ・ソックス・バッグは体型を選びません)
- 特定のチームを指定しすぎていないもの(相手の推しチームが確実に分かっている場合を除く)
- 普段着に混ぜられるもの(部屋に飾るものより、外に着ていけるもののほうが使われます)
- いくらか分かりにくいもの(値段が検索ですぐ出る定番品より、少しひねりのあるほうが気を遣わせません)
→ 4つ満たすなら、相手の好みを知らなくても外れません。逆に1つでも欠けると、タンスに入ったままになります。
1万円以内で選べる3点
上の条件をすべて満たすものを、楽天市場から実際に3つ選びました。3つ全部を合わせても約1万円です。予算に応じて1点でも、まとめてでも使えます。
選んだ理由:キャップはサイズが要らないうえ、この記事で何度も出てきた「強い1点」をそのまま担えます。スナップバック(後ろで留め具を調整する形)なら頭のサイズも問いません。贈り物として最も条件を満たすカテゴリです。
選んだ理由:チームロゴではなくNBAのリーグロゴなので、相手の推しチームを知らなくても贈れます。プリントではなく刺繍なので洗濯で剥がれにくく、Tシャツとしての寿命も長い。「バスケ好き」と分かる主張が、うるさくない範囲に収まっています。
選んだ理由:この記事で「もっとも安く効果が出る場所」と書いた足首まわりです。3足組でこの価格、レビュー件数も多い。単体では贈り物として軽いので、キャップやTシャツに添える使い方が向いています。
30代がやりがちな失敗と、明日からの3ステップ
店頭に立っていたころ、スマホで海外の選手やアーティストの写真を見せて「これと同じものはありますか」と聞かれることが、月に何度もありました。同じものをお出しして試着していただくと、ほとんどの方が鏡の前で黙ってしまう。悪いのはお客さまでもその服でもなくて、写真の中の人の身長が20cm以上違う、それだけのことなんです。その日から私は、同じ服ではなく「同じ配分の別の服」をお出しするようにしました。そのほうが、圧倒的に売れました。
- いま持っているスニーカーを1足選ぶ
買い足しません。手持ちで一番よく履くものを1足決めてください。ここが「強い1点」の候補になります。色を1つ書き出しておきます。
- その色を、上半身に1か所だけ返す
キャップでも、Tシャツのロゴでも、バッグでも構いません。同じ色が上下2か所にあると、視線が上下に往復して人の背は高く見えます。3か所以上に散らすと、まとまりが消えます。
- 残りをすべて無彩色にする
黒・白・グレー・ネイビーだけで埋めます。ここまでで、色は実質2色。地味に思えるかもしれませんが、写真に撮ると印象が変わります。物足りなくなってから足すほうが、失敗の巻き戻しがききます。
NBA選手の私服から持ち帰る価値があるのは、服そのものではなく配分です。配分はタダで真似できます。それを試したうえで足りないものが分かってから、1点買い足してください。順番を逆にすると、着ない服が増えます。
着なくなった服を、次の1点の予算に回す
この記事を書いていて改めて思ったのですが、多くの人のクローゼットには「型が合わなかった服」が眠っています。写真を見て買った、大きすぎるアウター。丈が合わなかったコート。1〜2回しか着ていないものです。
買取査定員をしていた経験から言うと、こういう服は状態がいいぶん、思ったより値が付きます。着ていないのですから当然です。そして、そこで得た金額はそのまま次の1点の予算になります。
オーラリアン
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